小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>



妹×2人旅編
73話 通り魔ザキラ



私達はとある街の警察署の署長さん達から
詳しい話を聞いていた。

「なるほど・・・
そのザキラという連続猟奇殺人犯によって
街は滅茶苦茶になっているというわけですね。」

「はい・・・数百人の武装した警官が束でかかっても手も足も出なかったので・・・」

「プロハンターの私達に生死問わずの討伐依頼をというわけですね。」

「はい・・・」

署長さんはやつれた声で答えて頷いた。




「お姉ちゃん!調べが付いたよ。」

警察からの依頼を受けた私達はホテルのパソコンを使い
ハンターサイトやフィナンシェの千里眼で
今回の仕事の標的であるそのザキラについて調べていた。

「調べてみたらそのザキラって男はね。
昔は天空闘技場200階級の闘士だったらしいよ。」

フィナンシェは印刷した資料を読みながら説明した。

「天空闘技場200階級ということは・・・」

「うん、武装した警官達を蹴散らしたという話を聞いてから
なんとなくではあったけど、やっぱり念能力者みたいだね。
そして、この人は当時、悪い意味で天空闘技場でずいぶん暴れていたみたい。」

フィナンシェはペラリと資料をめくり

「フロアマスター級の実力者だったようだけど
かなりの戦闘狂で戦い方があまりにも拷問と言ってもいいような
残虐ファイトばかりで容赦がないから
対戦相手は皆死んだり再起不能になったみたいだね。」

「確かにひどい・・・」

私はザキラの対戦成績を見て呟いた。

「審判からも再三にわたって注意を受けて
バーサーカーという異名が付くほどで
だから200階で誰も対戦したがらなくなり
対戦期間が切れて天空闘技場から追い出されたんだって」

フィナンシェはザキラの資料に書かれている
警告を無視しあまりにも残虐な試合をしたので
今後、天空闘技場登録はできません
という文章を見せて言った。

「これまでの犯行から考えると・・・」

私は警察からもらったこれまでのザキラの猟奇犯罪の資料を見て呟いた。

「うん、お姉ちゃんの考えている通り天空闘技場に行けなくなって
暴れることができなくなり
そして、ついに我慢できなくなってこんなことをしたんだと思うよ。」

「典型的な戦闘・殺人中毒者か・・・」

「やり方があまりにも残虐な分性質が悪いよ。」

私は「同感だね。」と呟いて
どう動くか考え込んだ。





翌日
私達は適当な喫茶店で昼食を取っていた。

「街は閑散としているね。」

フィナンシェは窓の外の閉まっている店を見て言った。

「それだけその殺人鬼を恐れているってことだよ。」

「その通りだよ。
すまないね。客はほとんど来ないからみんな店を閉めていてね。
今、開いているのはこの店くらいさ。」

店のマスターのおじさんは申し訳なさそうに言って厨房に行った。

「この街の住人達のためにも一刻も早く倒さないといけないね。」

私はフィナンシェに同意して「そうだね。」と
言おうとしたらゾクッと殺気を感じ取った。

(なっ!!?)

私はすぐに外に顔を向けると斧が窓ガラスを破って私に向かって飛んできた。

「くっ!!」

ガッシャァァァァァァァン

私はすぐに避けて斧はテーブルを無残に破壊した。

「まったく真っ昼間から・・・」

「ふざけたことをしてくれますね・・・」

私とフィナンシェは愚痴りながら戦闘態勢に入り店の外に出た。

「な、なんだ!?」

破壊音を聞き付けてマスターが駆けつけた。

「こちらに来ないで下さい!!」

私はマスターにその場を動かないように言った。

「ちょっ・・・これはいったい
あ、あいつはこの街を滅茶苦茶にした殺人鬼!!」

マスターは私達と対峙している片手に斧を背負っている
いかにも凶暴そうな男を指差した。

「き、君達、逃げるんだ!殺されるぞ!!」

マスターは私達に向けて叫んだ。

「私達はハンターですので大丈夫です。
すぐにこの場から避難して警察を呼んで来て下さい。」

私はすぐにマスターに避難を促した。

「し、しかし・・・」

しかし、マスターは納得しきれていないようで

それを見たザキラは

「五月蠅い奴だ・・・」

と言い周を込めた石をマスターに投げ付けたが

ドンッ

バキャアア

「ヒッ!ヒィィィィィ!!」

私は助ける為に撃ち落として石を粉砕した。

「もう1度言います。
すぐに避難して下さい!!」

「わ、わかった。
2人共、気を付けてな。」

私は大声で言いマスターは私の指示に従って走って去って行った。

マスターがいなくなったのを確認した私はザキラに視線を向けた。

「くっくっくっ・・・
久しぶりの念能力者のエモノだぜ。」

ザキラはそう言い私達にねっとりとした視線を向けてきた。

「気を付けてお姉ちゃん
あいつは強化系でかなりの使い手だよ。」

フィナンシェは小声で私に話しかけた。

「そうだね。フィナンシェ私から離れないようにね。」

「うん。」

こうして殺人鬼との死闘が始まった。




「ここに今回の標的がいるのか・・・」

チェリッシュとザキラが戦っている場所から数キロ離れた場所に
不気味なオーラを出す黒髪の男がいた。

「へえ・・・殺しの仕事に来てみたら
なんか面白い展開になってるな。
ちょっと見物してみようかな。」

不気味な気配を出しているその男は
ゆっくりとその場所を目指して動き始めた。



-75-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




【幻影旅団】クロロ ダブルドルジェ クロス 五鈷杵羯磨 Hunter x Hunter ハンターハンター ダブルドージェ グッズ 〔ku〕
新品 \2510
中古 \
(参考価格:\4510)