小説『魔法少女リリカルなのは 〜自由気ままな転生者〜』
作者:レムルス()

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第25話



八神を助けて、今俺達はシュテルとリィンフォースの元へ向かっている。


「西条君、今リィンの方に行っとる友達って誰なんや?」


「シュテルって名前で、家の居候。八神も知ってるはずだけど?」


シュテルの方も知ってたし。


「うーん、聞いたこと無いなぁ。」


へぇ、じゃあ違う名前を使ってたか、それとも、


「・・・八神、その歳で痴呆か?」


「違うわ!!・・・って言うか随分余裕やな。心配じゃないんか?」


八神はそう聞いて来る。いや、だって、


「シュテルがSランクオーバー程度の魔導師二人程度に負ける訳がないからね。」


そう言った途端赤い光が空を埋め尽くす。


「・・・ほらね。」


「・・・ほらねって・・・もうええわ。もう何が来ても驚かへん、夜天の主は狼狽えない。」


あ、八神がオーバーヒートしてシュトロハイムになりかけてる。


そんな事を思いながら、俺は妙にスッキリした顔をしているシュテルに声をかける。


「終わったみたいだね。」


「はい、終わりました。ところであれは何をしているのですか?」


そう言うシュテルの視線の先には、頭を抱える八神と、それをどうにかしようと何かを言っているリィンフォース。


「まぁ、あれだ。八神にはシリアスは不可能だったって事。」


それを聞いて、シュテルは納得した様な顔をする。


「前見た時からそうだとは思っていましたが・・・やはりですか。」


「そこ!全部聞こえとるわ!誰がシリアスは不可能や!誰がギャグ専門や!!」


「主!そこまでは言っていません!」


リィンフォースが必死になって止めようとしてるな〜などと思いながら見ていると、シュテルが話し出す。


「まだ気づいていませんか。なら教えてあげましょう。・・・ハヤテ、貴女のシリアスは、闇の書と共に消え去ったんですよ。」


「なん・・・・やと・・・!?・・・ってそんな訳あるか!」


「主!落ち着いてください!それに星光!いや今はシュテルだったか・・・とにかく、主を煽るな!止めてくれ!」


「分かりました。・・・ハヤテ、安心してください。ギャグにも需要はあります。」


その言葉にウガーッ、と吠える八神を半眼で見つめ、次に笑っているシュテルの方を見て言う。


「・・・そろそろ止めないと時間がなくなるんだけど。」


「そうですね。少し勿体無いですが、そろそろ止めましょう。」


そう言って俺達は、八神を止めに行った。







「いや、ごめんな。」


数分後、ようやく落ち着いた八神がこちらに謝って来る。


「・・・謝るなら先にリィンフォースに謝ったら?」


「そうやった。ごめんな、リィン。」


「い、いえ。・・・だ、大丈夫です。主。」


全然大丈夫に見えない。ってまぁいいや。


「八神。とりあえず質問は?」


「とりあえず、何でこの結界に入れたんや?対象以外は締め出すって聞いたんやけど。」


「家の周りに、魔法全てを消す結界を張ってたから、対象から外されたんだよ。そっちの・・・リィンフォースは?」


するとリィンフォースは少し考えて、


「西条、お前は、「寂しがりの悪魔」なのか?」


そう聞いてきた。


ん?何でばれたんだ?


「何の事?」


「いや、そのバリアジャケット、それが前そう名乗っていた男が着ていたものと同じだったからな。」


「・・・あ・・。」


うん、仕方がない。そう思う事にして、声を変えて話す。


「正解。僕が寂しがりの悪魔だ。」


そう言うと、二人は顔を見合わせる。


「んま、時間がないから、さっさと結界を解いて帰るぞ。話はまた後で。」


そう言って眼で結界の式を見る。


「シュテル。あっちの構成を変えてきて。俺はこっちをやるから。」


「分かりました。」


そう言うと同時に、魔法の構成を変えていき、数秒後には、結界は解除された。


「八神、俺達は帰るから。今日の事は他言無用で。」


「西条君、時間がないって一体・・・」


「俺はもう寝なきゃいけないんだよ。じゃあ。」


俺はそう言ってシュテルと帰って行った。


なんやねん、それ!と叫ぶ、八神を残して。

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