小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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春休み放浪編
110話 ハードヒッター




私はリズさんに案内されて彼等がいる屋敷の前に来ていた。

「ここにいるんですね?」

「は、はい、そうです!」

そして、彼女を危険にさらさないようすぐに村に帰るよう
言って彼女が去ったのを確認した後、絶で気配を消しながら
私は屋敷に入ることにした。




「ん・・・」

「ハロルドさんどうしました?」

「侵入者のようだな・・・・」

屋敷のとある一室で酒を飲んでいた男ハロルドは
招かねざる客の存在に気付いた。

(相手は絶でうまく気配を消していることから念能力者
それもかなりの実力者だな・・・・)

男はさすがプロハンターなだけあり
瞬時に敵の情報を考察した。

(次々と部下を倒しているな・・・・
アマチュアのあいつ等では分が悪い
まあ幸いにも敵は部下達を殺さずに
無力化してくれていることだな・・・・)

隠しの監視カメラで倒れている部下達を見ながら
男は侵入者の迎撃の準備に取り掛かった。





その頃、村に帰る途中のリズは悩んでいた。

「う――ん、いくらプロハンターでもあの子は子供だし
あのハンター達に勝てるとは思えないよね・・・・
だからといって加勢に向かって邪魔になるだけだし
どうしよう・・・・・・」

そんな感じでチェリッシュのことを心配していると

ガサガサ

「誰っ!?」

「その話を詳しく聞かせてもらおうか」

「あ、あなたは!!?」





「くっ、相性が最悪ですね!!」

私は少し焦った表情で言った。

「済まないなぁ嬢ちゃん!
悪いがKOしてもらうぜ!」

ハロルドは右手のラケットと左手の鉄の棒を持って
ニタニタして言った

「このっ!!」

ズドドドドドンッ!

私は念弾の散弾を放ったが

「あらよっと」

バシィィン!!

「うわっととっ!!
散弾もですか!!!」

念弾は全てハロルドは両手に持つラケットと鉄の棒でに引き寄せられ跳ね返し
私はなんとかそれをかわした。

(念弾を攻撃手段の放出系の私にとって厄介な能力ですね・・・・)

私は頭に流れている汗をぬぐいながら相手の能力の観察をした。




それは磁石のように( ハードヒッター)

具現化系能力

右手にラケットを、左手に鉄の棒を具現化する。
ラケットは、引力のように念を引き付ける性質を持つ。
鉄棒は、斥力のように念を反射する性質を持つ。
触れずとも効果あるが、触れたほうが効果がはるかに大きい。
両手で持てば、二つの性質を持ち、相手の念弾等を引き付けて打ち返すというカウンター・ドライブという技が使える

コインに念を込めて打ち出す、コマに念を込めて操作するなどの物質に念を込めて打ち出す相手ならある程度誤魔化しがきくが、純粋な念弾を使う相手にとってまさに天敵のような相手。

ハードヒッターという名前の割に防御重視である。




(仕方ないイチかバチか距離を詰めて肉弾戦に・・・・・)

少しずつ追い詰められていた私は接近戦に持ち込もうと決めて
堅を維持したままチャンスをうかがっていると

バンッ!

「いきなりで悪いが邪魔させてもらうぞ!」

いきなり白黒の服を着た怪しい念能力者の男が
ドアを蹴り飛ばして顔面血だらけの男を引きずりながら
部屋に入って来た。

「なんだお前は?」

ハロルドは怪訝な顔をして男に問いかけた。
どうやら彼の仲間ではないらしい。

(ただずまいから私の敵でもないみたいだね・・・・)

私はなんとなくではあったが推測し、
ハロルドにも警戒しながら男を注視した。

「俺はミザイストム、犯罪(クライム)ハンターだ!
2人共戦うのを止めてくれ!」

「ミ、ミザイストムさんの言う通り
落ち着いて下さい!」

ミザイストムの後ろからひょっこりと出てきたリズさんが
必死に説得してきた。

「・・・・・事情を話して下さい」

私は銃を下して言った。




「まさか、こいつ等がこの一件の真の首謀者だったとはね・・・・」

私は仰向けで倒れている血まみれの男達を見下ろしながら呟いた。

ミザイストムさんは言うからには
この辺りの村々からこいつ等がハンターの振りをして
皆をだまして金や食料を持って行っていたらしい。
しかも、彼等はハンターの存在をよく思わない組織の者で
この事件の罪を全てハロルド達に擦り付けて
ハンター達やハンター協会の名誉を汚す計画だったらしい。
だが私がこの地にやってきてためこのままでは私が調査をして
すぐにばれると判断し、村から去ろうとしたら
ミザイストムさんが現れて見ての通り彼にぶちのめされたというわけだ。

ちなみにその後、ミザイストムさんは真実を村の人達に説明し
もう皆誤解は解けてすぐにでも私達に謝罪したいらしい。

(ふう・・・・まあ穏便に解決できたから良しとしますか・・・・)

ハロルドさんと謝り合いながら私は安堵した。



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