小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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妹×2人旅編
71話 食の探求者×リンネ=オードブル



とある山奥の立ち入り禁止区域でチェリッシュとフィナンシェは
頑張って食材採取をしていた。

「あ〜疲れた・・・」

私はたくさんの茸が入った袋を片手にその場に座り込んだ。

「まあ無理もないよね。
フリーダム・ゲートで食材を取るために世界中のいろんな所に移動して
手に入れた高価で貴重な食材は皆ホワィティ・バッグに入れたから
お姉ちゃんが一番負担が大きいし」

フィナンシェは苦笑してすぐそばにある手頃な石に座った。




3日前

ホテルのカールさんが予約した部屋で私達は今回の仕事の話をしていた。

「ちょっと・・・これほどの量のとんでもなく貴重で珍しい
食材採集依頼を受けたんですか!?」

依頼のリストを見て驚いた私はカールさんに詰め寄った。

「うわぁ・・・確かに多すぎ
というか全部採集するために世界中を回らなきゃいけないじゃん!」

フィナンシェも依頼内容を知って呆れていた。

そして、カールさんは頭をかきながら
事情を話した。

「あー、実は大規模な料理大会に使う材料を集める為に
こんな依頼が来てね。
アマチュアだけど他の美食ハンターにも依頼がいってたんだけど
皆、危険度と難易度が高いから断ったり
失敗して重傷を負って病院行きになったりしたもんだから
それでプロハンターの僕にその分一気にね・・・」

「あ〜、なるほど・・・
メンチさんとブハラさんとかの他のプロの美食ハンター達
はどうしたんですか?」

カールさんは渋い顔をしながら

「タイミング悪く他の仕事で忙しいから
プロの美食ハンターで動けるのは僕だけなんだよ。
プロの美食ハンターは少ないからね。
君やゴ―グさんやレイラさんに協力を依頼しようかなと
考えていたら偶然チェリッシュさんに会って良かったですよ。」

そして、




「フリーダム・ゲートで女神の泉に行って泉の水を大量に取ったり
ビスカ森林公園(1人旅していた頃に行ったことがある)
でグレイトスタンプやクモワシの卵とかを狩ったり
帰らずの洞窟で薬草採りまくったりと
この3日間あまり休みなしで世界中を回りまくって
働いたからさすがに疲れた・・・」

「ははは、とりあえずこれでも飲んで少し休みなよ。」

「ああ・・・ありがと
はあ・・・レイラさんとゴ―グさんも忙しくて
参加できないから大変だよ・・・」

私はフィナンシェから水を貰って愚痴りながら休憩していると
カールさんが疲れた顔をして大量の食材を持って戻って来た。

「お待たせしました。」

「たくさん採りましたねえ・・・
その能力は便利なんだか不便なんだか・・・」

私の反応にカールさんはハハハと少し笑った。

「じゃあ最後の月桃花の所に行きましょう。」

「そうですね。じゃあ行きますか。」

私達は時間が惜しいので最後の食材採取場所に向かった。





「ようやく着きましたね・・・」

私達は立ち入り禁止区域の密林に来ていた。

「それでは時間が惜しいので早速始めますか。」

カールさんは丸っこいシンプルな形をした念の人形を具現化した。

「じゃあ、頼んだよ。」

カールさんがそう言うと人形は歩き始めた。

「カールさんのお腹は空いていないと使えないとは
使いにくい能力ですね。」

私は人形の後を追いながらポツリと呟いた。




食の探求者(グルメサ−チャー)
特質系
念で出来た人形が一番近くにある食べられる物がある場所を教えてくれる。人形に食べ物の種類や名前などを指定して尋ねるとそれが一番近くにある指定した物を教えてくれる。
制約:食べ物(本人が食べれると認識している物)しか探すことが出来ない。空腹時でないと使うことが出来ない。




「おお・・・たくさんあるな!!」

「これだけあれば十分すぎですね。」

辺り一面にピンク色で月の形の模様がある
食用の花の月桃花があった。
カールさんとフィナンシェはこの綺麗な光景に目を輝かせていた。

「それじゃあ摘みますか。」

私は月桃花を摘もうとすると

「待ちな・・・・」

「「「!!?」」」

妙に響き渡る小さくて低い声が聞こえた。
そして、かなりの年寄りのお婆さんがのっそりと歩いて現れた。
私はその老婆は念能力者のようなのですぐに警戒した。

「リ、リンネさん!!」

その老婆を見たカールさんは驚いた反応をした。

「知り合いですか?」

「ええ・・・2つ星の美食ハンターだよ。」

「「2つ星!!」」

私とフィナンシェは驚いてリンネを見た。

「で・・・この花を採り来たようだね?」

リンネさんはゆっくりと質問してきた。

「はい、そうです。
ぜ、全部は採りませんよ。
仕事に必要な分だけですから・・・」

カールさんは必死に事情を説明した。
そして、リンネさんは

「そうかい・・・大量に採ったりしない限り
あたしゃ何も言わないよ・・・
とっとと済ませな・・・」


そう答えて去って行った。

「じゃ、じゃあ手早く採取しようか。」

「は、はい。」

私達はいきなりのすごい人物の登場による驚きから
すぐに立ち直り仕事を再開した。





数日後

「ようやく終わった・・・」

私はホテルのベッドにグッタリしながら呟いた。

「そうだね・・・。」

フィナンシェも疲れきった声で呟いた。

「でも今回はいろいろと勉強になったよ。
ハンターの仕事の大変さとやりがいがあるという話について
よ〜くわかった気がするよ。」

フィナンシェはクスリと笑って呟いた。

「さてとカールさんが仕事のお礼に御馳走してくれるそうですから
そろそろ行きますか。
楽しい食事会にね。」

「うん♪」

私とフィナンシェはそんな会話をしながら
ホテルをあとにした。

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