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「なるほど・・・」
憐爾は本を手に取り、一応納得した。
「それで、この本を手に入れればいいんですよね?」
「そうだ」
カイトは頷く。
「えっと・・・その、ローブックってどうやって手に入れるんですか?どこにあるんですか」
「そうだな・・・そのことなんだが・・・・・・」
カイトは本棚から地図をとった。どうやらここ、神鳴市(かんなきし)の地図のようだ。カイトは地図を広げた。ペンを手にとりある場所にしるしをつけた。
「ここが、今僕たちがいる場所」
憐爾はしるしがつけられた場所をよく見た。
(・・・・・・・・。ここって自宅(うち)の超近くじゃん)
「そして、注目すべきはこの範囲だ」
地図上に円が書かれる。実際の距離でいうと・・・・・・、半径5kmぐらい。その円の中に今いる場所も含まれていた。
「この円は?」
「この範囲が第GLC−875地区となっている。まぁいってもわからないだろうが。僕たちはその第GLC−875地区のNo existenceというわけなんだ・・・。1つの地区には1000〜2000冊のローブックがある。まぁ、いろいろな場所に散らばっているということだ」
「ちなみに・・・」
カイトはさっきの本を再び手に取る。
「これは、『慣性の法則』のローブック。しかし、僕も初音にも必要のないものだが。ちなみに今、君が持っている本が『人間の身体能力』のローブック。それは初音のための物だ」
「この2冊はとってきたんですか?」
「いや、これはもともとこの近くにあった物。別にとってきたというほどのものではない」
憐爾は地図にかかれた円を指差して、
「この範囲内にあるんですよね・・・。ならすぐにとりにいけるな・・・」
憐爾はほっとした。
「結構楽にlcer間でに取りにいけそうですね」
初音はその言葉を聞くと首を横に振った。
「いや、それがそうでもないんだよ」
といいこっちを向いた。
「なんで?」
憐爾が問う。
「だって、まず憐爾は自分の『out law』に自覚がないじゃん。それじゃ自分のローブックを探しようもないし、それに考えて。ローブックはひとつのout lawにつき、そしてひとつの地区につき1冊しかないの。わかる?この意味」
「?」
「今、この地区には私たちを含めて7人のNo existenceが確認されているの。もしいづれかの人が同じout lawをもっていたら?」
なるほど。一冊しかないなら・・・。しかもそれが重要なものなら、確実に奪い合いになる。
「なるほどな・・・。じゃあ急ぐためにも俺自身が自分のout lawを見つけないといけないってわけか・・・」