小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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夏休み放浪編
147話 龍頭戯画





「・・・・まさか、ゾルディックと殺り合うことになるとはね」

私は窓から外の何百人もの厳重な警戒態勢を見て呟いた。

「一応、占いではあたし達は死なないらしいけど
それでも不安だね」

「とりあえず千里眼で先手は打てるようにはできたけど
それでも勝てるかどうか・・・・」

「別に勝つ必要はないよ」

「え!」

「実はね、さっきカーネルさんに・・・・・・」

暗い雰囲気のフィナンシェに私は打った策を説明した。





「OK、つまりあたし達は時間稼ぎをすればいいわけだね」

私の策の説明を聞いてフィナンシェは納得したように頷いた。

「そういうこと
あ、そうそう、外にいる警備の人達に
ゾルディックの奇襲方法の情報を話さないようにしてよ」

「わかってるよ!あの人達にどうこうできるとは思えないし
できるだけ犠牲者を出さないようにしておきたいからね」

「あとは時間と運次第だね・・・・・」

「やれるだけのことはやる!
私達にはそれしかないよ」

「・・・・そうだね」






そして、数時間後
2人の超一流の暗殺者が上空から襲撃を仕掛けようとしていた。

「さてと、行くとするかの」

「親父、今回は一筋縄ではいかない気がするんだ
慎重にいこう」

「ほう、シルバお前もか
なんとなくじゃが、ワシもじゃ
数年前の幻影旅団の連中の件もあるからな」

「まあそれでもワシ等がやることは変わらん
ではシルバ行くぞ!!」

「ああ」

「喰らえっ!!龍星群(ドラゴンダイヴ)!!」

暗殺者の老人はオーラで作った無数の龍を降下、突撃させ
その竜の雨は2人の真下の屋敷を完膚無きに破壊した。

「さて、標的の生存確認をするとするかの」

「うむ」

そして、ゼノとシルバはカーネルの屋敷に突撃した。





「・・・・・おかしいの」

「ああ、誰もいないな」

屋敷に突撃したゼノとシルバは円で周りを探ってみたが
標的はおろか護衛の者すら1人もこの場には誰もいなかった。
引っかかったのは大慌てでここにやって来る
この屋敷の周りに配置されていた警備の者達だけである。
彼等もゼノとシルバの疑問に答えられるような顔ではなかったので
2人は無駄な殺しを避けてこの場から去ることにした。
そして、竜に乗り屋敷から離れていると
シルバの携帯が鳴った。

ppppppp ピッ ガチャ

『あ、親父!ちょっといい?』

「・・・・・ミルキか、どうした?」

『実は今回の仕事なんだけど〜
標的のカーネルはプロハンターを数人雇ったみたいなんだ』

「やはりか・・・・カーネルを連れて逃げたようだな」

「ほう向こうのほうが1枚上手じゃったか・・・」

「すぐに追う、ミルキ!
今、標的はどこにいるかわかるか?」

『追う必要はないよ』

「何だと・・・・」





『じゃあ、グレラゴの始末は済んだから入金よろしくね
あとサービスに親父達にこのことを伝えて
暗殺依頼をなかったことにするようにしておくから』

「ああ、それは助かる
それでは失礼・・・・・ふう、なんとか生き永らえたようだ」

「うまくいったね、お姉ちゃん」

「まあさすがのゾルディックも
一瞬で遠く移動した人は殺せませんからね」

「ふう、チェリッシュさんが移動用の念能力を持ってて良かったですね」

カーネルさんやミネアさんが言ったように私達が取った策は
単純で襲撃が来たら即私のフリーダム・ゲートで逃げることである。
しかし、これだけだとただの時間稼ぎに過ぎない。なので、

「ゾルディックにカーネルさんの暗殺依頼を出した連中の
暗殺依頼をゾルディックに出すなんて策はよく思いつきましたね」

「まあゾルディックは無駄な殺しはしない人達らしいから
当然、金を払う依頼人がいなくなって一銭にもならない仕事なんて
しないだろうからね」

(あとは旅団のクロロの同じことをしてたしね)

私は心の中で付け加えつつ言った。





ちなみにカーネルさんの暗殺依頼を出した連中のことだが
なんと昔、その人は師匠にボコられた
グレラゴ=ウォーカー伯爵だったらしく(28話参照)
昔、カーネルさんのせいで大損したことがあったらしく
怒りに怒り狂って暗殺依頼を出したそうだ。
まあどうでもいい話だが

あとゾルディックは彼の方の暗殺依頼を優先していたらしい。
イルミいわく
「面倒なプロハンター達を相手にするより
雑魚の方が楽だから」で
グレラゴを速攻で殺したので(最後の最後まで自業自得な散り方だった)
おかげで予想以上に早くカーネルさんの
暗殺依頼をなかったことにできて万々歳である。




まあ、とにかくこうして私達はゾルディックを退けることに成功し
私達とカーネルさん率いるブレディアファミリーそして
ゾルディックは穏便に誰も犠牲は出さずに
(カーネルの暗殺依頼を出した連中以外)
問題は解決し大変な仕事は終わった。



精神的に随分疲れはしたが










おまけ

「そういえば、ミネアさんの能力は何ですか?
ゾルディックとの戦いの作戦を練るために教えてくれませんか」

「ああ、私の念能力はね〜
はいっと・・・・」

キュ〜キュア〜

「大きな丸い垂れ耳ウサギの可愛い念獣ですね
で、能力は・・・」

癒し兎(キュア・ラビット)
能力
ミネアが念獣にオーラを注ぐことによって
あらゆる怪我や疲労を回復させることができる。
ただし、腕や足の部分損失や病気は無理である。

「・・・・戦闘には役に立ちませんね
というかこの念獣の見た目はミネアさんの趣味ですか?」

「放っておいて下さい・・・・」



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