小説『永遠の月光』
作者:銀の雫()

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標的9「風紀来る!」




















並中での生活も落ち着き、桜も散ったある日。


学校からの帰り道で、天空はちょっとしたトラブルに巻き込まれていた。

…というのも、天空はツナや他のイレギュラーズとは家の方向が違うため、
一人で下校したのがそもそもの間違いである。


不良1「なあ、どうせ暇なんだろ?」
不良2「俺らと一緒にあそぼーぜ」
天「嫌ですって…!」


さっきからずっとこんなやり取りが続いている。
しかもだんだん人通りの少ない所へと追い込まれ、ついに逃げられなくなってしまった。


ど、どうしよう!
あんまり目立ちたくなかったけど、こうなったら何してもいいよね!?
この人たち殴ってもいいよね!?


覚悟を決めた天空は、ポケットに入れている武器に手を伸ばす。


不良2「なんだ?そんなモンでやりあうつもりか?」
不良1「ムダムダ。そんなものしまって、俺らとあそぼーぜ」


…何か…ムカつく…
雲雀さんが咬み殺したくなるの、わかる気がするよ…!


天「いい加減に ?「君達、何群れてるの。」この声…まさか…」















雲「風紀を乱した者は、誰であろうと咬み殺す!」





やっぱり雲雀さん!!
何で!?助かったような助かってないような…?
って、早く逃げなきゃ!私も巻き添えに…!!



雲「どこ行くの」
天「いっ!?」





いつのまにか不良をあっさり咬み殺していた雲雀に引き止められる。



どうしよう!知らないフリしていいのかな!?この状況で!?



予想外の事に戸惑い、なかなか口を開かない天空にしびれを切らしたのか、
雲雀がイライラオーラを出し始めた。


や、やばい!


雲「…僕を無視するなんて、いい度胸だね。」
天「えっと…ありがとうございます?」
雲「君、並中(ウチ)の生徒だね。名前は?」
天「月城天空です。」
雲「いくよ。」


え…『いくよ』って何!?っていうか名乗ってくれないの!?


天「待ってください!どこ行くんですか!っていうか、あなたは誰ですか!?」


あ…思わず叫んじゃった!もしかして自分で死亡フラグ立てた!?


雲「…いくよ。」


ムシですか!知りたかったらついて来いと!?
でも…拒否権はないんですよね…だってそういうオーラ出てるもん(汗)




























〜並盛中・応接室〜




天「えっと…そろそろ帰してもらえませんか?」
雲「だめだよ。」


仕方なく雲雀について行った天空は、その後ずっと良くわからない
書類をやらされていた。


雲「それが終わったら僕の名前を教えるよ」


いや、もうどっちでもいいです。
名前知ってるし。早く帰らせてください。
ここに居るとボロを出しちゃいそうで怖いんですよ!!


天「さっきからずっとそればっかりじゃないですか…(呆)」
雲「早くやりなよ。」


…う〜ん…
何か良い方法…早く帰れるような方法…
あ〜紅茶があれば何とかなるかもしれないのに!
どうしてこういうときに限って無いの!?

















〜二時間後・応接室〜







天「…終わった…」



…結局いい案も浮かばないので、集中して早く終わらせようと頑張った天空。
しかし、予想以上に書類の量が多く、かなり時間がかかってしまった。
もうそろそろ、普段修行に行く時間になる。



天「じゃあそろそろ帰りますね…お疲れ様でした…」
雲「…雲雀恭弥」
天「へ?」
雲「終わったら教える約束だからね。」
天「あ…そうでしたね。すっかり忘れてました。」


それだけ言うと、すぐに応接室を出ようとした天空だったが、
またしても雲雀に呼び止められる。


天「…何なんですか。私も結構忙しいんですから、早くしてください。」
雲「送るよ」
天「へ?」



あ、二回目…(笑)
って、そうじゃなくて!
今何て言った?群れるの嫌いなあの雲雀さんが…“送る”!?

ありえない、ありえない、絶対ありえない〜!!


雲「…いくよ」ムスッ
天「…はい」





































天「…いろいろとありがとうございました」
雲「じゃあね。」


…と、行きかけた雲雀が立ち止まり、




雲「(ボソッ)…月城天空。気に入ったよ。」
天「…はい?」



ああ…聞き返す前に行っちゃった…。
ってそれより、雲雀さんに目をつけられた!?
どうしよ〜〜〜!?


















――――――――その日以降、







天空はたびたび雲雀から呼び出され、書類を押し付けられるようになったとか…








































  お ま け

  




ある日の応接室―――。














草「委員長。この生徒について調べたのですが…」
雲「そこに置いといて。」


草壁が置いた生徒の書類。それは、『月城天空』の物だった。
彼女の書類には、戸籍と住所、電話番号以外は書かれておらず、
身元を含め、謎が多かった。
仕方なく、風紀委員として調べることにしたのだが…



雲「“不明”?」


風紀委員の…いや、雲雀自身の権力を駆使しても、結局はわからずじまいだった。










****************






それが…その人物が、今目の前に居る。
どこからどう見ても、普通の女子生徒だ。


だが仕事が早い。
雲雀もミスなどがないかチェックしているが、完璧といっていいほど
しっかりこなされている。
草壁や、自分がやるよりもはるかにいい。



















…結局彼女は、普段雲雀が一日かかって終わらせる書類を、
たった2・3時間で終わらせてしまった。








雲「(ボソッ)…月城天空。気に入ったよ。」



そうだ、これから書類が溜まり始めたら彼女を呼ぼう。






…近くに居れば、何かわかるかもしれないしね。






++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

あとがき。


雲雀さん登場でした…
主人公は完全に雲雀さんに利用されてます。
気づいてはいるけど、面倒なことになるのが嫌なので、
押し付けられた仕事を手っ取り早く終わらせることに専念しています。


ここで、作者より、お礼と謝罪です。


この小説のアクセス数が増えていってます!
読んでくださっているみなさん、本当にありがとうございます。


実は、明日から学校が始まります。
なので、今まで通り一日一回更新ができなくなるかと思います。
もしかしたら、週に1〜3回くらいに減るかもしれません。

できる限り頑張っていきますので、これからもどうか
よろしくお願いします。



次回から五月になります。(話進むの遅い…)

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