小説『魔法少女リリカルなのは 〜自由気ままな転生者〜』
作者:レムルス()

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 第17話



ーなのはsideー


「えっと、この辺りだよね。フェイトちゃん。」


「うん。もうすぐだよ。なのは。」


私は今、地球にあるらしい未知の反応の調査に、フェイトちゃんと一緒に来ている。


「それにしても、見たことの無い反応・・・何だろうね。」


「未発見のロストロギアじゃなきゃいいけど。」


そう言っている間に目的地へ着く。そこには5メートル以上はある大きなクレーターが広がっていた。そして、


「・・・ハサミ?」


中心にはハサミが埋まっていた。


「あれから反応がする。なのは、とりあえず封印しよう。」


「分かったの。じゃあ、行くよ。フェイトちゃん。」


そう言ってレイジングハートの先に魔力を溜める。


「・・・えっ?」


突然、穴の底からハサミが浮かび上がる。そして、こちらへと襲いかかって来た。


その速度は目で追えない程、速い。


「なのは!危ない!」


突然の事に動けない私をフェイトちゃんが突き飛ばす。


地面に倒れ、すぐに起き、突き飛ばされた方を見た私が見たのは、


赤い液体を纏いながら空を昇っていくハサミと、


「ごほっ・・・・!」


胸から血を吹き出し、血を吐きながら倒れていく、フェイトちゃんの姿だった・・・。


・・・突然の事に反応出来ない。


呆然としていた私は、フェイトちゃんの倒れた音で正気に戻り、駆け寄った。


「フェイトちゃん、フェイトちゃん!起きてよ!返事をしてよ!」


そう叫んでも、フェイトちゃんは目を開けない。


私の所為だ、私が動けなかったから・・・そんな考えが頭を巡り、またこちらに来るハサミに対応出来ない。


ハサミが私に当たる直前、ギィン!と金属がぶつかる音が鳴り響く。そして、


「「闇獣切り十字刃(ジエント)」か・・・あんま急ぐ意味無かったんじゃね?」


聞き覚えのある声が響く。


「西条くん・・・?」


「ん?どうした?変な顔して。」


「フェイトちゃんが!・・・」


「大丈夫。アレは人間に危害を与えたりはしない。グロいから精神的には分かんないけど。首切られても生きられるぞ?ホラーだけど。」


「・・・えっ?」


「信じられない?んじゃ証拠を見せるぞ?」


西条くんはフェイトちゃんに近づき、そして私の声で、


「フェイトちゃん。あんまり寝てるとO・HA・NA・SHIだよ?」


「ごめん!なのは!今起きたからそれは止めて!」


「落ち着いて!私、そんなことしないから!」


「え?でもさっき・・・・え?」


「な?んじゃ。」


彼はそんな事を言い、ハサミの方に向かった。


「・・・フェイトちゃん。私、そんなに怖いかな?」

「え?えっと、その、そ、そんなことないよ。」


起きた時の方が絶対正直なの。


もう少し優しくした方が良いのかな?


そんな風に、私に精神的ダメージを与えて。


ーなのはside終了ー


「・・・ったく、これが俺にも危害がなきゃ良かったのにな〜。」


俺は目の前のこちらに来るハサミを見つめながら言う。


これは人間には、危害を及ぼさない。そう、人間には。


俺は小さく息を吐くと、呟く。


「乙女を汚す黄泉の蛇」


すると、手に先端が蛇の頭の様な形の剣が数百本生まれ、ハサミに喰らいつく。


「んじゃ、やれ。そいつを犯せ。毒蛇よ。」


瞬間、剣がキヒァァアアアアアアと耳障りな叫びを上げる。


ハサミはみるみる紫に染まり、やがて黒くなっていく。


「ほい、終了〜。」


そう言うと同時に、剣が消える。ハサミが力を失い、地に落ちる。


「ふわぁぁ。眠い。帰ろ。」


そう言い家へと向かおうとした時、


「時空管理局です。事情聴取の為、少し来て貰えませんか?」


「え〜、パス。武器突きつけてくる組織に信用なんて持てないし・・・眠い。」


「それ絶対後の奴が本音なの・・・。」


そう言いながらデバイスを突きつける、高町がいた


「つーかフェイト。お前もその組織なんだろ?いきなり武器を構えるとか組織としてどう思う?」


「え?・・・普通、かな?」


どんだけ?どんだけバカ何だよ!この組織!


少し常識ってものを知れ!

-20-
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