小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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放浪編
35話 悪食鮫



「・・・ご、合計1億2000万ジェニーで引き取らせていただきます。」

私はここに来た目的は先日帰らずの洞窟で採った素材を売るために

ジャポンの西に位置するとある港町に来ていた。

一部のダイヤや毛皮を残して売ったのだが

それでもずいぶん稼ぐことができた。

受付の女性はずいぶんビックリしてたけどね。

当然、いろいろと聞かれたけど仕方なく

ハンター証を見せて説明して納得してもらった。

まあ全部希少で高価な素材ばっかりを大量に売ったんだから当然だけど

「じゃここに振り込んでおいて下さい。」

そして、私は引きつった笑みの表情の受付の女性に振り込みで払うように言って

お金を振り込まれたのを確認した私は店をあとにした。




素材を売ってから30分後。

私は同じ街内のレストランで腰を落ち着けて昼ご飯を食べていた。

「うーん、とりあえずパドキアから南に南へと旅して来たけど、
これからどこに行こうかな〜。」

私は地図を見てカレーライスを食べながら次はどこに行こうか考え

「よし、決めた!
この町の定期船で次はジャポンに行ってみますか。」

そして、食事を終えた私はレストランをあとにした。





だがジャポンの定期船に乗るために港に行ってみると

「え、定期船は出ていない?」

「はい、最近この辺りに凶暴で巨大な人喰い鮫が現れまして
そのせいでその鮫の退治が終わるまで船は出せないのですよ・・・」

「そうですか・・・」

(仕方ないしばらく時間を潰してからまた来よう)

私はそう考え船着き場から去ろうとすると

「い、いました!!あの娘です!!あの女の子ですよ!!」

「・・・」

いったい何だ?と声がした方を見ると

人差し指を私に指しているさっきの受付の女性と漁師の人達がいた。

(ああ・・・なんかいやな予感)

そんな思考を頭に浮かべていると漁師の人達はまっすぐ私に向かって来た。

「あ、あなたはプロハンターですか?」

漁師達の中で最も年上そうなおじさんが震える声で私にたずねた。

ポカーンと見ていた周りにいた人達も驚いて目を見開いて私を見た。

私はため息をつきつつ、質問に答えることにした。

「ええ、そうですが。
私に何の用ですか?」

すると漁師の人達は動揺しながら

「お、お願いです。最近、この近海を荒らしている悪食鮫を退治してください!!
6000万ジェニー程用意しましたのでこれでお願いします!!」

いきなり全員頭を下げて鮫退治を頼んできた。

それを見た私は

「と、とりあえず場所を移動しませんか。
静かに話し合いはできる所に・・・」

周りの人達の視線がものすごく痛いし・・・




公民館

「なるほど・・・
悪食鮫のせいでこの町の漁業等に大打撃を受けているので
一刻も早くあの鮫を討伐してほしいんですね?」

「はい、先日、我々はあの鮫を討ちに行ったんですが、
とてつもなく堅い皮膚でまったく銃や銛がきかなくて
10mもの大きさを駆使した体当たりや大きな牙で喰い壊されて
いくつかの船は沈められてそれで海に落ちた仲間は皆やつの餌食になってしまいました。」

この町の町長のお爺さんは悔しそうに説明した。

「なるほどよくわかりました。この依頼を受けますので安心してください。」

そして、早速狩りの準備をしようとすると

バンッ

いきなりドアは蹴り破られ若者達がズカズカと部屋に入って来て町長に詰め寄った。

「おい!町長これはいったいどういうことだ?
悪食鮫は俺達が始末すると言っただろ!!
プロハンターだか何だか知らないがこんな小娘に頼むなんてどうかしてるぜ。」

「お前達の言うことはよくわかるが。
あれはお前たちでは太刀打ちできる存在ではない
頼む、わしの言う通りにしてくれ・・・」

町長は頭を下げて説得するが、若者達のリーダーらしき巨漢の人は私に顔を向けて

「おい、お前はプロハンターなんだってな。
俺と勝負しろ!俺が勝ったら手を引けお前が勝ったら町長に従う。いいな!!」

(はあ・・・なんか面倒くさいことになったなー)




そして、結果は当然

「そんなこの町で1番強いバリーがあんなチビに瞬殺だと・・・」

「気が済みましたか?」

私はボロボロになって仰向けに倒れたバリーを見下ろして言った。

「ああ約束は守る・・・」

バリーは落ち込みながら答えた。

そして、私は気を取り直してすぐに鮫退治の準備に取り掛かろうとすると

「お、おい!!あれ見ろ!!
ハマさんが悪食鮫に襲われているぞ!!」

その言葉に海を見ると鮫に襲われてどんどん壊れている船があった。

「なんであの人は船出してんだよ?」

「あの人は生活に困りに困っていたからな・・・」

「そんなこと言ってる場合じゃねえよ!
早く助けねえと!!」

その光景を見た私は最近よく出すため息をつきつつ

「まったく今日は面倒なことばかり厄日ですかね。」

助走を付けて

「よっとー」

ハマの船に飛び乗って

「な、なんだ!!君は?」

ハマを無視してこちらに突進して来た10mもの大きさの悪食鮫に銃を向けて

ドンッ

一発で頭を撃ち抜いてあっという間に仕留めた。

「す、すげえ。俺達がまったく手も足も出なかったあの鮫を一撃で・・・」

ハマや港にいる漁師達は呆然としながら呟いた。

「まだ、終わっていませんよ。」

「ど、どういうことだ?」

「あれを見てください。」

そして、全員チェリッシュが指差した方向を見ると

「な、なんだよ!!あの数の鮫の群れは?」

尋常じゃない数の鮫の群れがこちらにやってきた。

「き、君どうするんだ?」

「あなたは船内に入ってしがみついて下さい。」

私に話しかけてきた混乱したハマさんに適当な指示を出して

ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン

私は両手に周を施した銃を持って片っ端から鮫を撃ち殺して徹底的に鮫掃除をした。





1時間後

町長や漁師達やバリー達や町の住民達は港を見て顎を外れるほど口を開けて驚いていた。

まあ当然だろう。港は目の前の海は

たくさんの鮫の死体が浮いていてその鮫の血で赤く染まっていたのだから




そして、3日後に無事に定期船が出せるようになった。

「いろいろとありがとうございました。」

「女や子供だからって馬鹿にして悪かったな。
だが今度は負けないからな!!」

「君のおかげで助かったよ。
君は命の恩人だよ。」

「どういたしまして、じゃあ私はそろそろ行きますね。
さようなら。」

見送りに来た人達に背を向けて私は定期船に乗りジャポンに向かった。



あと余談だが私が殲滅した鮫の群れはフカヒレ料理として

高級料理の素材として高値で取引されたそうである。





そして、その頃にチェリッシュがいる町からさらに南にある研究所で

「報告します。逃げ出したあの実験体はハンターに撃ち殺されたそうです。」・

「ほう、あの鮫を銃でどうやって仕留めたのだ?」

「それはわかりませんでした。それでこの一件はどうしますか?」

「放っておけ。現在、我々の計画はそろそろ仕上げに入る。
そんなことに構っている暇はない。」

怪しげな者達が良からぬ計画を立てていることと

後にこの者達が起こす世界規模の大事件に巻き込まれることになることを

チェリッシュは想像もしていなかった。


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