小説『俺の幼馴染は極度のツンデレ女』
作者:散々桜()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

「今回は大ボリュームで送る『俺の幼馴染は極度のツンデレ女』! 皆、よろしくなっ!」
「あれ? 今まで意味の分からない豆知識みたいなものやってたじゃない。あれはどうしたの?」
「ああ、あれか。いや実はな、作者も困っているらしいんだ、何しようって毎回毎回頭を悩ませているんだぞ? 限界も来るさ」
「でも、豆知識ならたくさんあるじゃない。諦め何て、感心できないわね」
「そうは言ってもなぁ、恋歌。意外ときついかもしんないぜ?」
「知らないわよ。やればいいのよ、やれば!」
「ま、そうゆうわけだから、今後何度かはこうやって俺たちの雑談になるかもしれない。まぁ、始まる前の予告みたいなものと思ってくれ、それで十分だ」
「十分じゃないでしょうが、バカ氷河!」
「いって! 何しやがる、恋歌!!」
「別に何もしていないじゃない」
「頭叩いただろうがっ! ちくしょう、こうなったら――むがっ!?」
「うるさいわね。アンタは私の話だけ聞いていればいいのっ! そういうわけで、始まるわ。こ、心して聞きなさいよね、バカ……」



♯13.男4人×in秋島家



夏。現在、夏休み真っ最中。
そして今、我が秋島家のリビング。
うむ、暑いっ!
暑い。暑いよ。何で夏、ってこんなに暑いのさ。あん? なぁ、応えてくれ太陽。
それを言うと冬もだな〜。寒い。寒いよ……。いや、今は暑いけどね。
夏ってよ、アイスとか食べていても溶けてくるんだよな〜。んでもって、手にかかってきて、のちにべたべたし始めてさ。あれが嫌なんだよな〜。
ああ、それから、チョコとか買っても溶けてること多いよな〜。さぁ、いざ食べようか、って時にドロドロでうわ〜、みたいな。
あー……暑い。暑いよ……。

――ピンポーン

ん? 誰だろう、こんな暑い時に。
あ、って、考たちかよォ……! よりによって、暑い時に暑苦しい奴らかよォ!
どうしよう、出るか? いや、でもこいつらはせっかく来たわけだし……。
あーでも、いない、ということもできるな。うむぅ……ど、どうしよう。

『あれ、いねーのか氷河のヤツ?』
『さぁな、恋歌ちゃんとウハウハなんじゃないか』
『マジかよ。よし、死刑だな』
『いや、何でお前が嫉妬感抱いてんのよ』

う、うぜェ……! 
なんなんだアイツら。好き勝手言いやがってよォ! え、なに? 俺がいなかったときいつもこうだったの、そうなの!?
ち、ちくしょう……。

――ガチャ

「お、いるなら早く出て来てくれよ氷河〜」
「ああ、すまん。ちょっと寝てた」

そんなわけないけどな。こんな暑い時に寝ていられるものか。
ぞろぞろと入りやがって、こいつら。ていうか、お邪魔しますくらい言えっ!

「うほー! 涼しいぃ!」
「確かにな。まるで北極だ」

それだったら涼しいどころじゃねぇだろ! 凍死するわアホ!
ちくしょう、雄志の奴、ってこんなにボケキャラだったのか? 俺はなぜ今まで気づかなかった……! 無念!

「なぁなぁ、何か飲み物出してくんね?」
「あ? 麦茶でいいか?」
「えー、僕オレンジジュースがいい〜」
「わかったよ、ちょっと待ってろ。絵具用意してくるから」
「え、それどういう意味」

考はあいかわらずだな、うん。
まぁ、冗談はやめとして麦茶を出すか。俺も飲みたいし。

「ホラ」
「お、サンキュー」
「悪いな、氷河」
「えーオレンジ――あ、いえ麦茶でいいです」

どうやら俺の睨む攻撃が決まったようだな。

「あ〜、夏休み暇だ〜」
「同感だ」
「皆でどっか行くか?」

お、珍しく普通トークか?

「そんなことよりも! 俺たちにはすることがあるだろうが!!」

いや、今回もダメだな。考が乗り出したからにはもうおしまいだ。

「何だよ、することってさ」
「当たり前だ。そんなことは決まっている。俺たちはな……俺たちは……」
「(ゴクリ)」
「(ゴクリ)」

いや、雄志も健也もそんなに真剣に聞かなくてもいいと思うぞ。
どうせ、ろくでもないことに決まっている。……麦茶飲むか。

「俺たちは彼女を作るんだぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!」

――ブッ!

やっべ、お口に含んだ麦茶が出てしまった! つか、はぁ!?

「か、彼女!?」
「そうだぞ、雄志。アーンドゥ健也。いいか、夏休みと言えばなんだ? ……はい、健也君」
「そうだな……。海と肝試しと……水着?」
「そう! 俺と若干違うけど、そう! それには何が必要だね雄志君!」
「え、えーっと……お、女?」
「そうなのだよ! キミたちちゃんとわかっているではないかっ!」

おい、俺をのけるな!
くそ、止めるしかない!

「ちょっと待て。彼女作る、って言ったって、できるのか? そんなホイホイできるもんじゃねぇだろ」
「何だ、氷河。怖いのか?」
「いや、そんなマジな顔で言われても困るんだけど。そうじゃねぇって、つか、女子のほうがどうやって見つけるんだ?」
「それは簡単だ。ナンパする!」

いや、難易度がハード以上だと俺は思うぞ。
はぁ、しかし、やはりこうなってしまったか。こいつら、マジでやる気じゃないだろうな?

「そうと決まれば、明日は海に行って女の子にナンパし、まずはメアドゲットだな」
「メアドでいいのか?」
「ふむ、健也もまだまだ考えが甘いようだな。女の子は繊細なんだ。少しずーつ近づいていくのがBEST! というわけで、まずはメアドからでいいのだ」

本当にそうなのか?
俺は不安でたまらんのだが。つか、考が言えることでもないだろ!

「おお、なるほど!」

納得しちゃったよ〜この子。
確かに考えが甘いな。そこは考に同情するよ。
ん? てか、海? あれ、この前行って……失敗したばかりだよな?

「おい、また海に行くのか? この前行って失敗したじゃねぇか」
「フフフ……今度は違うのだよ!」
「はぁ?」
「あの時は急すぎて女子たちもついていけなかったのだ! だが今回は違う! 少しずつ近づいて距離を取り、そしてゲットするという完璧なオペレーション! 名付けて『スロウラブストーリー〜あなたの心に一人の男を〜』作戦だ!」

直訳すると、『遅い恋の物語〜あなたの心に一人の男を〜』だ。
アハ☆一発殴りたくなってきた。
何が恋の物語だよ、全く。つくづく呆れるな。

「それでは! 明日の10時にここ秋島家を集合地点として、海に行くぞォ!」
「「おおー!!」」
「はぁ……どうなってもしらんぞ」

溜息をついて何が悪い。そこのお前、ここにいてみろ、絶対に溜息が出るからな。
――かくして、唸りを上げた男たち(俺を除く)は、再度海に出陣することになった。果てが無いようでありそうなこの虚しき戦いは、彼らに勝利を見せるのか!? 次回、男共の姿! ……な〜んて。だがしかし、俺は海で予期せぬ事態が待ち受けていることを、今はまだ、知らなかったのだ。もしかすると、考たちのように、ナンパしていた方が良かったのかもしれない。

-13-
Copyright ©散々桜 All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える