小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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放浪編
33話 帰らずの洞窟



その日、少年はいつものように洞窟での採取・採掘を終え、

安堵の表情を浮かべながら村に戻って来たところだった。

この洞窟には珍しい薬草やダイヤがたくさんあるのだが、

同時に凶暴な魔獣や猛獣も多く生息しているためにかなり危険な所である。

村の人間は小さい頃から鍛え上げた危険回避能力と

御先祖様が書いた薬草やダイヤの群生地を記した洞窟の地図でなんとか

採集して戻って来ることができるのだ。

洞窟の奥に進めばもっとすごいのが採れると思うが、

洞窟の奥に行って戻って来たものはいない。

この村の住民達はそのことはよく理解しているのだが、

この地に訪れるよそ者達はこの洞窟はどれほど危険なのかわからない。

そのため好奇心・生態自然調査・金目当ての欲に駆られた連中等の

数多の人達が村の人達の忠告を無視して洞窟の奥に行っては

ことごとく行方不明あるい無残な死体となって発見された。

そのためこの洞窟は村の人間は帰らずの洞窟と呼んでいる。





そして、この日も洞窟に入ろうとする無謀なよそ者が現れた

今回のよそ者は10歳前半の少女だった。

少年は洞窟へ入るのがどれだけ危険かを話したが、

その忠告に、大丈夫ですよ。忠告ありがとうございますと

礼を言って笑って洞窟に向かって行ってしまった。

少年は彼女が帰らぬ人となったことを惜しみ静かに黙とうをした。

半日後に彼女は無傷で嬉々しながら戻ってくるとは知らずに






「ここが噂の帰らずの洞窟かー。
でかいですねぇ。」

私は帰らずの洞窟の入り口にいた。

ここに来たのは小遣い稼ぎ今後の旅に役立ちそうな薬草を採りたいためである。

「さて行きますか。」

そして、チェリッシュは洞窟の中に入っていった。






「噂通り自然の宝庫ですね。ここは」

貴重で高価な薬草やダイヤ等を手に持ってチェリッシュは嬉しそうに呟いた。

そんなチェリッシュの背後から人食い虎が襲いかかったが

「ガア―!!」

「ほいっと」

ズガンッ

あっという間に彼女に返り討ちにされた。

「全く次から次から面倒ですね・・・」

チェリッシュは洞窟の奥に進んだら猛獣に

襲われては倒す襲われては倒すを繰り返していた。

「まあいいか。とりあえず解体しようっと」

私はこれまで返り討ちにした猛獣と同じように

虎を解体して売れそうな毛皮や牙や爪を剥ぎ取った。





「うーん、ずいぶん奥に進んだな―。」

洞窟に入って3時間たちチェリッシュはかなり採集をして

猛獣も10匹ほど返り討ちにしてから学習したのか襲ってこなくなった。

「採集した素材はホワイティバッグに入りきれなくなってきたわね。
そろそろ帰ろうかな・・・
ん、あそこは明るいわね。行ってみますか。」

そう言ってチェリッシュは洞窟の一番奥へと向かった。





「す、すごい・・・」

そこは光り輝くダイヤで視界を埋め尽くしていた。

「師匠がものすごく喜ぶでしょうね。」

私はその幻想的な光景に目を奪われていると

ザッザッ

「誰っ!!」

こんな所にいるはずのない人の気配がした。

しかもこちらに近づいてくる。

私は円を広げて警戒しながらすぐに戦闘態勢を取った。

そして、現れたのは

「おいおい、そんなに警戒するなよ。お嬢ちゃん
俺は敵じゃねえよ。」

薄汚れた白い長袖のシャツにズボンというラフな格好をした男だった。


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