小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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夏休み放浪編
151話 汚染







「ん〜、おいしいね、この弁当」

「あ・・・・が・・・・」ピクピク

(・・・・さすがスラム街出身というべきか
図太いというか慣れているというべきか
私には真似できないね)

「がはぁ・・・・・ぐぺ・・・」ピクピクビクビク

私はそんなことを考えながら視線をリンカちゃんに向け
リンカちゃんは街で買った弁当をほくほくとご満悦な笑顔で
パクパク食べていた。

「ねえ、リンカちゃん?」

「クリネアさん、何ですか?」

「・・・・・よくこんな所で食べられるね」

(あ、クリネアさんに先に言われちゃったね。)

私は周りや足元に転がる連中を眺めながら思った。

「い、痛てぇぇ・・・・・・」ピクピク

「か・・・・はぁ・・・・」ビクンビクン

「「「・・・・・・・・」」」チ―ン

うん、私や苦笑しているフィナンシェもクリネアさんの言いたいことに同意するね。
ついさっき半殺しでぶちのめした流血して白目で地に伏せているムサイ賊共の
目の前で食事をするなんて勇気はさすがに私にはないよ。

こうして呼んでおいたこいつ等を連行する護送車を連れた警察が駆けつけるまで
この場は少し混沌(カオス)な所と化した。





賊を警察に引き渡した後、
私達は喫茶店で一息入れつつ話し合いをすることにした。

「これで5件目
薬の常習者に関しては50人以上は捕縛したことになる
全く、ずいぶんと薬による汚染が進んでいるよ」

「売人は何人かは捕まえたようだけど
あの狂薬“剛丸”をどこでどうやって作ったのかの
肝心な事はわからずしまいらしいね」

リンカちゃんはパフェを食べながら言った。
というかさっきガツガツ食べていたのに
まだ食べるのかい、太るぞ。

まあ彼女は放っておいて
話に集中しますか

「で、あと私達がわかっていることは・・・・」

「あの薬は念能力者によって作り出された物だってことぐらいだね」

そうなのだ。
これは私達が調査することにした理由というかきっかけである。
初めはチェルシー叔母さんやシェバル警部から頼まれたから
出来る範囲でやろうかなぁと思っていたが、
フィナンシェが千里眼で例の薬である狂薬“剛丸”を調べてみると
今、クリネアさんが話したように
念能力者の手によって作られたことが判明したのだ。
それを知った私達はさすがに警察に任せてはおけない問題と判断し、
とりあえずハンター協会に報告し、暴れている薬の服用者の鎮圧を
することにした。
そして、調査を始めて3日経ったが私達は
それ以上の事件の調査の進展は進んでいないので行き詰っていた。

「うーん、人手が欲しいな〜」

私はコップに注がれたジュースと一緒にある氷をストローで
カラカラといじくりながらそう呟いていると

「あー、腹減ったな
ここで休憩するとすっか」

新たな客達というか聞き覚えがある方達が喫茶店に入って来た。

「ん・・・・」

私はなんとなくその人達に視線を向けると

「む、チェリッシュじゃないか!?
どうしたんだこんな所で?」

「ハロルドさん!」

そこにいたのはアンチハンターとの騒動の時に
知り合ったプロハンターの友人とその部下達で
偶然とはいえ私達はハロルドさん達に再会した。





同時刻、街外れの墓地
この場に白衣の服を着た1人の男がいた。
いや正確にこの場には他にも数十人もの人がいた。
その人達は警官達は血まみれで倒れて彼の足元に転がっており
彼はそんな躯と化した警官達の死体をおもちゃのように弄んでいた。

「ククククク、これだぁ――
ようやく、ようやく完成したぞ!!
これで世界を滅茶苦茶にしてやるとしよう!」

白衣の男は気味が悪い不気味なオーラを放ちながら
狂ったようにしばらくその場で笑い続けていた。




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