小説『オニが出た日』
作者:夢色真珠()

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 唯は目を見開いて驚いている。
かなり驚いているようだ。
僕は続けて話し続ける。

 「実はな・・・これは『オニ』を呼び出す音なんだよ。
  鬼はこの音を聞くと、どこからかやって来るんだ」

 「・・・いまから『オニ』がくるの・・・?」

 唯はおそるおそる聞いてくる。
どうやら本気で怯えているようだ。
予想通りの反応だ。

 「そうなんだよ・・・。
  実はもう近くまで来ているのかもな」

 「もう、やめようよ〜
  『オニ』がここにきちゃうよっ!
  唯、こわい!!」

 唯は本当に怖いらしく、辺りをきょろきょろと見渡している。
『オニ』がいないかどうか確認しているようだ。

 「わかった、わかった。もう止めよう」

 ほっとした唯の顔を見て、僕はにたりと笑って
次の行動に移った。
さぁ、ここからが本番だ。
僕の腕の見せ所だぞ。

 「あっ、あそこに鬼が来てる!」

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