小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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春休み放浪編
120話 ディゾルブキラ―



「ちっ、役立たずが!!」

チェリッシュ達が泊っているホテルのすぐそばの車に乗っている
ゼンジは部下がやられたことを知って苛立っていた。

「も、もう残っているのはジード1人みたいですが、
どうしますか?」

運転席の男はゼンジにおそるおそる聞いた。
するとゼンジはフンッと煙草を吸い口を開いた。

「問題ねえ・・・・あいつは硫酸で相手の体を溶かして殺すもんだから
ディゾルブキラーって呼ばれていてな
まあとにかくとてつもなくイカれた奴だ!
あんなガキ共じゃあ、あの男には手も足も出ねえよ」

ゼンジはそう言い吸い終えた煙草を窓から外に捨てようとすると

ドカァァァァ!! ガシャン!

ホテルから盛大な爆発音が響き渡った。

「派手に戦り合ってるみてぇだな・・・・・・」

ゼンジはたらりと冷や汗をかいて呟いた。





「オラオラオラ―――――ッ
どうした?逃げるしか能がねえのか?」

私達はジードの硫酸のオーラ攻撃をかわしながら移動していた。

「全くイカれた奴だね・・・・」

「オーラを酸に変える能力・・・・
あの発を作る際にあんな姿になったんでしょうね」

「ええ、そして、その覚悟が制約となり
かなり凶悪な能力になっています」

私は走りながら呟くと
フィナンシェとレイラさんはジードの能力の考察をし
冷静に説明した。

そして、クリネアさんは

「こ、これが念能力者の戦い・・・・・
凄すぎますよ・・・・・
というか皆さん落ち着きすぎです!」

初の念能力者バトルの実戦で少々パニクッていた。

「まあまあとりあえずクリネアさん・・・・
私達は数え切れない程、こんな戦いをしてきたので
慣れているんですよ」

「あたしはこんなのに慣れたくありませんけどね・・・・」

「さーて、そろそろですかね」

ズドォン!

私は立ち止り背後に迫る硫酸のオーラに念弾を撃ち込んだ。

「おいおい・・・・こんな豆鉄砲は俺には通用しないぜえ!」

私達が立ち止ったので足を止めたジードは下卑た笑いをして言った。

「いまのはただの牽制ですよ」

「はあっ?」

私の言葉にジードは怪訝な反応をした。

「逃げるように移動した理由は3つあります
1つ目は他の客が巻き添えにならないようにするため
2つ目は誰もいない広くて戦いやすいこの場所に誘い込むため
そして、3つ目は時間稼ぎですよ・・・・」

「どういう意味だ?
ん、な!!?お、俺のア、溶解者(アシッドマン)が・・・・!!?」

ジードがそう聞くのと同時に溶解者(アシッドマン)が
使えなくなっているということに気付いた。

「あれだけ使いまくったんです
オーラがあっという間に尽きて当然ですよ」

「どうやらチェックメイトのようですね・・・・」

「さてどう料理してあげましょうか」

「お姉ちゃんあたしがトドメを指すよ」

私、クリネアさん、レイラさん、フィナンシェは
微笑を浮かべながら言った。

「く、くそぉ!!
あ、あれ・・・・体をうまく動かせねえ・・・・」

追い詰められたジードは逃げようとしたが
後先考えずに能力を使ったせいでかなり消耗したので
走る体力も残っていなかった。

「さて、覚悟はできてますか?」

私はジードに銃口を向けて言った。

「ヒ、ヒィィィィィ!!!」

今まで狩る者だった男が狩られる者になった瞬間だった。





こうして私達はマフィア達を返り討ちにした。
ちなみにこいつ等を送り込んだゼンジはフィナンシェとレイラが
黒い笑みを浮かべながら(ある意味で怖かった)ハンター証の力を使って
賄賂を受け取った警察署長達と一緒に物理的に叩きのめして監獄にぶち込んでおき
ゼンジは原作に登場したことを知らない私はそんなことを知る由はないのだが
彼は原作のヨークシン編が始まる前に強制退場することになった。
まあ例え私がゼンジのことを知っていてもたいして原作に良い意味でも悪い意味でも
全く影響が出ない脇役なので放っておくと思うが

とにかく、こんな感じで色々と騒動ばかりの私の春休みは終わった。



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