小説『伝説の武器(笑)、創りますか?』
作者:ディアズ・R()

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第七話





視点・リュ−ネ

父様から頂いた剣を壊してしまうとは……まだまだ修行が足りないようだ。
そういえば、壊れた剣を持って落ち込んでいる私を見てから、ミーが何かしているようだ。
そんなことを考えていると、私の部屋のドアがノックされた。

「開いているぞ」
「ぁね、ぅぇ」

入って来たのはミーだった。
なにやら布に包まれた、ミーより大きな物を抱えていた。
とても可愛らしい。
何故私の弟は、こんなに可愛いのだろう?
私の夫に欲しいな〜

「これ、ぁげ、る」
「ん?私にくれるのか?」

大きさと違って、とても軽い。
なんだこれは?
布を取ってみた。
そこから出て来たのは、とても綺麗で、とても美しい鞘と、その鞘に収められた神々しい雰囲気を放つ剣だった。

「ミ、ミー…これは、いったい……」
「創って、みた」

こんな物をミーが、作った?
鞘から剣を抜いてみる。
剣の刃は、両刃の長剣の様な形だったが、そこら辺にあるような剣ではなく、芸術品のような、それでいて、どんなモノでも切断できそうな剣だった。
剣から放たれる神々しい気配から、伝説に出てくるような神剣や聖剣のように感じる。

「ミー、この剣に名前はあるのか?」
「ェクス、カリバー……」
「エクスカリバー……」
「鞘は、ァヴァ、ロン……」
「アヴァロン……か」

無意識にミーが言った名を、噛み締める様に呟く。
これほどの一品を、私なんかが使っていいのだろうか?

「ぁね、ぅぇが、困った、時、なまぇを、ぃぇば、ぃ」
「そう、か……ありがとう、ミー」

こんなにすごい物を、私の為だけにミーが作ってくれた。
それだけで、満足だな。
先ほどまで落ち込んでいたのが嘘の様な笑顔をミーに向ける。
ここでミーがとんでもないことを口にする。

「ぁと、それ、ぃち、ぉぅ、せぃ、剣」
「……は?」

この子は今なんと言った?
聖剣?
つまり、この子は聖剣を作ったのか?
いやいや、こんな子供が聖剣など作れる訳が無いだろ?
いやもうホント、ありえないって。
ちょっと待て、ならあの砕けてしまった剣は?
……まあ、ミーが嘘を言うわけないからホントだろう。

「……フ、フフ、アハハハ……流石私の弟だ」

本当に、他の女に渡したくないな。
既成事実でも作ってしまおうか?
何故か、ミーが急いで出て行こうとする。

「まあ、待て」
「……や」

やっぱり可愛いな。
他の女に渡したくないな。
子供さえ作ってしまえば、誰も文句は言えないだろう。
そうに違いない。
ミーはワタシノモノ。

「……」(姉上が変態になった気がする)
「失礼だぞ」
「……」(ごめんなさい)
「私が、ミー以外に性的興奮を覚えるとでも?」
「……」(貞操ピーンチ!)
「ふふ、安心しろ、私も初めてだからな」
「……」(何が!?)
「女にそんなことを言わせるな」

結果的に、ミーはまだそういうことが出来なかったので一緒に寝るだけにした。
ミーの肌は、やわらかいな。
寝ているミーの唇に自分の唇を重ねた事は、私だけの秘密だ。
ミー……私は、どんなことがあっても、お前を愛するよ?

-8-
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