小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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ヨークシンシティ激闘編
55話 師匠再会×林檎の聖水×かわ美ハンター



9月5日 

「あら、チェリッシュじゃない。久しぶりね。」

ヨークシンドリームオークションイベント5日目の昼に
私は適当な定食屋で昼食を取っていると偶然店に入ってきたビスケ師匠と再会した。

「あ!師匠お久しぶりです。また、宝石集めで来たんですか?」

「いや今回は賞金首の狩りと化粧水目的わさ。
あのデパートのオークションにそんな貴重な化粧水が出るらしいからね。」

師匠は窓の外の目の前にあるデパートを指して答えた。

「あんたも一つ星シングルになったりして
ずいぶんとハンター業を頑張っているみたいね。
師匠として嬉しいわさ。」

「どうも・・・」

そして、師匠は「そうだ!」と何か思いついて呟いた。

「丁度いいわさ。チェリッシュちょっと手伝いなさい。」

師匠命令だから断らせないわよと笑いながら(目が笑っていなかった)
師匠は私に命令してきた。

「はあ・・・まあ今は暇ですから構いませんよ。」

私は渋々と従った。





「林檎の聖水?」

「ええ、今回私が狙っている物よ。半年前に出来た化粧水でね。
肌にいいだけでなく林檎の甘い香りがする化粧水でしかも
ある程度の怪我の治療薬にもなる化粧水だからかなりの人気があってね。
でも、高価で数が少なくて需要に生産が追いつかないから
ゲットできるチャンスが限られているのよ。」

「なるほど」

(このフロアにたくさんの女性がいるのはそのためか)

私は周りにいる師匠と同じ目的でやって来た人達をチラリと見て納得した。

「あらあなたも来ていたの?ビスケットさん」

林檎の聖水のオークション会場に着くと
なんか派手な髪形と厚化粧した女性が現れた。
一目で念能力者だとわかる。それもそれなりの実力者なので
私は即座に警戒態勢に入った。

「あなたも来ていたのね・・・」

師匠はいかにも嫌そうな顔をした。

「誰ですか。この人は?」

私は師匠に聞いてみた。

「この女はキューティー=ビューティーっていう美容を追い求めている
かわ美ハンターわさ。」

そして、「同時にハンターの嫌われ者わさ」と師匠は付け加えた。

「酷いわね〜。そんな言い方は無いじゃない。」

「あの腹黒パリストンの親衛隊長が何言っているのかしら〜」

私はこのままだと壮絶な口喧嘩になりそうだったので止めることにした。

「ま、まあまあ2人共それくらいにして下さいよ。
林檎の聖水を手に入れに来たんですよ。ここで口喧嘩しても何の利益はありませんって」

私はそう説得して2人をなんとか落ち着かせた。

するとキューティーは私に顔を向けて

「ずいぶん可愛い娘ね〜。あなたの弟子かしら?」

「だったら何?」

師匠はキューティーを睨みつけて言った。

「あなたもハンターみたいね。
パリストン様の親衛隊に入りたくなったらここに連絡してね。歓迎するわよ。」

キューティは私にホームコードが書かれている名刺を渡してきた。

「勝手にあたしの弟子を勧誘してんじゃないわさ!!」

「あらあら、ビスケットさんが怖いからワタクシはここで失礼しますね。」

そう言ってキューティーはその場から離れた。

(しばらく師匠に話しかけない方がいいかな。)

私を機嫌が悪そうな師匠を見てそう決めた。




そして、しばらくして

『当デパートにお越しの皆さんお待たせしました。
これより林檎の聖水のオークションを開始いたします。』

これによってこのフロアは客や野次馬によって騒がしくなった。

「よっし!待ってました!」

師匠はオークションの商品の林檎の聖水を見て
さっきの出来事を忘れたのかかなーりテンションを上げていた。




そして、林檎の聖水を巡るオークションが終わり

夕方、無事に林檎の聖水を手に入れた
(盗まれないように3つ全部私のホワイティ・バッグに収納)
ビスケ師匠は嬉々した様子で歩いていた。

「ふう・・・3つゲットできたわさ。
上々だけど本当は6つ全部手に入れたかったわさ。
全くあの女さえいなければ・・・ブツブツ」

「いやそれだけあれば十分ですよ・・・(-_-;)」

私はちょっと「それはやりすぎですよ」と言っておいた。

(師匠が落札するたびに何人かの人達が血走った眼で見ていたからな〜。
また、グレラゴのようなことにならなければいいけど。)

私はいつものため息をつきながら師匠と帰路についた。

ちなみに他の3つはキューティーが落札したようで
師匠とキューティー以外の客は皆顔を真っ赤にしたり涙を浮かべていたらしい。


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