小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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学生編
94話 呪われた仮面 後編



「フィナンシェ、どこ行ってたの?」

私は夜に帰宅した妹に問い詰めた。
仮面の鑑定を頼もうかと思っていたが、
連絡が取れなくて家にいないので
今までずっと探していたのだ。

「ごめん、ごめん
ちょっとハンターサイトでの調べ物をしたくて
ここにハンター証狙いの連中が来ないよう
少し離れた町に行ってたの」

「全く・・・それならそうと
あらかじめ言っといてね」

私はプンスカしながら言った。

「それでお姉ちゃん、あたしに何の用なの?」

フィナンシェはのんびりとした口調で本題に入った。

「この仮面を調べてほしいの
なんか危険な代物だっていう噂でね」

私は“狂骨の仮面”の写真を
フィナンシェに見せた。

「うーん、確かに危険な感じがするけど
さすがに写真じゃ千里眼でも
詳しくはわからないね」

「そう・・・じゃあ明日
その仮面の現物を見てくれないかな」

「うん、いいよ
あたしもちょっと興味あるし」

こうして話は終わり
私は風呂にでも行こうとすると・・・

♪〜♪〜

ミセラから仮面によって城は大騒ぎになっている
から手を貸してほしいという電話がかかって来た。




「ギガァァァァァ!!」

「くそぉー、手が付けられねー」

「なんて馬鹿力だ!
何がどうなってんだ!!?」

「お前等!お願いだ正気に戻ってくれ!」

私達は大急ぎで城にかけつけた。
城に到着するとミセラが電話で話したように
仮面を付けた兵士達が剣を振り回したり
仲間の兵士達を殴り飛ばしたりして狂ったように暴れていた。

「グアアアアアー!!」

「このっ!」

ドコォ!

私はとりあえず彼等を殴り倒し

「ていっ!」

バキャ!

フィナンシェは蹴り飛ばして蹴散らして
私達は気絶する程度に兵士達を倒していったが

「ふう、こんなとこかな」

「大分、実戦に慣れてきたって感じだよ」

私達は息を切らさずに談笑していると

「お、おい!あいつ等また立ち上がったぞ!」

この兵士が言ったように仮面を付けた兵士達は
痛みがないかのように立ち上がり

「「「グガァァァ!!」」」

恐怖も感じないかのように襲いかかって来た。




「ふう〜、1人1人全員から大怪我しないよう仮面を
無理矢理引っぺがすのは大変だった・・・」

私は足元に転がっている気絶した仮面を付けた兵士達を見て
ため息をつきながら呟いた。

「確かに大変だったね
でも、誰も死者どころか大怪我を負った人がいないのが
不幸中の幸いかもね」

フィナンシェもそう呟きながら
精神的に少々疲れたようでため息をついていた。

とりあえず私達は駆けつけたディオガ王やミセラ達に
後始末を任せて帰宅した。
こうして仮面によって暴走した兵士達の鎮圧は終わった。




そして、次の日フィナンシェの千里眼で
“狂骨の仮面”を鑑定してみた結果

「麻薬だと・・・?」

ディオガ王はフィナンシェに問いかけた。

「はい、全ての仮面の裏側に濃度が高い麻薬が塗られていました
この仮面を作った民族は麻薬の力で
強靱な戦士を生み出していたみたいですね」

「なるほどね・・・・
通りで痛みや恐怖心がなくなるわけだよ・・・」

私は軽く包帯をしている仮面を付けていた兵士達(今回の一件で減給処分になったらしい)
をチラリとみながらいろいろと納得した。

「ビレア賊を滅ぼした当時は麻薬については
現在と違って世界に伝わっていませんでしたから
麻薬のことを知らない数百年前の人達は
呪われた仮面と思い込んで
いろいろと噂がついたんだと思います」

フィナンシェの説明は終わりこの場にいた者全員が
床に置かれた“狂骨の仮面”に目を向けた。

(こんな恐ろしい物は処分した方がいいかもね・・・)

その後、ディオガ王やミセラは仮面を全て破壊し
彼等は「これは今の時代には不要な物」と
渋い顔で言っていたそうだ。

調べてみると過去にこの仮面によって
悲劇の事件が幾つも起きていて
そして、城にあるのは処分したが
まだ仮面は残っていて
世界のどこかで眠っているそうだ。
そして、その仮面は無知な金持ちや骨董品店の所に行き
事情を知らずに被害者は増えていった。



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