妹×２人旅編
７４話 殺し屋イルミ＝ゾルディック
「来ないならこっちから行くぜ。
ヒャッハァァァァ！！」
ザキラは大きくジャンプして拳を叩きつけてきた。
「くっ！！」
「うわわ！！」
私とフィナンシェはそれを避けて距離を取り
（調子に乗るな！！）
ズッドォォォォンッッ
「グガァァ！！」
同時に私はザキラにデカイ念弾の一撃を撃ちこみ吹っ飛ばした。
「まだ生きているよ・・・」
フィナンシェはザキラが吹っ飛ばされた瓦礫の山を見て呟いた。
「くくくく、やるじゃねえか・・・
そうじゃねえと面白くねえぜ！」
ガラガラとザキラは瓦礫の山から現れた。
そして、背負っている斧を手に取り
私に襲いかかって来た。
「早い！！」
ドンッ ドンッ
「グァァ！！」
私は瞬時に２発念弾を放ち一発はザキラが振りおろしてきた斧に当てて
軌道をずらし、もう一発はカウンターでザキラの脇腹に喰らわせて
またザキラを吹っ飛ばした。
「くっ、掠った・・・
フィナンシェ、ちょっと離れてて・・・」
私は血が滲んでいる脇腹を左手で押えながらフィナンシェにそう言い
「またトマホークか！！」
その直後に念を込められた斧が飛んできた。
ズドンッ
私は即それを撃ち落として破壊したが
「喰らいな！！」
ザキラは瞬時に距離を付けて斧を私に振り落としてきた。
「くっ！！」
私はなんとか避けたが
「あぐぅぅ！！」
追撃の斧の横面の一撃をまともに喰らって吹っ飛ばされた。
「お、お姉ちゃん！！」
「さてと・・・次は・・・」
ザキラは次のエモノを求めてフィナンシェに顔を向けた。
「くっ・・・」
ザキラはザッザッと歩いてフィナンシェに近づく。
「お前もそれなりに楽しませてく「まだ私は戦えますよ。」ほう・・・」
私はヨロヨロとふらつきながら立ち上がり
ザキラに銃を向けた。
「面白い・・・」
ザキラはそう言い斧を構えた。
（わずかでも隙を見せた瞬間やられる・・・）
私はそう考えながらザキラと向かい合った。
両者動かないまま時間がたった。
「くやしいけど・・・
今のあたしでは足手まといだね・・・」
フィナンシェはくやしように呟いた。
そして、フィナンシェが呟いたのを合図かのように
同時に両者は動き
チェリッシュは銃弾をザキラは斧を叩きつけてきた。
ドォォォォォン
「ようやく決着だね・・・」
フィナンシェは慎重に警戒しながら近づいた。
２つの巨大な力の衝突で大きなクレーターができており
そこから頭に血を流している姉がのそりと現れた。
「大丈夫、お姉ちゃん！！」
「ふぅ・・・まさか、
蠅が私の視界を通りすぎた瞬間を狙ってくるなんて
思わなかった。」
私はクレーターの底でぐったりと気絶しているザキラを見て呟いた。
「それじゃあ拘束しようか。」
「うん。」
「悪いけど、そいつは死んでもらわないと困るんだよね。」
私達はザキラを拘束しようとするとザキラの頭に針が刺さり
ザキラは絶命した。
「な！！？」
「あなたはまさか殺し屋一家ゾルディック！？」
私はすぐそばのビルの屋上にいる黒髪の男を見上げて言った。
「うん、そうだよ。
一応、名乗っておくよ。
イルミ＝ゾルディックさ。
よろしく。」
イルミはまったく無感情な顔で名乗り
名刺を投げ渡してきた。
「さてと・・・
あんたらともう少し話をしていたいんだけど
もう一件他の仕事（コロシ）があって忙しいんでね。
じゃ〜ね。」
イルミはそう言いシュンと消えて
この場から去って行った。
「あれがゾルディック・・・」
フィナンシェはいまだに呆然としていた。
（はぁ、フィナンシェは我に戻るには少し時間がかかりそう。
それにしてもゾルディックに遭遇するとは思わなったよ。
あ〜、よく生き残れたね私達・・・）
私は呆然としている妹と駆けつけたマスターと警察の人達を
視界の隅で見ながら青い大空を見上げた。