小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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学生編
95話 雪美草



「うう・・・寒い!」

私は真っ白な息を吐いて叫び
その声は目の前の雪原に響いた。

「うう・・・ブルブル
冷たすぎて肌が痛いよ・・・」

フィナンシェは体を少し震わせながら呟いた。

「ああ・・・冬休みで暇だからといって
雪美草を探しに来るんじゃなかったかな・・・」

私達がこの地に来た理由を説明するには少し時を遡る





3日前

「雪美草ねえ・・・」

私は家で新聞の片隅に載っている雪美草についての記事を読んでいた。

「フィナンシェはどう思う?」

「ずいぶんと綺麗な花だと思うよ
食用であるだけじゃなく美容にも良い薬の材料になるみたいだし
そのためかなり希少で高い値が付く花らしいから
せっかくだから採取に行ってみない?」

私は椅子に座り込み少し考え込み

「まあいいか・・・
久しぶりにハンターの仕事として
狩りに行くとしますか」

軽く考えただけですぐに決めてしまったせいで




今、現在私達は猛吹雪の雪原のど真ん中で遭難していた。

「はあ・・・フィナンシェのアンサートーカーで
この雪山の奥深くの未開の立ち入り禁止区域に
雪美草があると出たからここまで来たけど
この猛吹雪じゃね・・・」

「まあハンター試験の時よりはマシだけどね」

「まあそれでも結構寒いけどね」と付け加えて
フィナンシェは呟いた。

「え、フィナンシェはハンター試験で寒い地域に行ったの?」

「うん、極寒地獄ともいえるような雪山に放り出されて
ここで1週間生活しろ!という試験があった」

フィナンシェは苦笑しながら話した。
ちなみにその試験であまりの寒さという
過酷な環境でギブアップして
助けを求めた受験生がずいぶんいたらしい。

「で、お姉ちゃんどうするの?
この猛吹雪じゃ雪美草を探すどころじゃないよ」

私は「一旦、安全地帯に戻りますか」と呟き
一度フリーダム・ゲートで引き返すことにして
フリーダム・ゲートを出そうとすると

「ねえ、お姉ちゃん!あそこに小屋があるよ
しかも、明りが付いていて
誰かいるみたいだしもしかしたら
その人から雪美草の情報が手に入るかも!」

フィナンシェはようやく視界に見える
明りが付いている小屋を見つけて指差した。

「ふむ、確かにこんな所に住んでいるんだから
多分、それなりにこの辺りの情報を知っているだろうから
少なくとも損はないだろうし行ってみますか」

私はそう言ってフィナンシェと一緒に
小屋に向かって足を進めた。





「すいませーん、ちょっと一休みさせてくれませんか〜」

私は頑丈そうな木の扉を叩いた。

そして、私は小屋の主が扉に近づいてくる気配を感じた。

(この人はただ者じゃないね)

気配からかなりの実力者だと判断した
私は不意打ちに対応できるよう警戒し
フィナンシェも少し距離を取って
いつでも戦闘態勢に入れるようにした。

そして、

ガチャ ギィィィ

小屋から出てきたのは

「ん、なんだ、チェリッシュじゃないか!」

「・・・・・ジンさん」

昔、帰らずの洞窟で会ったジン=フリークスさんだった。




私達はジンさんに歓迎され一緒に食事をすることにした。

「久しぶりだな!
ここで再会したのも何かの縁だ。ゆっくりしていきな」

ジンさんは豪快そうな感じで言った。

「あ、ジンさん、紹介しますね
妹のフィナンシェです」

「どうも、フィナンシェ=バートンです
姉と同じようにプロハンターをしています」

「おう、俺はジン=フリークスだ
よろしくな!」

ジンさんはフィナンシェと握手をして自己紹介をした。

「ところでジンさんはなぜここに?」

私はシチューを口にしながらジンさんに質問をした。

「ああ、ただ騒がしいのはあまり好きじゃないから
静かなここに来て自分で家を建ててのんびりしてるだけさ」

ジンさんはそう答え、コーヒーをグビッと飲み

「そういえばお前達はここに何しに来たんだ?」

私達にここに来た目的を聞いてきた。
とりあえず私は雪美草のことを話した。

「ああ〜、雪美草な
それならここにたくさんあるから
好きなだけ持って行きな」

するとジンさんは結晶のようなきれいな形をした花がたくさん入った箱を持って来た。

「・・・・いいんですか?
こんなにもらって」

私は少し唖然としながら聞いた。

「構わねえよ、まあその代わり
俺の暇つぶしの話し相手になってもらうがな」

ジンさんはガハハと豪快に笑った。





次の日

「じゃあ、息子のゴンにもし会ったら頼んだぜ!」

「はい、わかりました
ジンさんもお仕事頑張って下さいね」

そう言い私は雪美草を持って

(せっかくだからいつかくじら島に行って
ゴンに会いに行ってみようかな)

こんなことを考えながらこの場を後にした。

あとで雪美草を売りさばいたら一束数百万単位で売れて
どうやってこんなに手に入れたのか商人の方々から質問されまくって
彼等の対処で面倒で大変なことになるとも知らないで


-97-
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