小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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学生編
96話 幽霊騒動



夜の学校で仕事を終えた生徒会の者達が廊下をスタスタと歩いていた。

「薄気味悪いですね・・・」

気弱そうな女子がポツリと呟いた。

「そこ!そんなこと言わないで!
ますます怖くなるから!」

「でもあの噂は本当なんでしょうか?」

「た、ただのデマでしょ・・・」

会長は動揺しながら答えた。

「でも会長、実際に幽霊の被害者が出ているしね・・・」

「あなた達ねえ・・・幽霊なんて存在するわけな・・・い・・・」

「会長、どうしたんですか?」

会長は震える指で彼等の後ろを指差した。
そして、皆、汗をだらだら流しながら
ゆっくりと後ろを向いて

数秒後、学校中に生徒会員達の悲鳴が響き渡った。




「幽霊ですか?」

私はミセラに聞き返した。

「ええ、先日、不良達が深夜この学校に
忍び込んで夜遊びしていたら
そいつにやられて全員病院送りにされてらしいの
いったいどんな恐ろしいことがあったのか
彼等は今も病院のベッドの上で青い顔をしてうなされているみたいよ」

「へえ・・・そんなことがあったんですか」

「まあ、学校側は事件を表に出ないようにして
全く幽霊の存在を信じていないみたいだけどね
あ、ちなみにその不良達はあなたに叩きのめされた
バルドイの取り巻き達らしいよ」

「ああ、あの人達ですね・・・」

なんでも彼等は普段の行いがあまりにも悪いので
教師達は彼等の自作自演の悪戯だと思ったらしい。
そのことをミセラは話すと

「ま、初めは皆そうだと思っていたんだけど・・・」

そう言うとミセラは急に言いづらそうな表情になった。

「どうしたんですか?」

「とりあえず、周りの噂を聞いてみて・・・」

私は怪訝な顔をして言われた通り
周りの登校中の生徒達に耳を傾けると

「お〜い、聞いたか!?生徒会も幽霊にやられたんだってよ!」

「あ、それ俺も聞いたぞ
確かずいぶん怖い目にあったらしいな」

「おいおい、まだ半信半疑とはいえ
本当に幽霊は存在するんじゃないか」

皆、幽霊の話題に染まっていた。

「聞いての通り先日の夜に生徒会の人達も
幽霊にやられたみたいなの
おかげで少々さわぎになってるってわけ」

私はまたいつものいやな予感を感じながら
ミセラの話を聞いた。

(また、あとでフィナンシェに調べてもらおうかな・・・)

私はそんなことを考えながら学校の門をくぐった。




「調べてみたらその幽霊の正体は
昔ここで自殺した生徒達かも」

フィナンシェはカタカタとパソコンをいじりながら
今回の一件の説明した

「なるほどね・・・・
まあ確かに被害者達の目撃証言の特徴の情報と一致するね」

私は印刷された写真を見て呟いた。

「それでこんなことが起きた原因なんだけど・・・
多分、この人達は皆いじめで酷い目にあって自殺したから
復讐や恨みを晴らすために・・・・」

「死者の念として蘇ったんじゃないかということ・・・?」

私は体中に汗を流しながら言って
フィナンシェは頭を縦に振って「多分だけどね」と呟いた。

(今回は今まで以上に一筋縄じゃいきそうにないかも・・・・)

私は厄介なことになりそうだと愚痴りながら
どう行動するか考えることにした。



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