「戻る方法があるんですか?存在を元に戻す方法が」
「あぁ。144時間周期。要するに、6日周期で存在を回復させるための波のようなものがくる。それをあびれば、存在が回復する」
「それは本当?」
「あぁ、しかし条件がある」
「条件?」
憐爾はそう、訊き返した。存在を回復するための条件とは何なのだろうか。
「まぁ、俺が言ってもいいのだが・・・、自分で考えてみろ。憐爾。存在が消された理由がわかるなら、存在を戻されるために必要な条件もわかるはずだ」
「むむ・・・・・・」
「これでわからなかったら、君は本当にあほだね」
さっきまでそっぽを向いていた初音が口を挟んできた。少しいらっとくるような台詞。どうしても思いつかなくては・・・。
存在が消えたのは。自分が世界に存在する法則からはずれout lawの力を持ってしまったから。といっても、憐爾は自分がどんな法則から外れたのかは知らない。だから実感がわかない。
法則から外れて消された・・・・・・。なら、
「その、out lawという力がなくならばいいっていうことか」
「ご名答。よくわかったねぇ」
さっきから初音うるさい。
「そう、out lawがなくなればいい話だ。しかしなくすためにはあるものを手に入れなければいけない」
「あるもの?」
「そう、あるものだ。初音わかるよな」
カイトが初音にふった。いきなりふられたので一瞬あせっていたが、冷静さを取り戻していった。
「う、うん。『ローブック』だよね」