小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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春休み放浪編
113話 紳士なハンター



アンチハンターを返り討ちで捕縛してから3日
私はルルカ遺跡近くの森で適当な木を背にして座り込んで

「うーん・・・・・」

うーん、うーんと言いながら少し考え事をしていた。

「・・・・・ハンターという職業は実力等の能力だけじゃなく
覚悟とかも必要ってところかなぁ・・・・」

私は懐からハンター証を出し見つめながら呟いた。

(まあこんなのに答えなんてないんだけどね・・・・・)

原作でのあのお婆さんが出した
2択クイズの真意がある意味で少しわかった気がする。
私はそんなことを考えながらハンター証をしまい
予約したホテルに戻るために町に足を進めた。





「おや、あなたはもしかしてチェリッシュさんではありませんか?」

ホテルに戻りロビーを通りかかると
カールな髭をした紳士的な人が私に話しかけてきた。

「・・・・そうですが、あなたは?」

私は警戒しながら答えることにした。
この人はそれなりに強い念能力者のようだし

「ああ、すみません紹介が遅れました
私は遺跡ハンターをしているサトツと申します。」

その言葉でこの人がサトツだと知った私は

(私はすごい偶然の星の下で生まれたのかな?
なんかこの数年で次々と原作に登場した人達に遭遇してるんだけど・・・・)

ちょっと何とも言えない気分になった。

「どうしたのですか?」

「いえ、なんでもありません」

そんな私の様子にサトツさんが心配し私はすぐに適当にごまかした。

(この数年は本当にマジで色々あったよね・・・・
って、なに考えてんの!!相手がサトツさんだからいいけど
今の私は敵からだと隙見せてるようなもんじゃん!!)

「そ、それでサトツさんはなんで私の事を知っているんですか?」

とりあえず気を取り直し疑問に思っていたことを聞いてみることにした。

「ああ、実は2年ほど前にハンター協会で
あなたが一つ星シングルに昇格した時に
偶然、私も協会にいてあなたの事を耳に入りまして
しかも、あなたは11の若さで昇格したプロハンターで
一部のハンターの間で有名になっていますので」

(ああ、なるほどね・・・・・まあ10歳でハンター試験受かるは
それからわずか1年で一つ星シングルに昇格したんだから
話題に上がらないわけないよね・・・・・)

私はサトツさんの話を聞いて納得した。

「それで何か悩んでいたようですが
私でよかったら相談に乗りますよ」

(まあこの人なら信用していいかな・・・・)

私は先日のアンチハンターの事を話すことにした。





「なるほど、そんなことがあったんですね・・・・」

サトツさんはホテルのロビーのソファーに座りこんで呟いた。

「まあ、ハンター稼業はやめるつもりはありませんけど、
ハンターは場合によっては難儀な職業だなぁと思ってしまって・・・・・」

サトツさんの向かい側に座っている私は低い声でゆっくりと説明した。

「チェリッシュさんが悩むことはないと思いますよ
別のハンターの責任や別の念能力者の間違ったことをした罪の責任は
その人の責任であなたが気に病む必要はありません
そして、念という強大な力を持っていることに関しては
それぞれ本人の責任ですよ
そもそもこういう問題とかをなんとかするためにハンター協会があるんですから
あなたはあなたでやりたいことをやればいいじゃないかと
そして、大事なのはハンターになったら何を成すかですかねぇ・・・・」

(・・・・・まあ、確かにその通りだよね・・・・)

「・・・・そうですよね
サトツさん、いろいろとありがとうございます」

私はいろいろと頭がスッキリしたのでサトツさんに礼を言った。

「いえいえ、礼を言われるほどではありませんよ
実は私は昔、遺跡発掘の仕事で利益優先のやり方をしていたのですが
あるハンターの仕事ぶりを知って恥ずかしくなったことがあったんですよ」

「え、それってもしかしてジンさんのことですか?」

「え、ご存じなんですか?」

サトツさんは少し驚いて反応し
私はジンさんに偶然会ったことを話して
その後、ジンさんに電話をかけてサトツさんと話をさせてあげた。





「サトツさん、相談に乗ってくれてありがとうございます」

「いえいえ、チェリッシュさん、こちらも本当にありがとうございます
ジンさんと話ができたおかげで今日は充実した1日になりましたよ
あともし暇な時に是非ここにどうぞ
では私はこれで、お体気を付けて下さいね」

サトツさんは笑顔で私にホームコードやルルカ遺跡のパンフレット等を渡して
こちらに手を振りながらゆっくり歩いて去っていった。

「さーて、今晩はややこしいことは考えずに
ゆっくり休みますか〜」

考え事が解消した私はそう言い、自分の部屋に向かって歩き始めた。



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