小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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竜の卵騒動編
85話 空賊



空賊
彼等はその名の通り空の盗賊である。
飛行船の積み荷を狙って襲撃を仕掛ける連中でそれなりに大物なのだが
獲物は大抵非合法な物を密輸している悪党ばかりを狙うため
被害にあった者達はほとんどは被害届を出さないので
そのためハンターサイトには義賊扱いのB級首となっている。




「よ、ようやく見つけた・・・」

「あれが空賊達のアジトみたいだね」

私達は立入禁止地域の山奥にいた。
空賊を探すために1週間ずっと
フィナンシェの千里眼やハンターサイトや情報屋等
を使って今ようやく見つけて私は少しホッとした。

(ふう・・・結構苦労してなんとか探し出せたよ。
さてと、もう何時卵が孵化してもおかしくないから急がないと・・・)

私は少し急ぎ足で空賊のアジトの集落に入った。

「おい、お前等!何者だ?」

集落に入ろうとするとまあ怪しいよそ者だから
門番の人達に止められた。
私達のことはもう情報が流れているのか
集落の奥から次々と何百人もの武器を持った人達が出てきた。

(しかも、何人か念能力者もいるよ・・・)

私は少々動揺しながら門番の質問に答えることにした。

「え〜、私はカルゴ山の人達から
フェアリードラゴンの卵の回収を依頼されたハンターです
その話でここのボスさんと謁見したいのですが、
だめでしょうか?」

私はゆっくりとハンター証を見せて話した。
するとザワリと皆騒ぎだし、
何人かは武器を構えて戦闘態勢になり
この場は嫌な空気に包まれた。

(・・・・・話し合いで済ませたかったんだけどな)

仕方ないと思いながら
私は腰のガンベルトに付けている銃に手を伸ばそうとすると

「静まれっ!!お前等!!!」

「と、頭領!!」

空賊のボスである頭領さんが部下達を一喝して現れた。




「・・・・というわけです」

頭領のバラン=ノーランドさんの一喝で皆大人しくなった後
私達は客人専用の部屋でバランさんに事の経緯を説明した。

「なるほどな・・・事情はわかった
確かに卵はここにあるが
渡すには条件がある」

バランさんは意地悪な顔をして言った。

「その条件とは?」
(まあ、ただで返すわけがないと思っていたしね)

私はある程度は予想していたので動揺せずに聞いた。
するとバランさんはハアとため息をついて

「やんちゃな私の娘をなんとかしてほしいんだ
念を身に付けてから使う機会が少ないもんだから
ストレスが溜まってさらにひどくなっていてな・・・
それでちょっとあいつと決闘して
発散させてくれないか」

「あなた達も念能力者なのに
なんでこんなことを頼むんですか?」

私はすぐに頭に浮かんだ疑問を口にした。
するとバランさんは言いにくそうに

「ああ・・・その理由はなぁ
あいつの能力は場所や状況によるが
威力はかなりのものでなぁ・・・
ま、まあそれで喰らったら大怪我じゃ済まないから
誰もあいつと模擬戦とかしたがらないんだよ
実際、あいつと戦って全治数カ月の大けがした奴がいるしな・・・・」

バランさんは自分の後ろにいる包帯を体中に巻いている念能力者の男
を見ながら「まあその分、制約は無茶苦茶だがな・・・」と言った。

「そうですか・・・」

私は横目で「ひぇぇ」と苦笑しているミイラ男を見て
怯えているフィナンシェを見ながら
いつものため息をついて呟いた。



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