小説『伝説の武器(笑)、創りますか?』
作者:ディアズ・R()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第十五話





現在、家で寛ぎ中。
姉上が、隅でいじけてた。
何があった!?

「うぅ……ミ〜」

姉上が泣きながら縋り付いてきた。
……何故泣いてる?
なんかあったんかね?

「……持って行かれた」

何を?
ま、まさか!?
貞操を―――

「ミーに貰った剣と鞘」

……想像通りだ。
で?誰に盗られた?
大体想像つくけど。
俺もこの前盗られたし。

「リリィに……」

だろうね。
なんていうか、縛られない感じなのよ、あの姫様。
物理的じゃなくてね。
そんなことやったら国に殺されるわ。

「りゅ、ぅは?」
「ぐす……なんとなく、自分が持ってた方が良さそうだからって」

姫様は外道だな。
鬼畜か?どうでもいいな
それにしても、泣いてる姉上が可愛い。
でも、それ以上の感情が芽生えない。
そう……家族だからだ!!
なので姉上、弟の下半身を弄らないでください。

「折角ミーが作ってくれたのに、ごめんね……うぅ、ミー……ギュッてしていい?」

姉上、幼児退行してるね。
……なんか良いわ〜
むしろ、このままで良い気がする。
そして弄らない!

「……ん」
「ミー、大好き。ミーは暖かいな〜えへへ〜」

でもま、何時もの姉上の方が好きだから戻ってもらわんと。
さて、姉上用にパーフェクトな剣を創るかね。
よくよく考えてみると、姉上に鞘は合わない気がする。
双剣の方がいいんじゃないかと。
だって、守るよりも攻める方が得意みたいだし。
何時か俺も、攻められるのだろうか?
……まあ、それもいいかもしれないね。
姉上美人だし。
でも、今は弄らないの!!

そういえば、なんであの姫は、姉上の剣を持てたんだ?
選定の概念が発動してなかった?
いや、もしかして、剣自身が持ち主に選んじゃったのかな?
あの姫なら、ありか?
むしろピッタリだ。
選定の概念の分かってない所に、何かあるのかな?
暇な時にでも調べてみよ。


・・・・・
・・・



視点・リリィ

「くしゅん!」

む?なんだ?
誰かに噂されてる気がする。
自身の書斎で、クリアと話し中にくしゃみをしてしまうとは、不覚。

「姫様、風邪ですか?それとその剣……リューネ殿が持っていませんでしたか?」
「ああ、奪い取った」
「何故です?かなり気にいていたようですけど……怨まれますよ?」

怨まれるのは別にどうだっていいんだが。
理由、か。
本当の理由は恥ずかしいからな、誤魔化すか。

「理由は、そうだな……私に似合いそうだったからだ!」
「そうですか……アルテミシア家は王族と親しいですが、どう言おうと所詮中流貴族ですからね……大貴族の方々が無理矢理調べて、その剣を作ったのはミーシャ殿であると知れば……」
「……わかってるなら始めから聞くな」

恥ずかしいではないか……全く。
別に、ミーシャの事が心配なんじゃないぞ?
アルテミシア家がなくなったら困るからだ。
それだけだからな。
ホントだぞ!嘘じゃないからな!?
……誰に言ってるんだろうか?

「なら、わざわざ悪人みたいな真似しなくても良かったのでは?」
「結局見てたのかい!!」
「いえ、偶然です。チラッとお見えになったので……」

何がチラッとだ!
もう、知らん!
寝室へとドスドス足音を立てながら向かう。

「寝る!」
「そうですか……明日、アルテミシア家にクリスと行くのですが……いえ、私が言うことではありませんね。では」

全く、なんて奴だ。
いつか絶対泣かせてやる!
……私にできることなんて、所詮この程度だけだ。
ま、もしもの時は逃げる時間ぐらい作ってやるがな。
て、誰に言っておるんだ!
こういう日は、さっさと寝るに限るな。

「ふぁ〜まったく面倒だのう、優秀な人材を抱え込むのは」

-16-
Copyright ©ディアズ・R All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える