小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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夏休み放浪編
137話 世界樹



「ここが世界樹ですか・・・・」

「さすが世界一高い所だね」

「確かレイラさんが昔登った所でしたよね」

世界樹の麓にやって来た3人は興味津々で
雲にも届きそうな高さの世界樹を見上げて眺めた。

『地上からの高さは1784mもありまして
人類は人口の建造物でこの木を越える事が未だ出来ておりません
この木を登る事は禁止されていませんが登木料と誓約書へのサインが必要です
500m地点まではエレベーターか階段で行けますが
そこから先は命懸けです
年間延べ約3000人が挑戦しますが
94%は1000mまで達せず途中で引き返します
残る4%は高額なレスキュー料を払って救助を呼び
残る1%は落下して命を落とします
つまり頂上まで無事に登り 且つ降りてこられる強者は
年間延べにしてわずか30名しかいないのです』

「ふむふむ」

「結構、危険を冒して登る人はいるんだね」

「多分、過去のハンター試験でここを登れとかいうテストはあったでしょうね」

「うん、確かにありえるね丁度良いし」

ガイドの解説を聞いて私は新しいアトラクションを
見つけた子供のような面白そうな表情になり
フィナンシェは毎年の死者・重傷者の登木者の事を聞いて少し呆れて
クリネアさんは懐かしそうな表情で
ハンター試験にも使われたんじゃないかと言い
私はそれに同意したりと談笑した。

「とりあえず登るのは良いけど先に暑中見舞いの用事を済ませてからにしよ」

「そうだねフィナンシェ」

「あ、世界樹に見とれて忘れる所だった」

登木してみたいが用事の方が大事なので
私達は先に祖父ちゃん祖母ちゃんの所に向かうことにした。





「おお、すまんのう
住所や連絡先を教えるのを忘れていたもんだから
面倒なことをさせてしまってのう」

「まあゆっくりして行きなさいな
ここは有名な観光地だからねぇ」

フィナンシェのおかげで探し人はあっさりと見つかり
私達は2枚の暑中見舞いを2人に渡し
2人共、喜んで受け取った。
そして、一晩泊めて貰うことになった。

「どうも、じゃあお言葉に甘えて」





そして、世界樹に挑むためにゆっくり休み
次の日の早朝

ゴシャアアアアアアッ!!!

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

ザワザワザワザワ

「うーん、煩いなあ・・・・」

私はやけに外が騒がしいので
かなり早起きして目が覚めてしまった。
それでとりあえず外で何の騒ぎが起きているのか
新鮮な外の空気を室内に入れる為に窓を開くと

「急患だ!急患だ!
人手が足りねえ見習いでもいいから連れて来い!!」

「うう・・・痛てぇ痛てぇ痛てぇ――――っ!!
畜生!いや虫の山に埋もれるより遥かにマシか・・・・・」

「しっかりしろ!
死ぬな―――!!」

バタン

「・・・・・今、見たことは忘れよう
いや、というか今のはただの気のせいだ
まだ、寝ぼけているんだよ私は・・・・」

どっかで見たことがある男が血まみれで呻いていたが
無視して見なかったことにして私は自己完結した。





後で祖父ちゃんから聞いた話だが、
この地は天空闘技場程ではないが力試しに
沢山の武芸者と言う名の荒くれ者が集まる者だから
登木者以外にも怪我人が毎日ゴロゴロ出るらしい。
といってもあの馬鹿(バルドイ)のように強風で落ちてきた
10人以上の登木者の下敷きになり全身骨折という
運の悪い奴は滅多にいないそうだが
(まあおかげで落ちてきた登木者達は全員軽傷で済んだらしいが)
さすがの私も少々哀れに感じ
重ねてだが本当に運の悪い男だと私は思ってしまった。




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