小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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放浪編
32話 偽者×偽物



「んー、空気がおいしくて平和な村ですね―。」

私は名もないのどかな村にやって来ていた。

「この店で食事にしますか。」

そして、チェリッシュは適当に選んだ飲食店に入った。





「お嬢ちゃん、旅行者かい?」

昼食をしていると店のマスターのお爺さんが

心配そうな顔をして私に話しかけてきた。

「ええ、そうですが。」

「悪いことは言わない。
あの男に目を付けられる前にこの村から出なさい。」

「あの男?」

「来たっ!!
お嬢ちゃんここに隠れていなさい!」

いきなりお爺さんは私を店の奥に押し込んだ。

私は何が何だかわからなかったがお爺さんの必死な様子を見て大人しく従った。

そして、絶をして隠れていると

筋肉ムキムキの男とその部下・手下らしき男達30人程が店に入って来た。

「よおマスターこのプロハンターのドリュー様が今月の上納金を貰いに来たぜ―」

ドリューと名乗った男は汚い笑みを見せていきなりお爺さんに金を要求した。

「・・・」

お爺さんは無言で言われたと通りにお金を渡した。

「ふむ、よしよし御苦労御苦労
じゃー仕事頑張れよー」

そう言ってドリューは笑いながら部下を連れて店を出て行った。





「くそっ!!」

ドリュー達がいなくなったのを確認したチェリッシュは

隠れるのをやめて出てくるとお爺さんは

腕をテーブルに叩きつけて悔しそうな顔をしていた。

「はあ・・・
お嬢ちゃん強引に店の奥に連れ込んだり
いやなものを見せてすまなかったね。」

「いえ別に気にしていませんよ。
それでさっきの人はいったいなんですか?」

「あいつはドリューという奴でプロハンターさ。」

「プロハンター・・・」

「ああ、そうさ。
あいつはプロハンターの権力で
この村で手下達を引き連れてやりたい放題しているんだよ」

「なるほど・・・
それであいつは私にちょっかいを
かけるかもしれなかったから
私を店の奥に・・・」

「ああ、その通りさ。
お嬢ちゃんさっきも言ったが面倒なことになる前に
早くこの村から出なさい。」

「ええ、わかりました。
では私はこれで・・・」

そう言って私は店から出た。





村の中を歩きながら私はあのドリューについて考えていた。

(あの男は念能力者じゃなかった。
ということは・・・あいつは多分プロハンターの名を語った偽者でしょうね。)

そんなことを考えながら私は村の出口に向かった。





「さて次はどこに行きましょうか。」

チェリッシュは村の門をくぐろうとすると

「待ちな、そこの嬢ちゃん」

目の前にドリュー達が現れた。

「私になんの用でしょうか?」

私は嫌そうな顔をしながらドリューに質問した。

「なに大したことじゃねえよ。
ここの通行料を払ってもらうだけさ。
旅人の嬢ちゃん」

ドリュー達はギャハハハと下品に笑いながらチェリッシュの質問に答えた。

「おい、小娘。とっとと通行料100万ジェニー払いな。
ちなみに払えない場合は俺らの遊び相手になってもらうぜ。」

手下の1人が私に詰め寄って脅してきた。

私はため息をついて

「嫌ですよ。なんで村の者じゃない私があなた達にそんなことを
しなければいけないんですか?」

堂々と通行料支払いを拒否した。

「おいおい俺はプロハンターだぜえ
このハンター証の力を知らねえのか?
お前に拒否権なんてないんだよ。」

ドリューは自分が持っているのと違う

明らかに偽物のハンター証を見せて

笑いながら言った。

私はまたため息をついて

「そんな偽物のハンター証を見せて何を言っているんですか?
偽物のプロハンターさん」

その瞬間ドリュー達の時間は一瞬止まった。

「お、おい・・・ふざけたことを言いやがって
覚悟はできてんだろうな?」

ドリューは動揺しながらチェリッシュを脅した。

「プロハンターの身分詐称や詐欺罪であなた達が捕まる覚悟のことですか?」

私は少し笑みを浮かべながらドリュー達を挑発した。

「そうか・・・
死にたいようだな。
殺せ!!」

ドリューは怒りで頭に青筋を浮かべてチェリッシュを殺すよう手下に命令した。

そして、私の周りにいたドリューの手下達が私に襲いかかってきた。






5分後

「そ、そんな馬鹿な・・・
こ、こんな小娘に俺の手下は全滅だと・・・」

私の後ろにはドリューの手下達の山が出来上がっていた。

それを見たドリューは眼を見開いて固まっていた。

「さてと・・・」

私はドリューに詰め寄った。

「な、なな何者だ。お前は・・・?」

ドリューはガタガタと震えながら言った。

「通りすがりのプロハンターですよ。
ちなみにこれが本物のハンター証です。」

私はハンター証を見せて答えた。






その後、ドリューは私が本物のプロハンターだと知った瞬間に逃げようとして

即、その場で叩きのめして捕縛した。

そして、隣町の警察を呼んでドリューや手下達を逮捕してもらい

一件落着となった。




「いやー、君のおかげで助かったよ。
本当にありがとう。」

マスターのお爺さんは警察の護送車に連れて行かれるドリューを見て嬉しそうに言った。

ちなみに今のドリューの顔はさっきの汚い笑みとは逆に絶望に満ちていた。

「どういたしまして」





その後、お爺さんからお礼にタダで御馳走してもらった

「モグモグ
ふー御馳走様」

「なんだいもうお腹いっぱいかい
お嬢ちゃんのためにたくさん作ってやったのになー」

お爺さんはガハハと豪快に笑っていた。

「ではそろそろ私は行きますね。」

「おう、頑張れよ。小さなプロハンターさんよ」

そして、たくさんの食料もタダでもらって私は村をあとにした。

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