小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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妹×2人旅編
70話 列車強盗



私達はガタン、ゴトンと揺れる列車に乗っていた。

「あ〜、良い景色だね。お姉ちゃん」

フィナンシェは外の景色を見てはしゃいでいた。
まあ、この車両には私達2人以外誰もいなくて
少々騒いでも誰も迷惑しないので
私は大目に見て放っておいている。

「そうだね。こういうのが旅の楽しみだね。」

(1人旅していた頃は寂しかったからな〜。
まあ、今はフィナンシェがいるし
あまり退屈しないで済むしね。)

私はほのぼのしながら外の景色を見て列車の旅を楽しみ
ちょっとウトウトしてきたので軽く眠ろうとしていたら

ドンドンドン ドコォォォン

列車に響いた銃声と爆発音で強制的に現実に呼び戻された。

「はあ・・・せっかくの楽しい気分が台無し・・・」

私はげんなりしながら立ち上がった。

「ま、まあ、旅にはそれなりに刺激もあった方がいいんじゃないかな。」

フィナンシェは前向きにフォローした。

「まあそうなんだけど「動くんじゃねー!!」ね・・・」

いきなり銃器を装備した3人の野蛮な男達が
この車両にズカズカと入って来た。

「列車強盗だ!!この列車は俺達が乗っ取った!!
死にたくなければ大人しくしな!」

男達は典型的な悪党が言う台詞を言って
私達に銃を向けてきた。

「ねえ・・・お姉ちゃんどうする?」

横にいたフィナンシェは小声で相談してきた。

「う〜ん、どうしようかな・・・」

(下手に手を出して少ないとはいえ他の乗客が人質に取られて
犠牲者が出たりとかで面倒なことになる可能性があるからな〜)

「おい!何をやってんだ?
動くんじゃねえよ!!」

私がどうしようか考えていると
銃を私に突きつけて男達が怒鳴りつけてきた。
全く怖くないけどね。

「ちっ、まあいいお前等は人質になってもらうぜ。」

そう言い男達は懐から何か瓶のようなものを出した。

(あれはクロロホルム・・・)

どうやら私達を眠らせて逃げたりしないよう行動不能にする気らしい。

「じゃあ大人しくしブガァァァ!!」

「あ、仕方がないとはいえつい手を出しちゃった。」

私は無意識に男を殴り倒した右拳を見て呟いた。

「こ、このガキィィ!!」

「ぶっ殺す!!」

他の2人の男達は私が仲間を殴り倒したのを見て
激昂して銃を向けてきたが

ドサドサ

瞬時に背後に回ったフィナンシェの手刀で意識を刈り取られた。





「仕方がなかったとはいえ
やっちゃったね・・・」

フィナンシェは拘束した3人の列車強盗を見て言った。

「まあ、あのまま何もしなかったら確実に眠らされて行動不能にされていたからね。」

私はため息をつきながら呟いた。

「それでこれからどうする?
あたしはこの3人がやられたことが知られる前に
速攻で片づけるべきだともうけど」

「私もそう思うよ。」

(というかこれしか思いつかない。)

「とりあえず千里眼で調べてみたら
敵の数は20人で残り17人だよ。」

「よし、敵に対応する暇すら与えずに無力化していく方向で」

私達はこれからの行動方針を決めて早速行動に移して
隣の車両に入ってそこにいた列車強盗達を瞬殺して先に進んだ。




その頃、一番前の上流階級車両で
5人の男達が紳士的な高価そうな服を着た老人をロープで縛って囲んでいた。

「くくくく、お金持ちさんよ〜
護衛も付けずにこんな所にノコノコ旅行なんて
賊に盗んで下さい攫って下さいと言っているようなもんだぜ〜。」

「グッ、君達の目的はなんだ?」

「なぁ〜に、あんたが持っている荷物が欲しいだけさ。
大金がたんまり入ったこの鞄をなぁ。」

男達は老人の鞄を手に持って
下卑た笑みを浮かべて笑い声を上げた。

だが、

「ボス、他の連中全員と連絡が取れません。」

「なんだと・・・!?」

この手下の報告を聞いてこの場は静まり返り
ボスと呼ばれた男は思わず呟くと

ドサドサドサ
いきなり3人の手下が何の前触れもなく倒れた。

バシュッシュッ

「「え・・・」」

そして、ボスと報告をした手下も状況を把握できずに間抜けな声を上げて
何が起こったのかわからずに気絶した。




「ふー、あっさりと終わってよかった。」

「あの人達賞金首だったから報酬も手に入ったからよかったね。」

列車強盗を全員捕縛した私達は他の客達からお礼を言われ
駆けつけた警察から懸賞金も貰い
後は警察に任せて駅をあとにした。

そして、私達はご機嫌で街中をのんびり歩いていると

「あ、チェリッシュさんじゃないですか。
久しぶりですね〜。」

すると懐かしい人と再会した。

「あ、カールさん久しぶりですね。」

「元気でなによりだよ。
そうだ丁度貴重な食材採取の仕事をしているんだけど
ちょっと人手が欲しいんだ。
手伝ってくれないかな。」

詳しい話はホテルですることになり
フィナンシェのことを紹介しながら
私達はカールさんが宿泊しているホテルへ向かった。


-72-
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