小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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竜の卵騒動編
83話 卵泥棒



グオオオオオオッ!!

私達が駆けつけると一頭のフェアリードラゴンが暴れて
次から次へと家を破壊して
咆哮があげて轟かせていた。

「うわぁ・・・派手にやってるね」

「お姉ちゃん、あのドラゴン何かを探しているような感じがするんだけど」

フィナンシェの言う通りドラゴンは家を破壊するたびに
家の中を隅から隅まで見て何かを探している様子だった。

「確かにそうだね
まあとにかく殺さないよう補獲しようか」

「そうだね」

私はとりあえずやれることをやることにした。




「ふぅ・・・生け捕りはあまりやったことがないから少々手こずったよ」

私は麻酔弾で眠らせて警備員達からもらった頑丈なロープで縛りあげた
フェアリードラゴンを見て言った。

「ありがとうございますハンターさん
おかげで捕獲できました」

受付のお姉さん達から話を聞いていたからか
カルゴ公園管理者や警備員達は私達がハンターだと
知ってもちょっと驚いてすぐに我に返って
協力を求めたりドラゴン捕獲に手を貸してくれた。

「それにしてもなぜいきなり暴れだしたんだ?」

皆、疑問を口にした。

「多分、卵か幼竜に何かあったんじゃないかな」

フィナンシェは「おそらくだけど」と付け加えて言った。

「その推測は間違っていないと思います。
基本的に大人しいフェアリードラゴンが凶暴になる理由といったら
それしかないかと、丁度今は産卵の時期ですし・・・」

管理者のおじさんもフィナンシェと同じ予想を言った。
そして、そんなことを話していると

「ちょっといいですか?卵の泥棒野郎を捕まえました!!」

警察の人達がヤクザのような人を連れてやってきた。
しかも、代表の警部らしき人は卵を持っていた。

「ふぅ一時はどうなるかと思ったが、これで解決だな」

卵を取り返すことができて皆は安心していると

「た、大変です!!
フェアリードラゴンが全て怒り狂って大暴れを始めました。」

突然、駆けつけた警察官の報告により皆目を見開いた。
私は卵泥棒に詰め寄って銃を突きつけた。

「聞きたいことがあります。
盗んだ卵は幾つですか?」

「す、巣にあったの全部だ!
盗んだ後仲間で話し合って山分けして
別れたから他の連中の卵は知らない!!」

それを聞いてこの場にいた者は皆「なんてことだ・・・」
と呟いて頭を抱えてしまった。




「よ、ようやく終わった・・・」

あれから数時間私は暴れているフェアリードラゴン達を
できるだけ傷つけないよう全て捕獲した。

(討伐と違って手間がかかるから大変だった・・・)

私とフィナンシェは休憩していると
見た目はムキムキなお爺さんである
この町の町長さんが堂々とズシズシと現れた。

「君達のおかげで被害は最小限にできた。
ここの代表として礼を言おう・・・ありがとう」

「ああ〜、別に気にしないで下さい。
人として当然のことをしただけですから」

「そうか・・・
疲れている所に済まないが
君達プロハンターに依頼をしたい。
ブラックマーケットに向かった賊達から
卵を取り返すのに手を貸してくれないか」

町長さんや部下の人達は頭を下げてお願いしてきた。

「はあ・・・仕方ないですね。」

私は渋々引き受けることにした。


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