小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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夏休み放浪編
140話 除念師



ちょっと、居づらくなった世界樹を旅立ってから2日後、
私はクリネアさんと生活費の話をしていた。

「お金がない?」

「・・・・うん、ハンターになってから
今まであまり仕事はしていないからね
持っていたお金は生活費や学費でほとんどなくなっちゃって・・・・」

私が問いかけるとクリネアさんは言いにくそうに
現在、自分はあまりお金を持っていないことを説明した。

「じゃああたしの口座から少しあげようかな」

「いや自分で稼ぎますよ、フィナンシェさん・・・・
念の指導や衣食住までしてくれているんです
これ以上はさすがに世話になるわけにはいきませんよ」

「それにフィナンシェ、
自分でハンターの仕事をこなして
稼げるようになっておかないと
クリネアさんのためにはならないよ
別に今は緊急事態というわけじゃないんだし
まあ百歩譲って手伝うこと位はするけど」

「ああ、確かにそれは一理あるかも」

携帯でクリネアさんの口座に振り込もうとしたフィナンシェは
私とクリネアさんの説明を聞いて納得したように呟いた。

「さて問題はどうやって稼ぐかですけど・・・・」

「この街の千耳会で適当な仕事を紹介してもらうのがいいんじゃない
フィナンシェ、場所わかるよね?」

「う、うん、え〜と
この街の千耳会の場所は確かこっちだよ!」




そして、私達はフィナンシェの案内で千耳会に行き
クリネアさんは最近発見された洞窟の調査・地図の作成の依頼を受け
半日かけて今ようやく目的地の洞窟に到着した。

「これが例の洞窟ですか・・・・」

「やっと見つけたね」

「早く終わらせてホテルでゆっくりしたいよ」

私達3人は街から随分離れた密林にある洞窟の入り口にいた3人は
ある程度、危険はないか確認しライトを持って中に入った。





しばらく洞窟の探索をし
クリネアさんは行き止まりである物を見つけた。

「クリネアさん、どうしたの?」

「いやなんかここから空気が漏れていたから調べてみたら
この石を退けた先に隠し通路が・・・・」

「・・・・本当だ」

「なんか面白そうなのがあるかも」

「いやあまり期待しない方がいいかも
かすかに新しい足跡があるから先客がいるみたい
でも、少なくてもなんかヤバイのがこの先にありそうだね」

「うわぁ、不気味なオーラが漂ってるよ」

「先客のオーラかこの先にある物が発しているオーラか
・・・・・多分、後者かな」

「あたしもお姉ちゃんと同じでそう思う」

「な、ならこの足跡の人危なくないですか!」

「む〜、確かに
・・・・・仕方ない様子を見に行きますか」

ある程度の危険は多分大丈夫でいざとなれば逃げればいいと
判断し、私達は奥へと進んだ。




そして、しばらく進むと漂っていた不気味なオーラは消えたので
私達は円で(クリネアさんは円は苦手なので私とフィナンシェで)
奥を確認すると
そこには祭壇らしきのと念能力者らしく人が1人いた。
そして、慎重にその祭壇へと向かい
その念能力者の前に足を進めた。

「ほお・・・・その年でそれほどの実力とは
中々の才能を持っているようだな」

「それはどうも
私はチェリッシュといいます
あなたは?」

私は目の前にいる黒人の男性に問いかけた。

「アベンガネだ」

黒人の男アベンガネはあっさりと私の質問に答えた。

(・・・・・まさか、こんな所でまた原作キャラ遭遇ですか)

「・・・・アベンガネさんですか
もしかしてあなたは除念師ですね」

そんなことを考えながら私は彼にさらに質問をした
というか原作知識で知ってるけどね。

「え、除念師!!」

「あの世界に数え切れるほどしかいないレアなタイプの念能力者ですか!?」

フィナンシェとクリネアさんは目を見開いて
アベンガネさんと凝視した。

「ああ、その通り俺は除念師さ」

彼アベンガネはフゥと息を吐いて肯定した。

その後、アベンガネにここで何があったのか聞くと
ここははるか昔の奴隷の墓場だそうで
その何人かの奴隷達の恨みの死者の念がこの場に溜まっており
それを偶然知ったアベンガネは今除念したそうだ。

「・・・・なるほど、ご苦労様でした」

「もうここは安全で大丈夫だから安心しな
じゃあ俺はもう行くとしよう
これは俺のホームコードだ
除念の依頼をしてほしかったらここに連絡してくれ
まあお前等なら信用できると思うが
あまり俺の事を口外しないようにしてくれよ」

そう言い彼はスタスタと去って行った。

「もうここにいても何もないだろうから外に出ようか」

私はフィナンシェとクリネアさんにそう言って
洞窟からでるために歩き出した。

(今回は危険なイベントがなかっただけじゃなく
除念師とのコンタクトが取れたから随分と良い事があったね)

笑顔でそんなことを考えながらではあったが



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