小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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のんびり×大騒動編
127話 ハンターを狩る者




「む〜、クナイの政府の高官や大統領が暗殺
ネバスカの国宝“暁の涙”が幻影旅団によって盗まれる
コトリタナ共和国でクーデター
最近、物騒だね・・・・」

「そうだね・・・・」

早朝、牛乳を飲み新聞をうなりながら
読んだフィナンシェは率直な感想を口にし
クリネアさんはうんうんと頭を縦に振っていた。

「フィナンシェ新聞好きだね〜」

のんびりと目玉焼きを口にしながら私は言った。

「情報は武器だからね」

あっさりと答えたフィナンシェに対して私は少し苦笑した。

(2年程前までは私の方が教える側だったのにな・・・・)

この数年で妹はずいぶんと知識を付けてきて
私の方が教えられることが多くなってきていた。
かなりの成長速度だと思う。

「フィナンシェ、新聞を読みながら食べないで」

「はーい」

母さんから軽い注意を受けフィナンシェはポイッと新聞をソファーに投げて置いた。

「皆、おっはよ〜」

「チェリッシュさん、ニコラさんが来ましたよ」

「え、もう早っ!」

実は最近私はクリネアさんとニコラさんと一緒の3人で登校下校していて
毎朝、こうして彼女は迎えにやって来るのだ。

「ニコラさ〜んすぐ準備を終えますのでちょっと待ってて下さ〜い!」

そして、少々慌てたチェリッシュとクリネアは
鞄を手に家から出て行った。
その際、チェリッシュ達がバタバタとしたため
ソファーの上にあった新聞は振動で床に落ちた。


「すでに軽く百人以上各地でアマチュアハンター殺害される」という一面の記事が





その頃、とある街のスラム街の一角
この場の屋敷に50人程のアマチュアのハンター達が拠点として
存在していたが

ザシュッ!

「ぐはああっ!!」

たった今、3人の黒づくめの連中によって1人残らず殺害され
完全壊滅してしまった。

「ふん・・・・・アマチュアじゃ雑魚すぎて
相手にならねえ・・・・
もう少し殺しがいのあるプロハンターと殺りたいぜ・・・」

首を斬り落とし最後のこの屋敷の住人をあっさりと殺した
返り血塗れの男は苛立って呟いた。

「まあ所詮は群れるしか能がない奴らだからね〜」

動かなくなった肉人形となり地に伏せている周りの足元に転がる死体を
興味がないように虫けらでも見ているかのような顔や口調で
黒づくめの女はクスクスと笑いながら言った。

「おい、とっとと金目の物を回収して帰るぞ!」

「「へーい」」

黒づくめにガスマスクのようなものを付けた
ごつい声を出すリーダーらしき男に従い動き始めると

♪〜♪〜

「あ゛〜なんだぁ?」

突然、リーダーの男の携帯が鳴り
男は少し不機嫌ながら電話に出ることにした。

「ほう・・・・それは面白ぇ
任せときな1人残らず殺してやるからよ・・・・」

男はやる気満々な感じで電話を切り仲間の2人に顔を向けた。

「新しい仕事が入ったぜ!
かなり殺り甲斐があるもんだ!!」

そして、男はさっきは機嫌が悪そうな表情だったのに
今は歓喜の表情に変わり金目の物を集めている2人に仕事の内容を話し
2人もニタリと笑った。

「へえ・・・・あいつ等たまには良い仕事を用意するじゃねえか」

「相手にとって不足なしね」

「くくくく、楽しませてくれよプロハンターさんよぉ!!」

彼等は携帯の画面に映っているポニーテールの少女を
眺めながら言った。





こうしてもうすぐとんでもない危険なイベントが
チェリッシュを中心に起ころうとしていた。


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