小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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妹×2人旅編
64話 クーデター



「いや〜、周りの人達は皆大人だから丁度私と同じ年位の女の子の部下欲しかったのよ。」

ミセラ王女は「それに良い話し相手になりそうだしね。」と最後に付け加えて言った。

私とフィナンシェは今ミセラ王女の自室にいた。
最初、強制的に連れて来られていろいろととまどったが

(丁度良いかもね。敵はミセラ王女の命を狙っているんだから
このままミセラ王女と一緒にいれば大臣の刺客を捕らえて反逆の証拠を押さえられるかも)

フィナンシェも同じことを考えさっきから大人しくしている。

「さ〜て、暇つぶしにトランプでもしましょうか。」

「あ、はい。わかりました。(なんか陽気な人ですね。)」

とりあえず私はフィナンシェと一緒にゲームの準備をしていると
いかつい顔をした男と数人の護衛らしき人達が部屋に入って来た。

「ノックもしないで勝手に娘の部屋に入らないで下さい!お父様!」

ミセラ王女は突然部屋に入って来た男を怒鳴りつけた。

「ああ、すまんすまんお前がいきなりキャロルの孫娘を
自分の世話係にしたという話を聞いてな。
ちょっとどんな子達か見に来たんだよ。」

そして、ディオガ王は視線を私達に変えてミセラ王女と同じようにジロジロと私達を見た。

「ふむ・・・さすがキャロルの孫娘だな。
ミセラを頼むぞ。」

そう言いディオガ王は護衛達と一緒に部屋から出て行った。

(・・・なんか豪快な感じがする王ですね。)

私はディオガ王が出て行ったドアを見ながら思った。

「じゃあババ抜きでもやりましょうか。」

「あ、はい。わかりました。」

私はすぐに思考を仕事モードに切り替えた。





1週間後

「次はこの店ね〜。」

私達はミセラ王女の買い物に付き合わされていた。

(はあ・・・さすがにミセラ王女の前で
ホワイティ・バッグを使うわけにはいかないからな〜。)

私は荷車にたくさん積まれている物を見て思った。

「どうしたの、お姉ちゃん?早く行こうよ〜。」

「あ!そうね。」

妹によって我に返った私はすぐにミセラ王女のもとに向かった。




「相変わらずの買物ぶりだな。」

城に帰って来てディオガ王の第一声はこれだった。

「いいじゃない。お父様
安い物ばかりだし今日は久しぶりにお母様が帰ってくるめでたい日だから大目に見てよ。」

(そういえば、視察に出ていたクレア女王は今日帰って来るんだっけ)

私はそんな王と王女の親子の会話を眺めているとある気配を感じた。

(どうやらやっと動き始めたみたいですね。)

私は目で妹に合図をした。

「ではあたしはミセラ王女の荷物を部屋に持って行きますね。」

フィナンシェはそう言い大量の荷物を持って謁見の間から出て行った。

「ああ、早くお母様帰って来て欲しいわね。」

ミセラ王女がそんなんことを呟くとバンと扉が開き
大臣が100人以上の部下を連れて堂々と現れた。

「くくく、そこまでですよ。ディオガ王とミセラ王女様」

「だ、大臣これは何のつもりだ!?」

王の側近が叫んだ。

「くくくく、決まっているでしょう。クーデターですよ。
言っておきますが今この城にいる者は皆私の支配下で
あなたの味方は全員休暇を取らせたのでいませんよ。」

「き、貴様!!」

ディオガ王が怒りで顔を真っ赤にさせて叫ぶ。

「くくくくく、これでこの国は我の物だ。」

「それで今、この城にいる兵は皆あなた側の人なんですね?」

「くくく、その通りだ。」

「ならこれで大丈夫ですね。」

「何だと・・・?
な、なんだこれはぁぁぁ!?」

大臣は後ろを向いてみると自分の100人もの部下が1人の少女によって
全員地に伏せられていた。

「チ、チェリッシュ!!?」

この光景にミセラ王女は驚愕した。

「これであなただけですね。」

私は冷ややかな目を大臣に向けて言った。

「ま、まだだ!残りの城中にいる1000人の部下全員でぶッ殺してやる。
お前らぁぁ!すぐに来い!」

大臣は大声を出して部下達を呼んだが誰も来なかった。

「な、なぜだ!なぜ誰も来ない!?」

「この城にいるあなたの仲間は全員叩きのめしましたので誰も来ませんよ。」

スタスタと謁見に入って来たフィナンシェが部下達が現れない理由を答えた。

「さてと・・・」

私はゆっくりと大臣に詰め寄った。

「お、お前等ただの使用人じゃないな!何者だ!?」

「プロハンターですよ。」

私とフィナンシェはハンター証を見せて答えた。

「な、何ぃぃぃ!!!」

大臣は驚愕の表情になり大声を上げた。





次の日

「国の危機を救ってくれてありがとう
この国の代表として礼を言う。」

「本当にありがとうございました。」

「助けてくれてありがとう」

王と女王と王女は頭を下げて助けてくれたお礼を言った

「いえいえ、私は仕事をしただけですから」

あの後、大臣は逃げようとしたので私が鉄拳を喰らわせて叩きのめし
ディオガ王が緊急招集した休暇の兵達や帰って来たクレア女王の兵達によって
大臣達は全員捕縛された。

そして、今実家に帰る私とフィナンシェとお婆ちゃんは
王族の皆さんからお礼を言われていた。

「それにしてももう行くのか?ワシとしてはこの国に仕えてほしいと思っとるんじゃが」

「そうよ。ずっとここに居てくれないかな?」

「すいません、プロハンターの仕事がありますので・・・」

「そう・・・頑張ってね。
小さくて頼もしいハンターさん」

「どうもお世話になりました。」

こうして私とフィナンシェはこの国をあとにした。




その後、この国はめまぐるしい成長を遂げていろんな国々から一目置かれ
良い交流に成功し平和な国として発展したそうである。


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