小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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春休み放浪編
107話 哀れな犯罪者達




クライズタウン
別名“咎人の町”と言われ
とてつもなく治安が悪い無法地帯の町である。
元々はただの廃墟があるだけの村だったのだが
いつの間にか元犯罪者やマフィア等のわけありの者達が集まり
犯罪者の巣窟と化してしまったらしい。

そして、この町の住人が今新たにやって来た余所者を狙っていた。





この町にやって来た余所者は俺達の恰好の獲物だぜ。
ここにやって来る奴は犯罪者か犯罪者予備軍とも言えるような連中ばかり
大抵、皆ここに着いた時は浮かれているか
この辺りの気候は年中霧が出て、磁気も狂っているせいで
たどり着くのに苦労してボロボロな状態だ。
そして、俺達にその隙を付かれて身ぐるみ剥がされるってわけだ。
さてさて、今回は旅人それもガキのようだ。
おそらく迷いこんで来たんだろうな。
ここはガキが来る所じゃねえし
だが旅人は金をたんまり持っている場合が多いからな。
くくく、世の中の厳しさを教えてやるぜ。
おっと、他の奴等に先を越される前にやっておくか。





俺はこっそりとポニーテールの女のガキの旅人を観察していた。

(ふむ、あの銃とか高く売れそうだな・・・・)

俺はにやけながら少女が身に付けている物を眺めた。

「よし、犯るか・・・」

そう呟いた男は少女を仕留めるために動こうとすると

「くくく、お嬢ちゃん
ここの入国料を払ってもらおうかぁー」

「言っとくが持ってる金や持ち物全部だぜ〜
ギャハハハ!!」

(ちっ、先越されちまったか・・・)

俺は少女の前に現れた仕事知り合い達を見て舌打ちをした。
だがいつものことなのですぐに計画を練り直して
漁夫の利で利益を横取りすることにした。

(さてどうやって漁夫の利を取ろうか・・・・)

俺はそんなことを考えていると

ドサドサドサッ!!

「「「「な!!?」」」」

いきなり少女の目の前にいた男達が糸が切れた人形のように崩れ落ちた。

「な!!て、てめえ何しやがぶれぇっ!!」

そして、その驚愕から我に返った男が
少女に詰め寄ろうとするとぶっ飛ばされ

「ハグゥ!!」

「グバアッ!!」

そして、他の連中もその男のようにぶっ飛ばされて
宙を舞っていた。全員、白目を剥いて・・・

「な、何が起こったんだ・・・・!!?」

俺は目を見開きに見開いた表情で呟いた。
そんな感じで俺は呆然としていると

「て、てめえー、ぶっ殺す!!!」

少女の足元で地に伏せている連中の仲間が
ぞろぞろと町中から怒声を上げて
少女を取り囲み全員を銃を突きつけた。

「さすがにこれは無理だろうな・・・・」

俺は少女の命がここで尽きるのを確信し
なんとなく片手で十字を切り、
少女を襲うのをあきらめようと決めたら

「な、なんなんだよ・・・・!?
あのガキは!!?」

信じられない光景を目にした。
それは・・・・


あのポニーテールの少女が素手で銃持っている連中を
無双のごとく次々と殴られ蹴られたりして
ぶちのめされている光景だった。

「1人であいつ等全員叩きのめしちまった・・・・」

俺はそんなことを呟いて少女は何者なのか考えたが
全くわからなかった。
ただ、唯一わかったことは
それはあの少女があいつ等を叩きのめしたことと
俺の手に負える存在じゃあないということだ。

俺は関わるのは御免なのでこっそりとこの場から去ろうとすると
俺の他に観戦していたあの少女を
狙おうとしていた連中も全員倒れていることと
いつの間にか少女が消えたことに気付いた。
それを知った俺は嫌な予感をしたのと同時に
腹に衝撃を感じて視界が暗くなり意識を飛ばされた。

その後、目が冷めたら病院のベッドの上で
俺はアバラ骨数本折られて入院となった。
あとで知ったことだがあの少女にやられた者は
全員、重傷で即病院行きとなり大半がトラウマを植え付けられたのか
女の子を恐れるようになったそうだ。
俺もそいつ等程じゃないがそれなりにトラウマになってしまったぜ・・・・
ポニーテールに対してだがなぁ・・・・・

おそらく、今の俺と同じことを考えているのは結構いるだろうな・・・

「真っ当に仕事をして働こうかな・・・・・」

いろいろと懲りた俺はそう呟いた。



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