世界会議×神隠し編
１６６話 要人の家族の誘拐事件
私達は緑や茶色ばかりの至る所に生えている草むらや木に
身を隠しつつ移動し古い廃墟の３階建ての建物に辿り着き
そこから私達はそれなりに確認できる場所にさらに移動し
その廃墟の隠れ家にいるいかにも悪人的な連中の様子を窺っていた。
「おそらくあそこに誘拐された人達がいるみたいだね」
「ふう・・・・フィナンシェがいなかったら
一生見つからなかったかも・・・・・」
「じゃあ救出の作戦を考えましょうか」
敵が周辺にいないかの周りの気配の確認をしながら
クリネアさんの案にのり私達３人は
あの廃墟にいる攫われた者の救出作戦を考えることにした。
ちなみになんで私達はミセラ達の護衛の仕事を抜けて
要人の家族を攫った誘拐犯達が潜んでいるこんな所に来ているのかだが
それは約２時間程前今日の会議が終わった後に
「お願いです！坊ちゃんを助け出して下さい！！」
「攫われた子供達を頼みます！！」
「騒ぎや混乱を避けるために表に出せない事件なんですよ！
お願いします！！」
という緊急の依頼を会議に参加していた要人達やその護衛達から
必死にお願いされて受けたからである。
はじめは私達はミセラ達の護衛をしているから
他を当たるよう言ったのだが
偶然。盗み聞きをしていたモラウさんがやってきて
私達が抜ける間に代わりに護衛の仕事をやってくれることになった。
その際にフィナンシェはモラウさんに
「そちらの護衛の仕事はいいんですか？」と問いかけると
モラウさんはガハハと豪快そうに
「あの爺さんに危害を加えられる奴なんて存在しないし
既に本人から了承されているから大丈夫だ」と堂々と答え
それで私達はつい「確かに・・・・」と納得して苦笑してしまったが
その後、フィナンシェがアンサートーカーで速攻で攫われた人達と誘拐犯達の
居場所を探し出し、早速やって来たというわけで
まあこういう事情で私達３人はこの場にいて
真剣な仕事人な目付きで廃墟を監視しながら
周りを警戒しているわけである。
「それじゃあ行こうか・・・・」
とりあえず、絶で気配を消しながら
攫われた人達救出優先で行動することにし
私達はすぐに絶で気配を消して廃墟に侵入した。
「さ〜て、侵入成功っと・・・・」
「慎重にいこうね・・・・
何しろ念能力者もいるみたいだし・・・・」
誘拐犯の中に念能力者がいる。
これはプロハンターの私達に救出を依頼することにした
大きな理由である。
わかりやすく言うと念能力者に対抗できる人つまり
念能力者は誘拐された要人の家族の護衛・部下達には
１人もいなかったのでプロハンターの私達に依頼せざるを
えなかったからということである。
（事件発生時は念能力者の犯行の可能性が高いという
流れだったがフィナンシェの推理によって１００％になった）
まあ念能力者はプロハンター以外でもいるが
数はものすごく少なく探しだして雇うのは大変だから
こんな事になったのは仕方ないのだが
「さてとスマートに済ませますか・・・・・」
そんな少々どうでもいいことを考えながら
私は計画を行動に移すためにゆっくりと
フィナンシェとクリネアさんと一緒に廃墟内を歩き始めた。
その後、誘拐され監禁されていた人達は
全員、私のフリーダム・ゲートで無事に安全な所に移動させ
（念能力のことをしられないように全員眠らせた）
廃墟にいた侵入者が現れた事態に全く気付いていない誘拐犯達を
後ろから手刀で首を叩いて気絶させて静かに鎮圧した・
まあ１人だけ事態に気付いた念能力者は少々手こずったが（それでも雑魚レベル）
それ以外は特に問題なく賊の掃討は終わり
私達は誘拐犯達を後は警察に任せて
その場を後にした。
「今回はたいしたことがなくて良かったね」
「まあこれまでに会って戦った念能力者のほとんどが
強い人や普通じゃない能力を持った人ばかりだったからね・・・・」
私はクリネアさんに苦笑しながらそう言うと
何やら考え込んでいるフィナンシェに話しかけた。
「フィナンシェ、どうしたの？」
「なんかこの事件は仕組まれているような
なんか違和感が感じてね・・・・」
「そう・・・・一応、気を付けておこうか」
妹がなんとなく言ったことだが
私は念のため用心するように言った。
そして、この事件によって明日の世界会議に悪い意味で
大きな動きが起こることを私達は想像すらしていなかった。