春休み放浪編
１０５話 のんびり×将来
学校は３学期が終わり明日から春休みなので
いろいろと賑わっていた。
「あ〜、春休みか〜、楽しみだ」
「うんうん、宿題はないし」
「夏休みや冬休みと違って
今の季節は暑くも寒くもなく丁度良い気候だから
行動しやすいしな」
「そういえば、お前の予定は？
俺は両親と海外旅行に行くことにしてるぞ」
「奇遇だね、僕もだよ」
（うーん、どうしよっかな・・・）
私は周りのそんな会話を耳にしながら
（春休みはどうしようかな〜）
春休みの予定を考えていた。
まあ彼女は最近いろんなことがあったので
そんなことを考える余裕がなかったからではあるが
それでチェリッシュは少し悩んでいると
「チェリッシュ、ちょっといい？
今日は暇かしら？」
ミセラが教室に入って来てズシズシと歩い
私に話しかけた。
「まあ暇といえば暇ですが・・・・」
私はのんびりとしながら答えた。
「じゃあフィナンシェと一緒に
ちょっと来てくれない？」
「へえ・・・かなりの規模の施設ね」
私は水着姿で連れて来られた温水プールを見渡しながら言った。
「こんな高い所に招待してくれてありがとうございます」
フィナンシェはミセラにお礼を言った。
「気にしない気にしない
１人で入るのは寂しいから２人を呼んだだけだしね」
そして、私達は早速プールに入ることにした。
「あー、気持ち良くて楽しいよ」
フィナンシェはプカ―としながら呟いた。
「まあ温水プールだからね」
私はプールにつかってのんびりとしながら言った。
そんな感じで私はのんびりと楽しんでいると
「２人共、ちょっといい？」
ミセラが私に話しかけてきた。
私達は人が少ないエリアのプールにやって来ていた。
ミセラはそこにあった客用の丸いテーブル付きの椅子に座り
私達も座った。
そして、ミセラは
「あなた達は将来を考えてる？」
予想外な話をしてきた。
「うーん、私は今まで通り世界を回りながら
ハンターの仕事をしていく予定にしてる」
「あたしもお姉ちゃんと同じように
懸賞金・財宝・ハッカーとかやりながら
フリーダムに世界を旅していきたいな・・・」
とりあえず私とフィナンシェは少し戸惑いながら答えた
「まあ、あなた達らしい回答ね・・・・
ある意味、うらやましいわよ・・・
で、あなた達は上を狙っているの？」
ミセラはふうとため息をついて言った。
「どういう意味ですか？」
私は怪訝な顔をして聞いてみた。
「プロハンターの最高ランクの称号である
三ツ星トリプルを狙っているのか？ということよ」
（・・・・確かに今まで人助けや金を稼ぐために
後先考えずに仕事をしてきたけど、星の事はあまり考えてなかったな・・・）
私は腕を組んでこれまでのハンターとしてやってきたことを
頭に浮かべて考え込んだ。
「まあとにかく生きていくためには
目標や夢があった方がいいと思うわよ」
「確かにそうかもね・・・」
私はフィナンシェもウンウン言いながら
考え込んでいるフィナンシェを片目で見ながら
ミセラの言うことに同意した。
「でも、なんで急にこの話を？」
私はちょっと気になってので聞いてみると
「王族である私は生まれた時点で
今の所は不満はないけど
人生や運命はほとんど決まっているからね・・・
それで他の人の人生特にプロハンターであるあなた達の
今後の将来が気になったの・・・」
「そうですか・・・」
ミセラは何か悟りを開いたような感じで答え
その後、話を切り上げ
私達は適当に楽しんで解散した。
「ねえ・・・お姉ちゃんはさっきの話をどう思う？」
帰宅後、部屋で就寝の準備をしているとフィナンシェが
ミセラの話をどう思っているか聞いてきた。
「まあ、私のように今後三ツ星トリプルになる目標を立てて行動したりと、
自分が納得・満足する人生を作るのが良いと思うね・・・
ゆっくり考えてフィナンシェはフィナンシェなりの
目標を立てればいいと思うよ」
「そうだね、じっくりと考えてみるよ・・・」
私が言ったことに何を思いついたのか
フィナンシェは悩むのをやめてベッドに潜り込んだ。
（考えてみると私達は生き急いでいるよね・・・）
そして、私はそんなことを考えながら瞼を閉じた。
「というわけで今日から私はまた旅に出るから」
翌朝、私は両親に自分の将来のことや
また、旅に出ることを話した。
「そうか・・・いつものことだが
無茶はするなよ・・・」
父さんはため息をつきながら言った。
まあ出来るだけ気を付けるよ・・・
そんなこんだで私は再び旅に出た
カッコ付けて「自分探しの旅行くぞ―」とか叫んで
一部の者から白い目で見られながら