バイオソルジャー編
４３話 猟犬部隊
「なんですか・・・これは？」
「うわ・・・気持ち悪い・・・」
怪物の死体を手を貸しに来たレイラさんとカールさんに見せると
２人共予想通りの反応をして驚いていた。
「それで何かわかりましたか？」
とりあえず私は２人に聞いてみる。
「うーん、見た感じじゃ様々な魔獣や猛獣の皮膚や肉を移植しているね。」
「解剖して詳しく調べてみましょう。」
「よろしくお願いしますね。」
２人は興味津々に怪物の死体を調べ始めた。
「なあ・・・魔獣の皮膚が使われているって、それってもしかして
この辺りに運ばれた密猟された魔獣のことじゃ・・・」
「ええ・・・おそらくそうでしょうね。」
「はあ、こりゃあ予想以上にとんでもなくヤバイ仕事になりそうだわ・・・」
ゴ―グさんは窓の外の真っ暗な空を見て呟いた。
その頃 研究所では
「６号が何者かにやられただと！！」
バルドルは眼を見開いて言った。
「はい、ここから少し離れた丘で６号のものかと思われる
大量の血痕や肉片を発見しましたのでおそらく・・・」
「そして、６号を倒した何者かが６号の死体を持ち去ったと思われます。」
「表沙汰になる前にそいつ等を始末して６号の死体を回収する必要があるな。」
「どうやって探しますか？
６号に取り付けていた発信機は壊れてしまったので難しいですよ。」
「あの犬達を使う。」
バルドルは強化ガラスの向こうにいる彼等を指差した。
「なるほど！彼らの嗅覚なら簡単に探せますね。」
科学者達は納得したように頷いた。
次の日
私は武器の整備・点検
ゴ―グさんはパソコンと睨めっこして情報収集
レイラさんとカールさんは怪物の解剖をして過ごしていた。
ガチャ
そして、丸１日たった夕方にレイラさんとカールさんの２人は解剖を終えた。
「ふう、なかなか興味深い体だったよ。」
「私は臭くてたまらなかったけどね。」
「あ、２人共、ご苦労様です。それで調べた結果はどうでしたか？」
「ああ、わかったことだが、あれは元人間だ。」
「元人間だと？」
ゴ―グさんは眼を見開いて聞き返した。
「正確には生きた人間か人間の死体をベースに生み出された怪物ね。」
「おいおい、そのベースになった人間って、
まさか・・・」
「多分、あの怪物は行方不明者の人達の１人でしょうね。」
「これじゃあ行方不明者達の生存は絶望的だな・・・」
「まったく、人の命をなんだと思ってるのよ！！」
「確かに酷すぎますよ！！」
レイラさんとカールさんは憤った声で言った。
「私も同感ですよ。ん？これは・・・」
ザザザザザ
カチャ カチャ
「どうやら招かれざる客のようだね・・・」
「２０人って所かしら・・・」
「全員、かなりの強さですね。」
「来るぞ！！」
ガシャアアアアン
犬の仮面を付けた黒づくめの者達がいきなり窓ガラスを破って襲撃してきた。
私は銃で倒そうと構えた。
ドンッ ドンッ
（くっ・・・連携や仲間のことを気にせずに攻めてくるのが厄介ですね。）
私は少々手こずりながらも自分に向かって来た敵を全員倒して
レイラさん達を加勢しようと３人がいる方に顔を向けると
「空飛斬」
レイラさんが生み出した無数の風の斬撃と
「どおりゃあああ！！」
丁度、カールさんが周で強化したデカイ包丁の一振りであっさりと終わっていた所だった。
「あ、あいつ等、いったい何者だ！？
あの猟犬部隊を一瞬で！！」
遠くから様子を見ていた者達は困惑していた。
「と、とにかくバルドル様に報告しよう。」
そして、彼等は逃げるようにその場から去った。
「２人共、・・・すごいですね。」
「ああ、・・・無茶苦茶強くなったな。」
「まあ・・・カイトさんにしごかれましたからね。」
「僕もメンチさんからウルトラハードな修行メニューをやらされましたから・・・」
２人共少し元気がない声で答えた。
（カイトさんがレイラさんはとんでもなく強くなって再会したらいろいろと
驚くだろうとか言っていた意味がわかった気がしますよ。）
「で？こいつ等どうするよ？」
ゴ―グさんは襲撃してきた連中を見て言った。
「はあ、後始末は大変ですね・・・」
私は少し疲れた声で呟いた。
レイラ＝シェミリア
操作系能力者
空気中の大気・風を操作する能力である。
空飛斬
単純に風の刃つまりかまいたちを敵にぶつける技
カール＝ブラウン
特質系能力者
能力は今のところなし
自分が武器として愛用している大きな包丁に周をかけて戦うスタイル