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憐爾は目が覚めた。いったいどれくらい気絶していたのだろう。どこか建物の中にいるようだった。上半身を起こして見回してみると、初音と一人の男がいた。
2人の話し声が聞こえてくる。
「まぁ、まだあと130時間もあるから大丈夫なんじゃない?」
「油断したらいけない。そういう余裕をかましていたやつらがいっつも消える」
「むむむ、ん、あ憐爾起きたみたいね」
初音がこっちに気づいた。
「おまえなぁ………」
軽く睨み、
「何もしてないのに、勝手にける馬鹿がどこにいる」
「……………」
初音は憐爾を無視しそっぽを向いた。
初音の後ろにいた、男は「はぁ」とため息をついた。
「何があったのかは知らないけど。こんにちわ憐爾。僕の名前は荒海海人よろしくな」
その荒海とかいう男は、18歳ぐらいのようだった。
「よ、よろしく。あ、あの荒海さん。聞きたいことがあるんですけど……」
そう、訊きたいことは山ほどある。初音に訊いてもいいのだが、まぁこっちのほうがいい答えが返ってきそうだ。ついでにいらつくこともなさそうだ。
「うん?なんだい?それと荒海さんはやめてくれないか?かたっくるしいから。カイトと呼んでくれ」
「んじゃあ、カイトさんNo existenceって何なんですか?俺は元に戻れるんですか?」