小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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夏休み放浪編
143話 ピアチェーレ島




ピアチェーレ島
別名“娯楽島”と呼ばれている観光地で
年間5億人もの観光客が訪れる所ではあるが
裏ではマフィアが集まり薬物や武器等の危険物の取引をしたりと
闇の世界も少なからず存在しているらしい。
そのため近年では政府はその取り締まりをきつくし
島への入島に身分証明が必要にしたり、
警備の強化したりとしているが
それでも対処に苦労しているらしい。




「とまあ、あの島の表と裏の特徴はこんな所だよ」

ピアチェーレ島行きの定期船の上で
フィナンシェは平たい胸でえばってピアチェーレ島について説明した。

「わあ〜、あれがピアチェーレ島か〜
楽しみ!楽しみ!」

「うぷ・・・・気持ち悪い」

まあクリネアさんは海を眺めてはしゃぎまくり
リンカちゃんは酔ってダウンしていて
(なんとなくフィナンシェが呼びやすい方に
したかったからちゃん付けにした)
つまりだが

「・・・・・・私以外聞いてないね」

私とフィナンシェはため息をついて気を取り直し
島でどう行動するか話し合うことにした。

「とりあえず、いつものように面倒事を避ける為に
できるだけ大人しくのんびりしよう」

「そうだね〜、ブレディアファミリーに目を付けられたくないしね」

「・・・・・・え!?」

ブレディアファミリー

私は妹の口からその単語を聞いて目を見開き
同時に3年前のヨークシンで遭遇し
師匠と戦り合ったマフィアのことが頭に浮かんだ。

「・・・・・ねえフィナンシェ
今、ブレディアファミリーって」

私はおそるおそるフィナンシェに問いかけることにした。

「ん、ピアチェーレ島をシマにしているマフィアだよ
まあ一応まともで大人しいタイプだけど
知ってるの?」

「まあ昔にちょっとね・・・・・」(29p27話参照)

私は過去のブレディアファミリーとのトラブルを話すと
フィナンシェは苦笑し

「大丈夫だって、さっきも説明したけど
ブレディアファミリーは薬物には手を出さなくて筋を通す人達だから
私達があの島でふざけたことをしでかさない限り大丈夫だよ
3年前の件も明らかに向こうが悪いし手打ちになって解決したことだしさ」

フィナンシェはそう言い今もはしゃいでいるクリネアさんの元に歩いていった。

(ま、一応最低限の警戒はしておくべきかな・・・・)

私はリンカちゃんの介抱をしながらそんなことを考えていた。





その後、私はグッタリしているリンカちゃんを引きずり
フィナンシェとクリネアさんは談笑しながら
私達はピアチェーレ島に上陸した。

「じゃあまずは予約したホテルに行こうか」

私はあらかじめ貰った島の地図を見ながら
3人を連れて足を進め

「プールの遊園地にゲーセンに映画館とか
何から何まで揃ってるね」

「街の奥に行けばカジノやバーもあるらしいよ」

「へ〜、さすが娯楽島」

ようやく復活したリンカちゃんと
ギャンブルに興味津々なフィナンシェとクリネアさんは
キョロキョロと周りを見ながら島の風景を楽しみ
私達はホテルに到着した





そして、その頃
ブレディアファミリーの表の本拠地の高層ビルで

「ふむ、まあこんな所か・・・・」

表向きではこの島の街の市長である
ブレディアファミリーのボスのカーネルは
様々な書類の処理の仕事をしていると

ガチャ

「ボス、失礼します」

「ここでは市長と呼べミネア
まあいい、どうした?
顔を見る限り少なくとも厄介事ではないようだが」

ミネアと呼ばれた秘書らしき女が入って来て
カーネルは呼び名の事で軽く彼女を叱り
何があったのか聞いた。

「はい、実は市長が3年前に会ったあのプロハンターが
今、この島に来ているそうです」

「ほう」

カーネルはミネアからチェリッシュの顔写真付きの
その資料をもらい目を通すと、ニヤリと笑い

「丁度、退屈していた所だ
招待してもてなしてみるとするか・・・・・」

悪戯小僧な顔でそう呟いた。



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