小説『Fate/Zero これは戦争ですか? いいえ観光です』
作者:銃剣()

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第八話 世の中全て自給自足


間桐家夕方


今日の間桐家は平和である。正確に言えば賑わっている
あの日、話し合いが終わりやるべき事を行い、次の日からのんびり過ごしていた
やる事と行っても雁夜の兄・間桐 鶴野を本当の自分を探しに旅に行かせたぐらい、鶴野は相当ビビりだったので善明が喝を入れて、根性を叩き直した。そして何故か清々しい顔をしながら間桐家を出た
そして一段落付いた雁夜は読書中


「今まで、こんなにゆったりした事はない」


そう言いながら、本を閉じ、遊んでいる桜を見る
今はランスロットとオセロをしている。ディルムッドは槍の素振り、ジルはセイバーの写真のチェック、ハサンは洗濯物を畳んでいる。雁夜はこの光景になれた為ツッコミを入れない


「今帰ったぞ」


「ふぅ〜疲れた」


「ただいま、悪い悪いバイトクビになったわ」


「帰ってきた第一声にそれかぁ!!」


「アンタらマジメにやれぇ!!」


雁夜とハサンのツッコミは未だに衰えがない
ちなみに、ギルガメッシュ・イスカンダル・善明の三人は金稼ぎにバイトに行ったが、初日でクビになって帰ってきた。


「いい加減にしろよ!お前らいつになったらまともに仕事するんだ!」


「しょうがないだろ。店長が急に出てったからテンパったんだよ」


「テンパったからと言って初日にクビになるって何やったんですか!?」


「いやハサン実はな・・・・・はい回想スタート」





回想


そこはとあるコンビニ
一人の客がレジの前に立っていた。そして店員は


「いらっしゃいませだ」サクサク


う○い棒を食っているギルガメッシュだった
喋っている時も食べるのをやめない


「…いや、いらっしゃいじゃなくて、貴方勤務中ですよね。何故うま○棒を食べているんですか」


「うまいからに決まっているだろでございます」


「…貴方、私をナメてるだろうってオイッ!!ボロボロボロボロ食べクズが袋に入ってるだろーが!!ちょっ…店長ォォ!店長を呼べェ!!」


客がギルガメッシュに注意しようとしたが、ギルガメッシュがサクサク食べている為、う○い棒の食べクズが袋の中に入る。それを見た客が激怒して、店長を呼ぶ
少しして店の奥から二人の男が出てくる


「店長の松村です。お客様、何か不備でもございましたか?」サクサク


「副店長のイスカンダルだ。何か困っているのか?」サクサク


「不備はお前らの頭だァァァ!!」


店の奥から出てきたのは、チョコバ○トを食っている善明とふ菓子を食っているイスカンダルだった
客はそれを見てさらに激怒しながらツッコム
善明とギルガメッシュとイスカンダルは腰を下ろし、ひそひそと話す


「オイ、なんかエライ怒ってんじゃねーか」サクサク


「そのようだな。お主何かやったのか」サクサク


「知らん。来た時からずっと怒っているぞであります店長・副店長」サクサク


「オイ、そのサクサクを止めろって言ってんだよ!オイ!オイ!」


ひそひそ話をしていても決して食べる事をやめない三人。それにツッコム客


「すいませんお客様。僕ら臨時で入った者なんで難しい事わかんないッス」


「だが我らは、一生懸命やるのでよろしく頼む」


「いや一生懸命やらなくていいからその棒とれっていってんだよ!」


善明とイスカンダルと客が騒いでいると、ギルガメッシュが袋をレンジに入れて温めていた


「オイちょっと!それ何あっためてんの!?」


「我は何も分からん。だが王として全力を尽くす」


「全力ってちょっと、ジャンプとか入ってんだけど・・・≪パン!≫あああああ爆発した!なんか爆発した!!」


ギルガメッシュはレンジから袋を取り出し、客に渡す


「何すんだァァお前ら!!ジャンプがドレッシングまみれじゃないかァ!!」


「そう言われても僕ら分からないんで。でもこんな冷たい時代だから、こんなアットホームなコンビニがあってもイイと思うんすけど」


「いいわけねーだろ!テメェ弁償しろコラァ!!」


回想終了







「って事があったんだよ」


「うむ。何がいけなかったか」


「さっぱり分からん」


「それはアンタらがいけない事だろうがぁ!!」


「「「ごふぅ!!」」」


善明・イスカンダル・ギルガメッシュの後頭部をドロップキックをするハサン
ちなみに妄想幻像を使って三人に増えている


「何仕事場で菓子食ってるんですか!少しはちゃんとして下さい!」


「ちゃんとってルールに従うのは御免だ。人は他人の引かれたレールを走らない。人は自分の道を見つけてこそ、新たな可能性があるんじゃないのか!」


「何の話してるんですか!知らないですよそんなの!!」


善明は訳の分からん演説をするがハサンにツッコまれて終わる


「今夜の夕食どうするんですか?このままじゃまずいですよ」


ハサンは夕食の事を心配する。それは何故かというと、昨日ハンバーグの他に何種類か料理を作ってしまったので間桐家にはあまり食材が残っていない。このままだと貧しい食事しか出来なくなる。それを避けるためにバイトをしていたが、速攻でクビになり望みが消えかかった
この問題に各自意見を出す


何処かの国を略奪するか? ダメに決まってるでしょ 強盗でもするか 何とんでもない事言うんですか やはり時臣に頼むか それは却下します 俺もだ 『思い切ってアインツベル城に潜入します?』それは私は行けますが皆さんは無理でしょ 私n却下…ひどい!まだ何も言ってませんよ!
とサーヴァントと雁夜が話し合っていると


「はぁ〜…面倒だけど、やるしかないか」


「ん?何か方法があるのか」


「そうだイスカンダル。お前ら準備しろ」


『何をするんですか?』


「決まってるだろ……働かざるもの食うべからず。食材取りに行くぞ」


そう言って善明は部屋を出て行った







どこかの海岸


「敵のサーヴァント・・・」


「はい。100メートル程先の物陰から気配を漂せています。どうやら我々を誘ってようですが」


そう言っているのが黒スーツを着ているサーヴァント・セイバーとそのマスターの演じているアイリスフィール・フォン・アインツベルンだった
二人は冬木市を観光し、すっかり夜になっていた


「律義ね。戦う場所を選ぼうって訳……お招きに預かるとする?」




「ッ!?…望む所です」


セイバーとアイリスフィールはサーヴァントの居る所に向かった
だが二人は知らなかった。そこではどんでもない戦いが起こっている事を







深夜の冬木市の港湾区の一角を占める広大なコンテナターミナル
そこには二つの影があった
セイバーとアイリスフィールだ。二人はコンテナターミナルの中を歩いていると突然声が聞こえた


「良くぞ来た。今日一日、この街を練り歩いて過ごしたものの、どいつもこいつも穴熊を決め込む腰抜けばかり・・・」


その声の主はディルムッドだった
セイバーとアイリスフィールは周りを確認するが、ディルムッドの姿はない


「俺の誘いに応じた猛者はお前だけだ」


その声は海岸の近くで聞こえた
セイバーとアイリスフィールは、その声が聞こえる方を見る、そこには、帽子を被り仁王立ちをするサーヴァントが居た
そしてそのサーヴァントの近くには立てられた竿と箱が置かれていた


「その清澄な闘気…そして竿のしなり具合…大物と見て間違いない!!」


ディルムッドは竿を手に取り、一気に引き上げる
その勢いで海から何かが引き上げられる!


だがそれはボロボロの長靴だった


「くそ!・・・・またか・・・・」


「お〜い。釣れてるか?」


ディルムッドが悔しがってもう一度釣り糸を海に投げていると、釣り人のような格好をした善明とサーヴァント達が来た


「いや、また長靴だ。すまない」


「またかよ。お前の幸運Eは伊達じゃねぇな」


「しかし善明。本当に釣れるのか?」


「イスカンダルさんの言うとおりですよ。こんな深夜に魚いるんですか」


「だからってここまま帰れるか。雁夜と桜ちゃんの夕食作っちまったから、俺達の夕食は無いんだぞ。だからこうして人気のない所で釣りしてんじゃないか。何事も自給自足だぞ」


そう善明達は海岸で魚を釣り、それを夕食にしようという考えだったが、なかなか釣れずにいた


「自給自足って雁夜さん働いてないじゃないですか。不公平ですよ」


『そんな事言わないでください。雁夜さんは桜ちゃん守るのに必死なんですから』


ハサンの文句を言うがランスロットが説得する
ディルムッドが釣り糸を見ながら、話しかける


「どちらにしろ。このまま帰れば俺達の食事は抜きだな」


「我は何としても、釣り上げるぞ」


「そう意気だ。誰しも頑張れば何とかなる。きっと大物が釣れるはずだ!」


「そうですね。では私達…も…」


ハサンは釣りをしようとしたが、固まっていた


「あぁ?どうしたハサン。なんか大物でも釣れたか」


「いえ…皆さん…アレ…」


「「「「『ん?』」」」」


善明達はハサンが指差す方を見る





そこには、呆然としているセイバーとアイリスフィールがいた





「「「「「『……………』」」」」」


全員がその場で固まる。そして


「「「「「『(べ、別の意味で大物が釣れたぁああああああああああああああ!!!)』」」」」」


全員は心の中でそう思った

-8-
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