小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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第287期ハンター試験編
177話 ゆで卵






「着いたわよ」

「到着しました
ここで再試験を行います」

マフタツ山の頂上に到着した飛行船から
降りた私とメンチさんが示した先には
唸りに唸っている風と全く底が見えない巨大な谷がそこにあった。

「一体・・・・・下はどうなっているんだ?」

目の前にある崖を覗き込んだとある受験生は
恐々とした表情で呟いた。

「安心して。下は深―い河よ
落ちたら数十km先の海までノンストップだけど」

・・・・・・メンチさん、もう少し優しく説明して下さいよ。
ほら何人かの受験生達がさらに不安になってるじゃないですか。

私はメンチさんの不安増大にさせる説明の発言に
内心でツッコミを入れつつ
自分の臨時2次試験官の仕事を始めることにした。

「え〜、2次試験はこの崖に生息しているクモワシの卵の入手です
で、そのとり方ですが
メンチさん、飛び降りてとって来て下さい」

「「「え!?」」」

この私の飛び降りて下さい発言により
一部の受験生の時間が止まった。

「ちょっと!なんであたしが!?」

「メンチさんのせいで私は協会から急遽呼ばれて
試験官をやることになったんですよ
しかも、さっきまで食事して寛いでいたんですから
これ位の事はやって下さい」

「・・・・・わかったわよ」

クモワシの卵をとりに行けという私の命令にメンチさんは
文句を言って来たが私の正論で渋々従った。

「それじゃ、お先に」

メンチさんはそう言うとあっさりとトンと
遊びに行くような感じで崖から飛び降りてしまった。

「「「「「「「え――――!!!???」」」」」」」」

ヒュウウゥゥゥ

半数位の受験生達がいきなりのメンチの行動に驚愕して叫びに叫んだ。

「マフタツ山に生息するクモワシ
その卵をとりに行ったのじゃよ」

「クモワシは陸の獣から卵を守るため、
谷の間に丈夫な糸を張り、卵をつるしておく」

私は今メンチさんがとっているブドウのように吊ってある卵を指差して
私は説明した。

「その糸にうまくつかまり、1つだけ卵をとり、
岩壁をよじ登って戻ってくるんですよ
そして」

「よっと、この卵でゆで卵を作るのよ」

「こういう方に卵をとって来て下さいね」

(((こ、こんなのマトモな神経でやれるかよ・・・・・・)))

あっという間に戻ってきたメンチさんが
受験生達にとって来た卵を見せて言った。
それで半数近くの受験生は顔を青くしてしまったが

「あー良かった」

「こーゆーのを待ってたんだよね」

「走るのやら民族料理よりよっぽど早くて分かりやすいぜ」

ゴンとキルアと2人に嬉しく同意したレオリオとクラピカは
先陣切って飛び降りたのを合図に
顔を青くしていない残り半数の受験生達が次々と飛び降りて行った。




その後、とってきた卵でゆで卵を作り合格した受験生達が
旨そうに食べているのを眺めているとゴンが私に近づいてきた。

「チェリッシュ、久しぶり」

「久しぶりねゴン
ゆっくり話をしたい所だけど
今は仕事中だから後で
自由時間でのんびり話をしよ」

「うん、わかった
その時にキルア達仲間を紹介するよ」

ゴンはそう言い仲間の3人の所に戻って行った。
本当に相変わらず無邪気な子である。

(ちょっと癒されるわ〜
ここに危険人物が2人もいるからね
で、その2人は・・・・・
うわぁ・・・・・、さっきからずっと私を見つめているよ
絶対に目を付けられたな・・・・)

楽しそうにクククと笑う奇術師と
感情がない目でこちらを見つめている暗殺者を見ながら
私はため息を重く吐いた。

2次試験通過者 42名




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愛読してくれた皆さんのおかげで総ポイントが1万越えしました。
ありがとうございます。(^v^)



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