第２８７期ハンター試験編
１８３話 試験達のお食事会３
「１０人中6人が新人か。ほっほっほっ、豊作豊作」
嬉々な笑い声を出しネテロは満足そうに言った。
私はその様子をのんびりと見ながら
メンチさんが作った料理を口に運んだ。
「たまにあるんですか？こんなことって」
「大概10年くらい一人も新人が出ない前触れがあって
そして、一気にたくさんの優秀な新人が現れるんじゃよ
４年前のチェリッシュの年からここ数年乱れたがのう」
「私とフィナンシェとクリネアさんとキースさんの事ですね
あれは例外にした方がいいかと」
私とフィナンシェは念を身に付けてから受けたんだし
キースさんは念抜きでもある意味バグみたいな人で
クリネアさんはキースさんのおかげで運よく合格できたって話だし
私はそんなことを考えていると
ネテロ会長はある意味でとんでもないことを口にした。
「豊作の年はわしが会長になってこれが4度目かのー」
「・・・・・・あのそれって少なくとも４０年以上も
ハンター協会会長というハンターの頂点に君臨していると
言っているようなものなんですが
いったいネテロ会長は幾つなんですか？」
「ほっほっほっ、秘密じゃ」
「少なくとも２０年前の時点で１００歳超えていたそうですよ」
・・・・・・マジでこの爺さんは非常識の塊ですね。
「ところで最終試験は一体何をするのでしょう？」
「そういえば受験生達はペーパーテストをやるんじゃないかって
心配して不安になってましたよ」
今頃、ボドロさんが擬音が付きそうな迫力で言った
この適当な予想に騙されて一部の受験生はバタバタしているだろうね。
「あー、それはないわ
活動内容によって必要とする知識が
変わるハンターで筆記試験は難しいもの」
メンチさんはそれはないないと苦い表情で言った。
どうやら彼女は勉強は嫌いな方らしい。
「ですよね〜
で、どうしますか？」
「実は一風変わった決闘をしてもらうつもりじゃが、
そのための準備としてまず１０人それぞれと話がしたいのぉ」
「どうゆうことだろ？」
メンチは隣にいる私とビーンズさんに小声で話を振る。
「さあ、会長の考えは私にゃさっぱり」
「まあ、ろくなことじゃないでしょうね」
（原作知識で知ってるけどね）
その後、ネテロ会長は面談を行う応接室に
ビーンズさんは受験生達を呼ぶための
アナウンスを流しに放送室に向かい
それ以外の私達は待機となった。
そして、待機の私達は談笑しながらケーキを食べながら紅茶を飲みながら
寛ぎつつのんびりと時間を潰していると
ネテロ会長が面談結果を持ってきた。
その中でヒソカは９人中７人が戦いたくないか注目しているか
で答えられている。
「やっぱり注目は悪い意味でヒソカに集中してますね」
「ええ、あたしも受験生の立場だったらヒソカと即答するわ」
「私も同感だね」
私は面談内容の資料を見て率直な感想を口にすると
メンチさんとリッポーさんは嫌悪感を出しながら言い
他の皆も同意したのか顔をウンウンと縦に振った。
そりゃまああんな殺人狂いたら嫌でも目立つからね。
１０人の中で強さもイルミを除けば間違いなく最強だし
そういえば、イルミのことを話した方が良いかも
「あの〜、この念能力者のギタラクルという受験生のことなんですが」
「あの顔面針男の素性がまさか
ゾルディックとはねぇ・・・・・・」
リッポーは呆れた表情で呟いた。
他の皆も似たような反応だった。
「というかなんなのよ！！今年の受験生は！？
色んな意味でとんでもない経歴な奴ばかりじゃない！！」
確かにメンチさんの言う通りである。
ゾルディックの兄弟に
幻影旅団のメンバーの１人（実際には違うけど）に
チートな特異体質持ちのクルタ族の生き残りに
１年半後の未来にルーキーなのに関わらず会長総選挙で一躍有名になる奴に
そして、世界で５指に入る実力を持つ念能力者であると同時にハンター協会の問題児ハンターの息子
うん、色んな意味で豪華すぎる面子だと思う。
「おい皆見てみぃ、組み合わせができたぞえ」
そんなことを考えていると組み合わせを決めたネテロ会長は戻って来て
最終試験の試合の組み合わせを発表し
組み合わせが書かれている大きな板を見てみると
「会長・・・・・・・・これ本気ですか？」
顔を青くしてブハラが問う。
ブハラさんだけじゃなく私や
メンチさんやサトツさんやリッポーさんやビーンズさんも
板に書かれた組み合わせを見て目を見開いていた。
ネテロは悪戯小僧な笑い声で答えた。
「大マジじゃ」
あっさりと言ったよこの人
しかも・・・・・
（（（・・・・・・目がマジだ）））
このネテロ会長の答えで
私とブハラさんとビーンズさんの
反応の思考は一致した。
・・・・・・うん
わかってはいたけどネテロ会長の性格の悪さは半端ないよ。
私は組み合わせが書かれた板を眺めながら
内心でネテロ会長に対する
ツッコミと呆れの思考を反芻させて
右手を額に付けて軽く頭を抱えた。