第十話
そういえば、自分の武器を創るついでで、母に鞭を送った。
ウチの母……M、だから……いやまあ、俺にだけだけど。
普段は男を寄せ付けない美人な母なんだけど、家だと、ねぇ。
そして、今回の武器は結構ネタにはしった。
スキル【人格変更】【服従】【調教】
下位の概念【感覚強化】【射程操作】
中位の概念【魔力無効】
上位の概念【不滅】
絶対概念【ドM化】
こんな概念の鞭だ。
【人格変更】は、所謂二重人格化。
使用者が望んだ時だけ発動する。
自分が何をしたかの記憶は残る様になっている。
【服従】は、人型であれば誰にでも効く。
魔力抵抗値が高い、自分の意志が強い相手には効かない。
【調教】は、動物などの人で無いものに使うと従うようになる。
大きさや強さによって聞かない個体もいる。
【感覚強化】は、あらゆる感覚が倍以上になる。
痛さも、快感も、倍。
【射程操作】は、そのままの意味で、自分の意のままに伸ばしたり縮めたりすることができる。
【ドM化】は、そういう理由で使うとそのままの意味になる。
敵を仲間にする最低のネタ手段。
反省はしていない。
後悔はしている。
・・・・・
・・・
・
視点・母
私の出番……いいえ、私の時代が来たわ!
……私は、何を言ってるのかしら?
そういえば……ミーちゃんから鞭を貰った。
……どうしろと?
そうか!これで叩いて貰えば良いのね!
つまり、これの使い方は……ご褒美ね!
ありがとう、ミー君!
……むしろ、ミー君以外に使ってもらう気ないかも?
「……母」
「どうしたの、ミー君?」
なんだか怯えてる様に見えるけど……ハッ!?
まさか、リューちゃんが何かしたの!?
「……ん」
なんだか呆れられた気がする。
おかしいなぁ?
私変?
「奥様、今日のご予定は……」
「わかってるわ」
「……」(こうやって見るとできる女だよな〜)
「ミー君、失礼よ」
「……」(ごめんなさい)
そうだ!
最近、ミー君とのスキンシップが無かったから、今日はミー君といよう!
……なんで出て行こうとするのかしら、ミー君?
「……」
いやいやと首をフルフルさせるミー君。
可愛いわ〜
うへへ〜
「……奥様、そちらは寝室です」
「ハッ!?私は何を!?」
「母様!いい加減にしてください!」
「……」(そうだそうだ!もっと言え!)
「ミーと最初に閨を共にするのは、私だぁぁぁ!!」
「……!?」(そこなのぉぉぉ!?)
フ、フフ、フフフフフ!
さすが我が娘。
発言に躊躇いが無いわ。
だけどね―――
「いいわ!その幻想!私が粉々にしてあげるわ!!」
「……」(主人公立場的に……それ、俺の台詞……)
「母様……いいえ、アメリア!貴方の罪を数えろぉ!!」
「……」(もう、あんた等が主人公で良いじゃん)
・・・・・
・・・
・
視点・メイドさん
これは、修繕できるのでしょうか?
……無理ですね。
引越しの準備をしませんといけません。
「ミーシャ様、こちらへ……危ないですからね」
「……ん」(魔術スゲェェェ……おお!あれが上級魔術!初めて見た!)
ミーシャ様が小さな歩幅で一生懸命歩く姿は、とても愛らしいですね。
ここ、少し暑い気がしますね。
「……」(そっち寝室だよ)
……どうやら私は、奥様と同じことをしていたようです。
そういえば、あの二人寝室だけ一切被害を出さないですね。
すごい執念、と言えばいいんですかね。
「とりあえず、引越しの申請に行きましょうか?」
「……ん」(あれって……古代魔法とかゆうのじゃ……気のせいか)
ミーシャ様の小さく軟らかい手をとって、城に向かって歩く。
後ろから悲鳴とかが聞こえた気もしますが、私は関係ありません。
例え仕えるべき主だろうと、今はミーシャ様の安全が第一ですから。