小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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世界会議×神隠し編
163話 ヨークシン到着






11月8日
私達はアンファン一家(ミセラの家名)を護衛しながら
飛行船でヨークシンに到着した。
ちなみにここにやって来たのは私とフィナンシェとクリネアさんで
まだ未熟なリンカちゃん等の他の皆は家で留守番ということになった。

そして、フィナンシェとクリネアさんの2人は飛行船の窓から
ヨークシンを見ながらため息をついていた。

「ようやく着いたね」

「・・・・・あたしは嫌な予感がしてならないよ」

「あたしもフィナンシェさんと同じよ
何しろ、毎年、日常茶飯事で暗殺とかの事件が起こるらしいからね」

「2人共、暗いマイナス思考な話は止めてくれない・・・・・」

「「あ、ごめん・・・・」」

まあ気持ちは分からなくはないのだが
この会議には裏でマフィアをやっていたり
もしくは関係者とかの黒い人達が多数参加しているみたいだしね。

まあヨークシンに着いてからの移動中は何事もなく
警戒しながらではあったが
車内でミセラと談笑することができてそれなりに有意義ではあったが





「で、ここが今日から7日間宿泊するホテルなわけですか・・・・」

「そうよ、じゃあ早速入りましょう
3人共、頼んだわよ」

ミセラ達とリムジンから降りた私は見上げながら
ホテル中に入って周りを観察しつつ呟いた。
まあなんというかさすが王族
すごい豪華なホテルである。
しかも、かなりの防犯セキュリティが設置してあるみたいだ。
金持ちや権力者専用の宿泊施設だから安全面には
大きく重点をかけているのだろうが
少なくともそこらの暗殺者やテロリストでは
絶対に侵入できないだろう。
まあ私達のような念能力者は別だが

そんなことを考えながら私は周りを警戒しながら
仕事に集中することにした。





そして、その日の深夜

「ひいいいいいい!!!」

「う、うわぁぁぁ!!
し、死にたくねえ!!化け物だ!!」

「ちくしょう!!
何がパドキアの王女の小娘を誘拐するだけの簡単な仕事だ!!
とんでもねえ奴等が護衛につい「大人しくして下さい!」でぐはぁ!!」

どこの誰か知らないが
雑魚の殺し屋達がミセラの部屋に侵入しようとしてきたので
私達は即返り討ちにし
現在、片っ端から逃亡しようとしている奴を捕らえていた。
逃げに逃げたり暴れたりと少々往生際が悪かったが

「ああ、ここにいる間は物騒な事ばかりになりそうだね・・・・」

「そうだね・・・・・・
でも、友達を守るためなんだから仕方ないよ お姉ちゃん」

掃除が終わった後、私はそう呟き
フィナンシェもそれに同意した。

その後は静かで特に変わったことはなかったが
私達3人はあまり寝付けないまま
深夜を過ごした。





その頃、別の高級ホテルのとある一室では
黒服のマフィアの主とその部下の2人がおり
部下の男は主のボスにミセラ誘拐失敗の報告をしていた。

「失敗しただと?」

「はい、かなり腕が経つ護衛がいたみたいで」

「まあいい、あそこだけ失敗しても計画には何の支障はない
だが、一応警戒だけはしておけ」

「はっ、失礼します!」

部下の男が部屋から出て行くのを眺めつつ
ボスの男は高級ワインを口に含み

「ふむ・・・・・今回の世界会議は
随分と賑やかになりそうだ・・・・・」

ワインが注がれているグラスを片手に彼はそう呟いた。


面白そうな表情をしながら窓の外のヨークシンの夜景と虚空を眺めながら

内心で黒い事を企み計画し想像をしながら

彼は不気味な笑みを浮かべた。




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