小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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妹×2人旅編
63話 潜入×給仕



「お待たせしました〜♪」

「おう、サンキュー、旨そうだぜ。」

「フィナンシェ皿洗いよろしくね。」

「は〜い」

私とフィナンシェはパドキアの隣にある国の城の厨房で働いていた。

なんでこんなことをしているのかを説明するには時を少し遡る。




1週間前

「大臣の反逆を阻止してほしい!?」

私は急に実家に訪れたお婆ちゃんが言いだしたことに驚いた。

お婆ちゃんが細かい事情を話始めた。

「ああ・・・実はねえ私は隣の小国の王城の厨房で働いているんだけど
先日、私はいつもよりも早起きして仕事で厨房に向かったら偶然聞いてしまったんだよ。
あの優しいディオガ王とミセラ王女を殺して
国を乗っ取ろうとしている大臣達の反逆の話をね。」

「そのことを他の人に話したの?」

フィナンシェは問いかけた。

「いいや、あなた達2人以外誰にも話していないよ。
こんな老人の証言だけじゃあ証拠にならないかもしれないし
下手すると私自身が口封じで大臣に消されるかもしれないしね。」

お婆ちゃんは首を横に振って答えた。

「それで信用できて頼れるのが私達だけだったから」

「その通りさ。孫の貴方達がプロハンターになったのを思い出してね。
他に手段を思いつかなかったからね。」

「なるほどね〜、まあ普通に考えて現行犯で捕らえるか潜入するのが良いけど
う〜ん、そうだ!お婆ちゃんちょっと手を貸してくれないかな?」

「出来る限りならね。」

フィナンシェは何か良い手を思いついて提案した。

「なるほどね、それ位なら」

お婆ちゃんは笑みを浮かべて了承した。




そして、私達はその後、怪しまれずに潜入するために
お婆ちゃんと一緒に城の厨房で働いていた。
それなりに信用されているためか厨房の責任者のお婆ちゃんの
紹介で城の兵士や他の厨房の人達は私達をすぐに受け入れてくれた。

(まあ少々人手不足だからという理由もあるだろうけどね。)

私は大忙しで働きながら思った。





「お疲れ様ほらこれでも飲みなさい。」

夜になりようやく今日の仕事を終えて私はお婆ちゃんからお茶をいただいた。

「ふう・・・やっと終わったね。」

「うん、体力はまだまだ余裕があるけど精神的に疲れたね。」

そばにいるフィナンシェに私は「同感だね。」と呟いた。

私はチビチビとお茶を飲みながら休憩していると
私と同じ位の年の女の子が厨房に入って来た。

(ん、誰だろう?)

私はのん気にそんなことを考えていると

「ミ、ミセラ王女なぜここに?」

お婆ちゃんのこの言葉で私とフィナンシェは驚愕して王女と呼ばれた女の子を見た。

「ちょっと暇つぶしにね。」

(だからといって王女が1人で護衛も付けずに来るなんて
ここの王様って放任主義なのかな。
ん、なんか今王女様と目が合ったよね。
・・・てかなんでこっちに向かって来てるの?)

私はこちらに向かって歩いて来たミセラ王女を見てまたいつもの嫌な予感がした。

「あなた達が最近入って来た新人ね?」

「あ、はいそうです。チェリッシュといいます。」

「妹のフィナンシェです。」

私とフィナンシェは礼儀正しく対応をした。

「へえ・・・キャロルあなたの孫娘もなかなか優秀そうね。」

「あ、ありがとうございます。」

お婆ちゃんは複雑な表情をしながら頭を下げた。

そして、ミセラ王女は私とフィナンシェをジロジロと見てニコっと笑い

「よし、気に入ったわ。貴方達今日から私の世話係ね。」

((はい!?))

この瞬間、私とフィナンシェは数秒固まった。





その頃、城の地下室で大臣とその部下達がクーデターの話をしていた。

「くくくく、もうすぐわが野望は達成されるな。」

「ええ、準備は万端ですよ。大臣」

「楽しみだな。くくくくく」

大臣達のひそかな笑い声は部下以外の誰の耳に入ることなく闇に響いた。


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