バイオソルジャー編
49話 事後処理×昇格
流星街
この街のとあるビルの中に十数人の強大な念能力者達がいた。
「団長〜、マーズがハンターにやられて死んだようだよ。」
団長と呼ばれた男はわずかに驚き
「そうか・・・次に会ったら旅団に勧誘したかったんだが残念だ。」
団長クロロは窓の外の空を見てどこか悲しい感情がこもった声で呟いた。
あの戦いから3日たち私達は病院で療養という休息を取っていた。
「ふー、今回の仕事はハードだったが、その分多額の報酬をゲットできたから
よしとするかな。」
ベッドに寝ているゴ―グは笑いながら言った。
「その報酬は4人で山分けして大半の報酬が私達に持っていかれるということはわかっているのかしら」
松葉杖で体を支えているレイラさんは呆れながら呟いた。
「あ、新聞に今回の事件が載っていますよ、ほら」
左腕を骨折して片腕をつっているカールさんは新聞を私達に見せた。
新聞にはこれまでの資産家バルドルの違法研究や数百人もの誘拐の罪についてが
一面にデカデカと書かれていた。
バルドルは死亡したのでその財産はバルドルの家族に移行されたが、
今回の事件の事態収拾や賠償金で消えることになるらしいとあった。
またバルドルの一族にも捜査のメスが入り、
これによって横領・詐欺・恐喝・殺人示唆等の
余罪が判明したため次々と逮捕されて一家取りつぶしとなったそうである。
「ふう、これで私達の仕事は完全に終わりですね。」
頭に包帯を巻いた私は呟いた。
「ああ、行方不明捜索依頼されていたあの娘含め10人程の誘拐された人達は
研究所の地下牢で無事だったし
密猟団の対処の方の依頼も達成して、高額賞金首マーズの賞金も入ったからな。」
そんな感じで4人はのんびりとにぎやかに過ごしていると
♪〜♪〜
「ん、ちょっと失礼。」
私の携帯に電話がかかって来た。私は誰からか確認するために携帯を見ると
「これは!?」
その電話先はハンター協会と出ていた。
時は少し遡りハンター協会
この施設の会長室にモヒカンのような髪形をした老人と豆のようなツルツル頭の男がいた。
「ふむ、まだプロハンターになって1年ちょっとじゃというのに
なかなかの功績じゃわい。」
ハンター協会会長ネテロはチェリッシュのハンター活動記録の資料を見ていた。
「ええ、ジャポン近海を荒らしていた凶暴な鮫の討伐、
1億もの懸賞金がかけられた辻斬りの討伐
他にも数々の犯罪組織の壊滅に今回の一件
これだけの功績なら問題ないでしょうね。」
秘書のビーンズもネテロの意見に同意していた。
「じゃあ、早速手続きを行うとするかの。」
数日後
(うーん、とりあえず来てみたけど、いったいなんで私を呼んだんだろ?)
と考えながら私は呼び出しをしたハンター協会に来ていた。
「ま、少なくとも私にとって悪いことじゃない・・・はずだと思うけど
いくら考えてもらちがあきませんね。行きますか。」
私は深く考えずにハンター協会に入って行った。
「なんでハンター協会はチェリッシュちゃんを呼んだのかしら?」
病室でレイラはリンゴをむきながら疑問を口にした。
「おそらくですが・・・昇格でしょうね。」
リンゴを食べながらカールは予想を呟いた。
「昇格って何のことだ?」
ゴ―グはそれについて聞いてきた。
「ほらハンター試験を合格した後に説明会を受けたでしょう。
一ツ星シングルへの昇格のことですよ。」
カールの予想は大当たりでその頃ハンター協会でネテロ会長達から一ツ星シングルの
ハンター証と称号を貰ってあまりの驚きで固まったチェリッシュがいた。