小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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妹×2人旅編
77話 ミサイル騒動



俺はとある国から派遣されたエージェントだ。
今回は厳重に保管されていた大きな街の1つや2つを
簡単に壊滅できるほどのミサイルとその起動データが盗まれて
その奪還の任務を言い渡されていた。

盗んだ男は雇った運び屋を通して遊園地で過激派のテロ組織と取引をする予定で
俺達は取引現場で彼等全員を現行犯で捕縛したのだが

最悪なことに運び屋が取引に来る前にジェットコースターに乗って降りた際に
他の客と荷物を間違えてしまったため
運び屋の鞄の中にはミサイルの起動スイッチのデータがなく
しかも、その盗んだ男は念には念を入れてデータをコピーしており
いつでも遠隔でミサイルを発射できるようにしていたようで
運び屋にこっそり付けていた盗聴器を通して
俺達が取引を台無しにしたのを知って怒り狂ってミサイルを発射したのだ。
しかも、着弾地点は俺達がいるこの街でミサイルをどうにかする手段が見つからず
俺達は「もうだめか・・・」と呟きあきらめたのだが
何時まで経ってもミサイルは飛んでこないので
皆は呆けてしまった。捕らえた運び屋とテロリスト達も同様だ。
俺達は何が起こったのかわからずとりあえず捕縛した連中を
尋問することにした。




同時刻、とあるホテルの一室で

「ふぅ・・・危機一発だった。」

私はフィナンシェがハッキングで発射された
ミサイルの軌道を変えたのを確認して
安心してその場に座り込んだ。

「まったくこんなことに巻き込まれるなんて思わなかったよ。」

フィナンシェは大粒の汗を顔に浮かべていた。

「あ〜、ごめんフィナンシェ
それがこんな危ないものだとは知らなかったとはいえ
まさかこんなことになるとは思わなくてね。」

私はとりあえず笑って誤魔化した。

「はあ・・・
遊園地から帰って来て鞄が違うことに気づいて
で、その鞄の中身がこんな危ない物とはね。
しかも、急にミサイルがこの街に飛んでくるという
画像が出てきたから焦ったよ。」

フィナンシェは汗をぬぐいながら呟いた。

「さてと・・・
ミサイルを発射した奴等を潰しに行くとしますか・・・」

私はゆっくりと立ち上がって言った。





「おい!これはいったいどういうことだ!?」

「わ、私達も何が何だか・・・」

ミサイルを発射した今回の事件の首謀者の男はミサイルの軌道が変わり
不発で海に落ちたという報告を知って思い通りの展開にならないことに
腹を立てていた。

「もういい!!
2発目を撃て!!」

男は怒りで冷静な思考ができていないのか
2発目のミサイルを撃つよう指示したが

「た、大変です!!
ハッキングされています!!」

「なんだと!!?」

「か、完全に掌握されてしまったので
2発目のミサイルが撃てません!!」

「ど、どこの誰が・・・!?」

「私達だけど〜」

「な、なんだ貴様等は!?」

急にハッキングという事態に加えて
謎の2人の少女が現れたことで皆、混乱していた。

「だからあなた達の野望を阻止した人間だよ。
とりあえず、この組織は危険だから潰させてもらうね。」

「ふ、ふざけるな!!
このガキ共がぁぁぁぁぁ!!」

その後、このアジトに銃声と彼等の悲鳴が響き渡った。




数日後、このボロボロにされたミサイル騒動の首謀者の男とその仲間達
そして、ミサイルのデータはとある国のお偉いさんの所に届けられた。

彼等は全員2人のガキにやられたと喚いていたが
誰もそんなことは信じず賊の戯言として処理された。

こうしてこのミサイル騒動事件は混乱を避けるため公に出ず
本人以外誰も知らないが2人のハンターの少女によって解決した。


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