小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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学生編
99話 フィナンシェとシェーレの日常
一軒の良くも悪くもない木造の家
その家で1人の少女の笑い声と1匹の幼竜の鳴き声が静かに響いた。

「ほらほら〜、たくさん食べてね〜&#9825;」

「キュ〜キュルル〜♪」

フィナンシェは可愛い相棒ペットのシェーレに餌として
美味しい骨付き肉や適当な野菜を与えて
そして、シェーレはそれを笑顔を浮かべてガツガツと食べていた。

フェアリードラゴンの幼竜シェーレ
カルゴ山に生息している希少な竜種である。
本来なら飼育されずに自然の中で本当の親の元で暮らしていたはずなのだが
偶然が重なってこの子が孵化した際に刷り込みで
チェリッシュとフィナンシェが親だと勘違いして思い込み
このように懐きに懐いてしまったため
そのせいで親に返すことができなくなってしまい
こうしてひとり立ちをする大人になるまで育てることになったのだ。

まあフェアリードラゴンは小型竜なので
シェーレを育てる際の生活の支障があまりないのは幸いだった。

「キュキュキュキュウ〜〜♪」

そんなバートン一家が笑って受け入れて可愛がってもらっている幼竜は
リズム良く鳴きながら元気に走り回れる程に成長していた。

「はいはい、お代わりだね〜」

フィナンシェは甘えているシェーレの頭を撫でて
すぐにお代わりを用意した。

このようにチェリッシュが学校に登校している間は
妹のフィナンシェがシェーレに餌を与えることになっている。

初めは両親がやろうとしたのだが、
シェーレは全く餌に手を付けなくて
さらには暴れたり噛み付いてきたりすることがあったので
懐かれているチェリッシュとフィナンシェが餌やりを行うことになった。
ちなみにシェーレが反応してくれない・餌を食べてくれない・抱くことができない
これらができなかったため両親は癇癪しかけてしまったのは余談である。





「さてと仕事を始めますか・・・」

シェーレがお腹いっぱいになり昼寝をしたのを確認した後、
フィナンシェはハンターの仕事に取り掛かることにした。

ドサ コト カチャカチャ

フィナンシェは鞄や倉庫から壺や絨毯やナイフなど出して床に並べた。
これ等は彼女がアンサートーカーで見つけ出した掘り出し物で
フィナンシェは集めた高価な骨董品をオークションで
並べたのは少しでも高値が付いて売るために大事に整理・掃除・メンテのためである。

「うーん、やっぱベンズナイフは不気味だね・・・」

ごしごしと手を切ってしまわないよう中期型のベンズナイフを磨きながら
フィナンシェは呟いた。

ちなみにこのベンズナイフは
去年のヨークシンオークションの値札競売市で手に入れた物だが
(フィナンシェは1人で行って来て、チェリッシュは家でゴロゴロ)
実は本来は某団長が原作のゾルディックとの戦いに使用し愛用していた物である。
つまりフィナンシェが本来はクロロが手にするはずの
このベンズナイフを手に入れた時点で
来年の9月の未来の原作にごく僅かに影響が出たわけである。
まあそんなことは細かい原作知識までは持っていないチェリッシュや
ナイフを所有しているフィナンシェは全く気付いていないわけだが・・・





「ただいまー」

「あ、おかえりーお姉ちゃん」

そんな平和な感じに時間が過ぎてチェリッシュが学校から帰宅してきた。

「うわ〜、集めに集めたね〜!」

「アハハ、市場で片っ端から見つめた物を買っていったら
いつの間にかこんなに集まったの♪」

フィナンシェは機嫌良くしながら言った。

その後、これ等の骨董品はチェリッシュが
入れられるだけホワイティ・バッグに詰め込み
晩御飯までどこに売るかを軽く話し合いをして過ごした。





晩御飯や入浴を終えた2人は笑顔で部屋に戻って来た。

「ふう、お腹いっぱいっと」

「ねえ、お姉ちゃん・・・・」

「何?フィナンシェ?」

「私はあとどの位仕事をこなしたら
一つ星になれるのかな・・・・?」

フィナンシェはベッドに仰向けに寝転んで聞いた。

「そうだね・・・大手柄と言えるような仕事を
1つか2つはこなさないとなれないと思うよ・・・」

「そっか・・・」

「まあ急ぐ理由はないし、
コツコツやっていこ」

「うん、そうだね」

そして、2人はクスクスと談笑し
次の日に備えて寝ることにした。

(明日も楽しい1日でありますように・・・)

フィナンシェは眠るときに笑顔でそう願い
気持ちよくベッドに潜り込んだ。











おまけ

「団長〜、ゴメン〜
あのベンズナイフだけど買っていったみたいで・・・」

「・・・・誰が買っていったんだ?」

「先日の美術館で俺等と戦った少女・・・」

「あいつか・・・」

「奪おうと思ったんだけど、逃げられちゃった」

「おいおい、シャル何やってんだ?
捕まえろよ!!
俺はあの時に顔を血まみれにした礼をしたいんだからよ!!」

「高速移動か移動用の念を使ったみたいで
捕捉できなかったんだ・・・」

「ふぅーん、ただ者じゃないね
あたしと同じ特質系か具現化系かもね」

「まあ今は放っておけ!
あいつ等はハンターとして仕事をして世界を回っている限り
また、いつかどこかで会うことになうだろう
借りはその時に返してやればいい・・・」

団長の言葉はその場に静かに響き
団員達はそれにコクリと頷いた。



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