「案内人って何・・・?」
初音がおそるおそるカイトに問う。
「・・・・・・あとで説明する。今は敵に集中しよう」
少し間があったのが気になる。
そんなやり取りを見ていた新川は、
「あら、べつにいいわよ。今説明しても。なんだかあやふやなまま戦ったって面白くないでしょ?」
「・・・・・・・・・」
「そうだな・・・、じゃあ今説明しよう『案内人』について」
カイトは少しふらついたまま、部屋の中央にあったいすに座った。新川は壁に寄りかかった。どうやら言葉のとおり待ってくれるようだ。
「最初に言おう。僕は正確にはNo existenceじゃないんだ」
「どういうこと・・・?」
「さっきも言ったが僕は『案内人』。No existenceをlcerへ導く・・・・・・といったらなんだかおかしいが、lcerで存在を取り戻せるように案内する役目を持っている」
「・・・?でも、No existenceじゃないっていうならなんなんですか」
「だからいってるじゃないか・・・」
といいかけて、カイトは憐爾が訊いてることの意味の解釈を変えた。
「・・・。自分でもよくわからないことなんだけどな・・・。少なくとも、俺は人間ではない」
カイトは小さくそういった。