小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>


放浪編
37話 念刀“刃鬼”



私は宿で食事をしながらゴ―グさんと仕事の話をしていた。

「最近この街を騒がせている1億ジェニーの賞金がかかっている
辻斬りの捕縛・討伐とその辻斬りが持っている刀の回収・破壊ですか?」

「ああ、前者は辻斬りに殺された人の家族から
後者はその刀を元々所有していたこの国の忍流派の1つの葉隠流から
盗まれたから頼むと依頼を受けたんだ。」

「なるほど・・・それでハンターらしき人達がこの街にたくさんいたわけですね。」

私はさっきから頭に浮かべていた疑問がわかり納得した。

「ああ、協専ハンターの方にも依頼が出ているみたいだからな。
まあ今ここに来ているのはほとんどがアマチュアで
多分、動いているプロハンターは俺達だけだと思うぜ。」

「それでも裏試験を終えたばかりルーキーのゴ―グさんでは
大変な仕事なんじゃないでしょうか・・・」

「だからチェリッシュに手伝ってくれないかとお願いしてるのさ。
いや〜一気に2つの依頼をこなして依頼2つ分の報酬と奴の賞金をゲットしようかと
思って受けたんだが。想像以上にヤバイ仕事だと知ってどうしようと
困っていたら、偶然お前に会って良かったよ。
当然、報酬は山分けだから、頼むよ。な?」

「はあ・・・1つ借りですからね。」

「おう、サンキュー
じゃあ奴が辻斬りに使っている念刀“刃鬼”について説明するぜ。」

「念刀?妖刀じゃなくて」

「まあ。表向きでは妖刀なんだが、
念能力者専用の刀だから念能力者の間では念刀と呼ばれているらしいぜ。
詳しいことは知らないが神字という念を補助する力がある文字が刻んであってな。
それですごい力を発揮するそうだ。
で、“刃鬼”についてなんだが過去の使い手はその刀でとんでもない数の人を斬ったせいで
その人斬りの死者の念が取りついてな。
それで“刃鬼”は抜いたらその念に当てられて人を斬ることに喜びを感じる殺人鬼と
化してしまうとてつもなくヤバイ刀になったそうだ。」

「怖いですね・・・
それで破壊してほしいという依頼を・・・」

「ああ、すでに一般人だけじゃなく俺が知る限りで10人以上もアマチュアハンターが
やられたみたいでな。また、お偉いさんの人も何人か殺されたから
これほどの賞金がかけられて、プロハンターの俺に依頼が回って来たんだ。」

「そうですか・・・
また新たな犠牲者が出る前に迅速にやらないといけませんね。」

「ああ、そうだな・・・
ん、ちょっと失礼っと」

ゴ―グさんの携帯が鳴りゴ―グさんは電話に出て、そして、緊張した顔になった。

「そうか・・・教えてくれてありがとな。」

ゴ―グさんは電話を切って携帯をしまった。

「何かあったんですか?」

「ああ、この街の知り合いの情報屋からだ。
さっき徒党を組んで辻斬りを討伐に向かったアマチュアハンター連中20人の斬殺死体が
この街の外れの墓場で発見されたんだとよ・・・」





「・・・これはひどいですね。」

「ああ、同感だな。」

私達は現場である墓場に来ていた。

墓場はいたる所は血で赤く染まっていて凄惨としか言いようがなかった。

そのため、野次馬もこれを見て吐いたり顔を青くしてその場から去って行っていた。

(まあ、無理もないか。それにしても・・・)

「ゴ―グさん警察が来るのは遅いと思いませんか?」

「そういえばそうだな。いくらここが街の外れだからといっても
ちょっと遅いよな。」

私とゴ―グさんはそのことに疑問を持ち、同時に最悪な展開が頭に浮かんだ。

「「ま、まさか!!」」

そして、断末魔の悲鳴が聞こえた

「ぎゃああああ!!」

「ぐあああああ!!」

「どうやら警察はここに向かう途中に辻斬りに遭遇して交戦しているみたいですね。」

「ちっ、急ぐぞ!!これ以上被害を出さないようにするためにも」






「脆いねえ〜。こんなんじゃ俺にかすり傷1つ付けられないねえ」

「く、くそ化け物め・・・」

私達が駆けつけるとそこは墓場と同じようにいたる所に死体が転がっていて

地獄と化しており、警察やアマチュアハンターの人達は恐怖で怯えていた。

そして、彼らの視線の先にいるこの惨状を作り上げた白髪の男は

壊れた笑みを浮かべて笑っていた。



「おい、ここは俺達に任せてあんたらは下がってろ。」

ゴ―グさんは一番偉そうな警部らしきに話しかけた。

「な、なんだ?君達はそれはこっちの台詞だ!!」

「俺達はプロハンターだ。あとは俺達に任せてくれ。」

私とゴ―グさんはハンター証を見せて言った。

「わ、わかりました。お願いします・・・」

警部さんも自分達では奴には敵わないことやこれ以上やったら

さらに自分達に犠牲者が出るだけだとわかっているのか大人しく部下達を下がらせた。



「ん〜、どうやら君達は今までの雑魚とは一味違うようだねえ〜」

白髪の男は笑いながら私達を見て呟いた。

「じゃ・・・打ち合わせ通りにな。」

「ええ、わかりました。では行きます!」

ドンッ

ビュン

「ヒャハハ
私にはそんな攻撃は通用しないよ〜」

様子見で一発念弾を放ったのだがあっさり斬り裂いてしまった。

(やはり一筋縄ではいかない相手のようですね。)

私は動きまくりながら念弾を撃ちまくった。




5分後、この場は私の念弾と奴の斬撃で滅茶苦茶になっていた。

私はまだ余裕があるとはいえ少々疲労が出てきていた。

「くくくくく、結構楽しかったよ・・・
ではそろそろ死になさい。」

白髪男はさっきよりもかなり速いスピードで私に斬りかかって来た。

(今だ!!)

私は奴に念弾を放った。

「くく、私にはそれは通用しないと言ったはず
ぐおおあああああ!!」

白髪男はチェリッシュが放った念弾を刀で斬り落そうとしたら吹っ飛んだ。

「複数の弾丸を一瞬で1箇所に撃ちこむスポットバースト・ショットを喰らったら
さすがのあなたもタダでは済まないでしょう。」

そして、白髪男は頭から血を流しながら立ち上がった。

「き、貴様。絶対に殺す・・・」

そして、血走った眼で私を睨みつけて斬りかかって来たが

「よし!!今だ!!
グレイブぅぅぅ!!」

ゴ―グさんは地面を操作する念能力の大地操術クライム・アース

で白髪男の足元を爆発させて空中に飛ばし、そして

「さすがのあなたも空中ではうまく避けることも防ぐことはできないでしょう?」

私は思いっきりオーラを波皇に込めて

ドオオオオオオォォン

特大の一撃を撃ち込み白髪男を“刃鬼”ごと粉砕した。

こうしてこの街を騒がせていた辻斬りは2人のプロハンターによって討伐された。




数日後

私はゴ―グさんは船着き場にいた。

「ふー、チェリッシュの協力のおかげで無事に依頼を達成できたぜ。
ありがとな。」

「別にいいですよ。おかげで私もたくさん分け前もらったんですから
でも次からはこんな無茶な依頼を受けないで下さいよ。」

「ああ、肝に銘じておくよ。
じゃあ俺はもう行くな!チェリッシュも気を付けろよ。
じゃーな!」

そう言ってゴ―グは豪快に笑いながら船に乗って去って行った。

「さて少し遠いですが心源流の道場がある街に行きますか。」

私は次の目的地に行くために歩き始めた。





ゴ―グ=グレイラル

操作系能力者
大地操術クライム・アース
地面にオーラを流して操作することができる能力
地面がコンクリートでも使用できる。

制約
長時間発動や広範囲にすればするほど消費オーラを大きくなる
ジャンプしたりして地面から離れると能力は強制解除される。

-39-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




HUNTER×HUNTERハンター協会公式発行ハンターズ・ガイド (ジャンプコミックス)
新品 \650
中古 \1
(参考価格:\650)