小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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のんびり×大騒動編
131話 オペレイトバルーン×シャドウ・ウルフ




「コソコソと隠れていることはわかっている
全員、出て来い!!」

どうやって人質を救出するか話し合っていると
廃工場から黒づくめの大声が聞こえた。
どうやら気付かれていたらしい。

「仕方ないですね
行きますか・・・・」

「ねえ皆ちょっといい?
イチかバチか人質救出の手があるんだけど」

私達は動こうとするとクリネアさんがそんなことを言いだして
他に手が思いつかないのでクリネアさんの策に耳を傾けることにした。





「よ〜く、来たな
嬉しいぜ〜」

「こちらは嬉しくもなんともないですよ・・・・」

廃工場に入ると黒づくめの3人組がいて
その後ろに人質の2人がいた。
そのためか3人共ニヤニヤとしていた。

(チャンスは最初で最後
頼みますよ・・・・・)

私は体中の冷や汗を出しながら銃を3人に向けた。

「どういうつもりだぁ?
これが見えねえのか」

「ええ、わかってますよ
これを私はあなた達の注意を他に向けるためですから」

ドリュッ!

私がそう言うのと同時に人質の2人は地面にのみ込まれた。
いや、正確には2人の足元の影にのみ込まれたと表現した方が良いだろう。

(どうやらクリネアさんはうまくやってくれたようですね・・・・)

私は2人を連れてすごいスピードで離れていく
クリネアさんと念獣の黒い巨狼の気配を感じながら少し安堵した。




黒覇狼シャドウ・ウルフ
具現化系

能力
黒い2m程の巨狼を具現化させる。

この念獣は影を通して別の影に瞬間移動できる。

この影の移動は念獣だけではなくクリネア本人や他の者も可能


制約
念獣のダメージは共有しており
念獣が負傷すると使用者のクリネア本人も同じ個所を負傷する。

念獣が死ぬつまり消滅するとクリネア本人は1ヶ月強制的に絶となり
念能力は使用できなくなる。

影の移動できるのはクリネア本人を含めて1日3回3人まである。
ただし念獣自身はクリネアの視界の範囲内ではあるが命令で何回でも移動可能。





「ちっ、あたしと同じ念獣の具現化系能力者かい・・・・
ふざけた真似をしてくれるね・・・・・」

「まあいいじゃないかい」

「ああ、別にあいつ等がこの場から退場しようがどうでもいい」

「ずいぶんと余裕そうですね・・・・・」

てっきり人質がいなくなったことで怒るかと思ったが
黒づくめの3人はあまり気にしていないようだ。

「まあ3対4から3対3になったし」

「元々、あいつ等はこいつ等をおびき寄せる為の餌だったからな」

「ああ、そういうことですか・・・・・
(なるほど、正々堂々と叩き潰す気というわけですか・・・・・)」

「そういうわけだ・・・・
じゃあ始めようか
そして、死になぁっ!!」

ボシュッ!!

「「「「念弾っ!!」」」」

ドォォッ!!

シュォォォ ガラガラガラ

「へっ、俺のブレスボムを喰らって無事で済むわけがねえ
たとえ死んでなくても致命傷確実だぜ!」

戦闘開始の合図に口から念弾を出してきた。
黒づくめの男は「あっけねぇな〜」と付け加えて言った。

「いや、まだのようだ」

ズドンッ!!

「とおっ!」

「私達を舐めないでほしいですね」

「ほう、ちったあ楽しめそうだな」

チェリッシュのお返しの念弾を回避した彼はニタリと笑い
チェリッシュのすぐそばにある
自分の攻撃を防いだ巨大な盾のような形の念でできた風船と
それを生み出したらしい少女ニコラにも視線を向けた。

「中々、応用力がありそうな能力だなぁ
面白くなってきたぜ」




夢細工の風船オペレイトバルーン

変化系

能力
オーラを頑丈な風船状にしてニコラ自身が空気を入れることで
様々な形状で使うことができる。
浮かしたり爆発させることも可能。

制約
それなりの肺活量がないと使いこなせない。

この能力は打撃攻撃には強いが斬撃には弱くて破れやすい。




(さて死なないよう頑張りますか・・・・)

私はたくさんの汗をかきながら銃を構え
ニコラさんはいつでも念の風船を出せるよう息をため込み
フィナンシェは私の後ろで投げナイフを両手に持ち
黒づくめの男は頬を膨らませて
黒づくめの女は念獣を出し
黒づくめのリーダーは戦闘態勢をとり

そして、数秒後
この場は念能力者達同士の戦場と化した。



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