小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>


休み放浪編
112話 妬み・畏怖・嫉妬・恨む者



「ずっとついてきますね・・・・・」

私は村から出てからずっとこそこそと自分を尾行している連中を
うっとうしく感じてきた。

(リズさんの時は敵意を感じなかったからそんなに気にしなかったけど
あの人達は明らかに私に対して敵意をバンバン出しているからねぇ・・・)

私は撒くか潰すか考えていると

「どうやら殺る気満々のようですね・・・・」

殺意を感じ取り私がそう呟くと同時に

ビュッ! バシュ! ドンドンッ!

「おっと!」

いきなりたくさんの矢と銃弾の嵐が
一斉に襲いかかってきて私は軽くそれをかわした。
そして・・・

ガサガサ ザッザッザッ

「全く・・・・私を1人消すために
ずいぶんと集めたものですね・・・・・」

私は自分を囲んでいる百人はいる賊達に向かって言った。
すると、彼等のボスらしき大男が出てきた。

「あなたがボスですか?」

「ああ・・・そうだ
俺達はアンチハンターだ!
早速だがここで死んでもらうぞ、プロハンターの小娘!!」

私は彼等がアンチハンターだと知って納得した。

(なるほどね・・・・どうりで賊にしては
私に対してやけに殺気だっているなあと思ったよ・・・・)

おそらく皆ハンターを特にプロハンターを
恨み憎み嫌っている連中ばかりなんだろう。
私は彼等の殺意の理由はそれだと判断した。
そして、同時にさっきミザイストムさんが捕らえた連中の仲間
じゃないかと思い聞いてみることにした。

「もしかして、あの村の近くに住んでいた
ハロルドさん達を陥れようとしたのは・・・・?」

「ああ、その通りだ・・・・
あと少しで計画通りにいったのによぉ・・・・
てめえとあの牛男のせいでなぁ!!!」

ボスの男は最初は小声で話していたが徐々に声を荒上げ
最後は怒りや憎しみがこもった大声で叫び

「ああ・・・・もう我慢できねえ!!
てめえ等!!殺っちまえええええ!!!」

戦闘の命令を下し

「死ねぇぇぇ!!」

「オラァァァ!!」

「オオオオオオオ!!」

そして、その合図で周りの男達は血走った目で
一斉に私に襲いかかってきた。

「はぁ・・・・しょうがない
戦りますか・・・・・」

私は両手をパキポキさせて迎え撃つことにした。





そして、10分後

「うぐ・・・・・ちくしょう・・・」

「ふぅ・・・・手加減するのが大変でしたよ・・・」

この場で意識がある者は私とアンチハンターのボスの大男だけとなった。
まあそのボスも頭は血まみれでなんとかフラフラと立っているという状態だが

「今、警察と救急車を呼びましたからそこで大人しくしていて下さい」

私は携帯を懐に直しながらそう言った。

「な、なめんじゃねぇぇぇ!!!」

すると男は顔を真っ赤にして最後の抵抗のつもりか体当たりをしてきた。

「ふんっ」

ドムッ!

「うぐ・・・・」

私はひょいとそれをかわしカウンターで手加減した拳を
男の腹に叩きこみ黙らせ

「クソォ!クソォ!クソォ―――――!!」

そして、倒れ込んだ男は叫びに叫んだ。

「相当、ハンターに恨みがあるようですね・・・・・」

「ああ、そうさ!!
てめえらハンターのせいで・・・・せいで・・・・」

男の過去を聞くと彼が幼い頃に故郷の村に昔、凶暴な魔獣が現れ
次々と村民が殺され犠牲になったそうだ。
その際にハンターに討伐依頼を出したが報酬を用意することができなくて
たまたま見つけたハンターになんとかまけてくれないかと頼んだが断られ
なんとかかき集めて魔獣を退治した頃には村の住民の大半が犠牲になり
その時にこの男の家族も自分以外全員死んだらしい。
強欲なハンターのせいで

その後、男はスラム街に暮らし始めそこで盗みを繰り返して生活をしていたが
ある日、数少ない仲間がプロハンターに殺されてしまったのだ。
ただただ生活のために仕方なく懐のお金を盗もうとしただけなのに
そして、そのプロハンターは特に罪に問われなかったそうで
それを知った男はこの時から
ハンターを根絶やしにするために生きてきたそうだ。
自分と同じ考えの同士を集めながら

「・・・・・・」

私は無言になって男の過去を聞いた。
そして、ようやく口を開いた。

「あなたの過去はよーくわかりました。
ですがハッキリ言わせてもらいますけど
あなたがやっているのは復讐ではなく
ただの八つ当たりと自己満足にすぎませんよ」

「なんだとっ!!」

男は私に全く怖くもない怒気を向けて反応した。

「それに復讐なんてことをして
死んだ家族が友人が喜ぶと思っているんですか!!?」

私は説教じみた声で言った。

「う、うるせぇ、うるせぇ、うるせぇ・・・・・」

「そして、あなたのせいでどれだけの人達が被害にあい
迷惑しているかわかっているんですか?
あなたがやっていることはただのテロという名の犯罪行為
それ以外なんでもありません!」

そう言うと男は俯いて何も言わなくなってしまった。
私はその様子を見て

「はぁ・・・・・プロハンターって難儀な職業ですねぇ・・・・・」

そう呟き駆け付けて来ている警察や救急車サイレンを耳にしながら
ため息をついて青空を見上げた。


-114-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ハンター×ハンター最終研究 (サクラ新書)
新品 \840
中古 \1
(参考価格:\840)